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映画『「桐島です」』特報&場面写真公開 主演・毎熊克哉「隠しきれない人間像が見えてくるはず」

  • 2025.3.23
映画『「桐島です」』場面写真 (C)北の丸プロダクション

毎熊克哉が主演する映画『「桐島です」』より、特報と場面写真が解禁された。

【動画】毎熊克哉、桐島聡の20代から70歳までを演じ切る『「桐島です」』特報

2024年1月26日、衝撃的なニュースが日本を駆け巡った。1970年代の連続企業爆破事件で指名手配中の「東アジア反日武装戦線」メンバー、桐島聡容疑者(70)とみられる人物が、末期の胃がんのため、神奈川県内の病院に入院していることが判明した。

男は数十年前から「ウチダヒロシ」と名乗り、神奈川県藤沢市内の土木関係の会社で住み込みで働いていた。入院時にもこの名前を使用していたが、健康保険証などの身分証は提示しておらず、男は「最期は本名で迎えたい」と語った。報道の3日後の29日に亡くなり、約半世紀にわたる逃亡生活に幕を下ろした。

桐島聡は、1975年4月19日に東京・銀座の「韓国産業経済研究所」ビルに爆弾を仕掛け、爆発させた事件に関与したとして、爆発物取締罰則違反の疑いで全国に指名手配されていた。最終的に被疑者死亡のため、不起訴処分となっている。

この謎に満ちた桐島聡の軌跡を『夜明けまでバス停で』(2022)で第96回キネマ旬報ベスト・テン日本映画監督賞、脚本賞をはじめ数々の映画賞を受賞した脚本家・梶原阿貴と高橋伴明監督のコンビがシナリオ化。医師の長尾和宏が、『痛くない死に方』『夜明けまでバス停で』に続き、高橋作品の製作総指揮を務める。

主演の毎熊克哉は、桐島聡の20代から70歳で亡くなるまでを演じ切っている。また、さそり部隊のメンバー宇賀神寿一役には奥野瑛太。奥野も20代から70代までの幅広い年代を演じた。

さらに、ミュージシャンのキーナ役には北香那。劇中では河島英五の名曲「時代おくれ」(1986)のカバーを披露し、新たな演技の幅を見せている。謎の女役は高橋監督のパートナーである高橋惠子が演じる。本作の脚本に触れた高橋惠子本人が、夫である伴明監督作品に初めて自ら出演を希望したという。

また、『さすらいのボンボンキャンディ』(2022/サトウトシキ監督)で好演した原田喧太と影山祐子のコンビがバーの店主役と工務店の事務員役をそれぞれ務めた。このほか甲本雅裕、山中聡、白川和子、下元史朗、趙珉和といった高橋監督に縁の深いキャスト陣が脇を固めている。

主演の毎熊克哉は、「本作で桐島役を演じるにあたって頼りになったのは、彼がよく聴いていたというブルースとバーで知り合った女性の存在。誰にも素顔を見せられない逃亡生活の中で、隠しきれない人間像が見えてくるはずです」とコメントしている。

映画『「桐島です」』は、7月4日より新宿武蔵野館ほかにて公開。

※コメント全部な以下の通り。

<コメント全文>

【製作総指揮:長尾和宏】

事件が起きたのは50年前。僕は中学生だったが、街角で桐島の指名手配写真を見るたびに不思議な感覚を抱いた。この人は生きているのか? 生きているとしたら、どうやって暮らしているのか? 本人がこのポスターを見たら、どんな気持ちになるのだろうか? そして2024年、「桐島らしき男」が病院で死亡したと聞き医者として驚いた。保険証なしで70歳過ぎまで暮らすことが可能なのか? なぜ最期の最期に実名を名乗ったのか? 私の原作映画『痛くない死に方』でご縁のできた高橋伴明監督が「桐島を撮りたい」ということで、今回、私が製作総指揮をさせていただくことになった。

ずっと偽名で生きてきた男の人生を、ノンフィクションとフィクションのあいだを彷徨いながら映画にすることに興味が湧いた。トランプ革命の今、日本は大きな岐路に立っている。貧困にあえぐ若者たちは財務省前でデモを繰り返している。……もしかしたら日本は50年前に戻ろうとしている? だから今こそ、この映画が日本に必要だ。

【脚本:梶原阿貴】

「桐島やるぞ。5日で脚本書いてこい。お前なら書ける」昨年2月に監督に呼び出され、こう告げられた時、すでに心は決まっていた。なぜなら桐島聡氏と思われる男性が病院に入院したという1月末の一報を受けてから、すぐに情報を集めていたからだ。21歳で指名手配された桐島氏はこの50年近くどのように生活し、今の社会に何を感じ、何に怒り、何を考えたのか。その生活の中から今の日本が見えてくるような構造にしたいと話した。前作「夜明けまでバス停で」に出てくる、「バクダン」とも知り合いだったかもしれない桐島聡氏に思いを寄せて―

【主演:毎熊克哉】

凶悪犯の顔が並ぶ中で1人だけ人の良さそうな青年が混じっている違和感。

87年生まれの私は事件のことを知りませんでしたが、交番に貼ってある手配書の写真だけは子どもの頃から記憶していました。

事件に関する書籍や資料を読み漁っても桐島氏の過激な思想が窺えるものはなく、なぜ反日武装戦線に加わったのか? 他にも道はあったのではないか? と疑問が浮かびます。

本作で桐島役を演じるにあたって頼りになったのは、彼がよく聴いていたというブルースとバーで知り合った女性の存在。

誰にも素顔を見せられない逃亡生活の中で、隠しきれない人間像が見えてくるはずです。

「優しさを組織せよ…」

時代に翻弄された男の物語、ぜひ劇場でご覧ください。

映画『「桐島です」』特報

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