プロテインを摂るベストなタイミングとは? 摂りすぎとは、どのくらいのことを指すの? 私はこれまでタンパク質について深く考えたことはなく、食事の一部でしかなかった。それが変わったのは、ワークアウトを始めてからだ。ジムに通うようになった私にとってプロテインは単なる食べ物ではなく、フィットネスを続けるために欠かせないものとなった。
プロテイン=タンパク質は代謝を高め、筋肉の強化・回復を早めたり、組織や筋肉の分解を防ぐものだと広く知られているが、ただ摂取すればいいというわけではない。プロテインを摂取するタイミングは、その量と同じくらい重要だ。誰にでも当てはまるひとつのルールのようなものはないが、それぞれの目的にあわせて戦略的に取り入れることで、その効果を高めることができる。
「タンパク質は、筋肉、組織、酵素の構成要素であるアミノ酸からなる重要な多量栄養素(毎日大量に必要とされる栄養素)です」と説明するのは、スポーツ栄養士でヘルスコーチのニコール・リンハレス・ケディア。「筋肉の修復と成長、特に激しい運動の後には欠かせません。運動すると、筋繊維にストレスがかかり、小さな断裂が生じます。タンパク質はこれらの繊維の修復を助け、筋力アップとその回復を促進するのです」
しかし、プロテインはジムに通う人だけのものではない。料理栄養士でホリスティック・ウェルネス・コーチのエシャンカ・ワヒは、タンパク質は免疫反応から酵素活性、細胞シグナル伝達まで、生物学的機能において重要な役割を果たしていると指摘する。要するに、ワークアウトをするしないにかかわらず、タンパク質は無視できないということだ。以下、インド版『VOGUE』が目的別にプロテインを摂るベストタイミングを必要量とともにまとめた。
目的別、プロテインを摂るベストタイミング
1. 減量
【タイミング】
朝食、主食をメインに、1日を通してタンパク質を摂取することを心がけよう。「プロテインは満腹感を長く持続させるので、全体的なカロリー摂取量を減らすことができます」とケディア。また、脂肪を減らしながら筋肉を維持し、除脂肪体重の減少を防ぐ。
【摂取量】
1日の総エネルギー消費量に応じて、体重1kgあたり1.2~1.5g。
2. 筋肉の増加と筋力アップ
【タイミング】
ワークアウトの後、可能であれば30分〜60分以内に。「こうすることで、筋肉の修復と成長に必要な必須アミノ酸を確実に摂取することができます」とワヒ。
【摂取量】
運動後、体重1kgあたり1.6~2.4g。
3. 筋肉減少の予防
【タイミング】
1日を通して、特に朝と夜。「特にカロリー不足、更年期、加齢の時期に筋肉の減少を防ぐのには、タンパク質を頻繁に摂取することが役立ちます」とケディアは説明する。
栄養士のラッキー・ジャインは、卵、鶏肉、魚、魚介類、乳製品、大豆などのタンパク源の重要性を強調する。「空腹時の運動は避け、運動の1.5時間前にタンパク質を摂取して筋肉の減少を防ぐといいでしょう」
【摂取量】
体重1kgあたり1.6~2.2g。
4. パフォーマンス向上と回復
【タイミング】
ワークアウトの種類にもよるが、運動後の回復が鍵。プロテインは筋肉の修復を助け、痛みを軽減し、回復を早める。運動前のプロテインもパフォーマンス向上のための燃料になるが、炭水化物の多い食事と組み合わせる必要がある。
【摂取量】
体重1kgあたり1.2~1.6g。
プロテインはどうやって摂取すべき?
魚、鶏肉、卵、レンズ豆、キヌア、乳製品などのホールフードにはタンパク質が豊富に含まれており、そのほかの栄養素も詰まっている。一方、プロテインパウダーは、1日の摂取量を達成するのに苦労している人にとっては、便利な代替品となるだろう。
「私たちの体には、年齢、職業、健康状態、活動レベルにもよりますが、体重1kgあたり少なくとも1gのタンパク質が必要です。つまり、体重60kgの人であれば、1日に少なくとも60gのタンパク質が必要になります」とジェイン。「多くの人にとって、食事だけでこの目標を達成するのはなかなか難しいものです。多忙なライフスタイルを送る人にとってはなおさら」
ヴィーガンやベジタリアンはタンパク質の必要量を満たすのがさらに難しいため、サプリメントが便利となることもある。
プロテインの摂り過ぎに注意
タンパク質は筋肉の成長、修復、そして健康全般に欠かせないが、過剰摂取は栄養バランスの乱れ、腸の問題、腎臓への負担、そしてカロリー管理が適切でなければ体重増加につながることもあるという。
「体重1kgあたり4gを超えると、過剰摂取とみなされる可能性があります」とジャインは警告する。尿酸値のバランスが崩れると、臓器に負担がかかり、消化不良の原因になることも。そして余分なタンパク質が脂肪として蓄積されることさえある、とワヒは付け加える。
就寝間際に重すぎるタンパク質の食事を摂ると、腹部膨満感を引き起こす可能性もあるため、注意が必要だ。しかし、トリプトファンを含む乳製品のような軽いタンパク源は、よりよい睡眠をサポートすると言われている。
脂肪を減らしたい、筋肉をつけたい、パフォーマンスを向上させたいなど、目的が何であれ、プロテインは身体に大きな変化をもたらす。しかし、タイミングとバランスが重要で、多く摂取したからといって効果が早く出るわけでもなく、逆に量が不十分であれば効果を停滞させてしまう。適切なタイミングで適切な量のプロテインを摂取することこそが、違いを生むのだ。
Text: Tatiana Dias Adaptation: Motoko Fujita
From VOGUE.IN
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