【写真】吟(藤原樹)も全幅の信頼!頼りがいのある個性豊かな“日本酒”たち
THE RAMPAGE from EXILE TRIBEの藤原樹が主演を務める「あらばしり」(毎週木曜深夜0:59-1:29、読売テレビ/Lemino・TVerほか※Huluはレンタル配信)の第11話が、3月20日に放送された。亡き祖父・金蔵(渡辺哲)の酒店を継ぐ決意をした吟(藤原)は、母・澄子(横山めぐみ)が進める酒店の土地売却話に困惑。母が語った理由は、長年積み重なっていた一人の“娘”としての切ない思いだった。(以下、ネタバレを含みます)
吟と日本酒たちの絆も深まっていく
「あらばしり」はライフワークとして日本酒の魅力を発信する橘ケンチ(EXILE/EXILE THE SECOND)と、俳優・脚本家・監督として活躍する平沼紀久が原案を手掛け、2020年12月から講談社「マガジンポケット」にて連載された日本酒の擬人化漫画(漫画:タクミユウ)をドラマ化。日本の「伝統酒造り」が無形文化遺産に登録され、関心が高まる中で誕生した作品だ。
擬人化された6本の日本酒メンバーは、穏やかで優しく、真っすぐ芯がある「一歩己」(西山潤)、無骨でおとこ気があり、頼れる兄貴分キャラの「赤武」(市川知宏)、柔らかく優しい、人懐っこい天真らんまんな「加茂錦」(大倉空人)、大人の色気があり、知性あふれるおしゃべり好きな関西弁キャラ「篠峯」(吉田健悟)、ワイルドで熱く硬派な一匹おおかみタイプの「村祐」(青山凌大)、陽気でパリピなムードメーカーキャラの「屋守」(後藤拓磨)。
日本酒たちはちょっぴり頼りない新店主の吟を支え、時には頼りがいのある兄のように相談に乗ったり、時には友人のように一緒にはしゃいだりして過ごし、どんどん絆も深まっている。
吟が新たな日本酒のプロデュースを引き継ぐ
第10話では、金蔵が仲良くしていた蔵元の正田(阿部翔平)から、吟に手紙が届く。正田の造る新たな日本酒のプロデュースを引き受けた金蔵が、自分に何かあった際は孫がそれを引き継ぐと話していたのだという。
吟は「今の俺には無理」と弱音を吐くが、日本酒たちから金蔵が「出来上がった酒で夢をかなえると言っていた」と聞き、正田の蔵を訪れる。正田は遺志を引き継ぐかどうかじっくり考えてほしいと、金蔵が付けていたノート「日本酒造りの記録」を吟に託す。
ノートを読むうちに、金蔵の夢は自分の将来にも関わると気付いた吟は、日本酒たちの協力のもと祖父の思いをかなえようと決意。だが、翌朝やって来た澄子に「売れたから。この土地」と突然告げられる。
澄子が語る父への思い「日本酒よりも家族を大事にしてほしかった…」
吟は酒店を失うかもしれないという最大のピンチを迎えた。しかも、売却を言いだしたのは母・澄子ということで、吟としては何としても祖父と澄子の間にどんな確執があるのか、知りたかった。澄子が傷ついていたのは、今作最大の特徴である「擬人化した日本酒の存在が見えて、会話ができる」という部分だった。
金蔵と吟が共通して持つこの能力を澄子は持ち合わせておらず、金蔵が日本酒に夢を懸けていた人生は、澄子にとっては家族がないがしろにされてきたという歴史だったのだ。澄子は「日本酒よりも家族を大事にしてほしかった…」という寂しい本音を告白した。
祖父の言葉にできない“娘を思う気持ち”
吟は金蔵の日本酒ノートの中に、本当に金蔵が作りたい日本酒のイメージとして「透き通った川の水」というフレーズを見つけ、母の名「澄子」との共通点を見いだす。言葉にできない娘を思う気持ちを日本酒にこめたシャイな祖父を思うと、誤解を解きたいと願う吟だった。
伝統ある日本酒の店や蔵、味を受け継いでいくというのは、家族の物語でもある。長い間にわたり日本酒を守ろうとする人々の葛藤や挑戦が重なって、世に出回るおいしい酒の品質が保たれている、という大切なことを思い出させてくれるドラマだ。
SNS上にも「『あらばしり』のおかげで日本酒が飲みたくなった」「日本酒の勉強になった」「お酒に興味が出てきた」と、ドラマを通じて日本酒への関心が高まったという声が各話の放送後に寄せられている。また、第11話の放送後には「吟ママの気持ちも分かる」「確かに理解できる」と、澄子が金蔵に抱える思いに共感する声が上がっていた。
次回、最終話は3月27日(木)に放送。「店の土地が売れたから、今月中に出て行ってほしい」という澄子の宣告を受け入れる吟。ただし、澄子が最後に店のお客さんになってくれたらという条件を付ける。
◆文=ザテレビジョンドラマ部