世界最大級のアニメイベント「AnimeJapan 2025」が、3月22日に東京ビッグサイトで開催。BLUEステージでは「『九龍ジェネリックロマンス』AnimeJapanスペシャルトークショー」が行われ、白石晴香(鯨井令子役)、杉田智和(工藤発役)、置鮎龍太郎(蛇沼みゆき役)、坂泰斗(タオ・グエン役)、鈴代紗弓(小黒役)の5人が登壇した。
ピュアで切ないミステリー・ラブロマンス
「九龍ジェネリックロマンス」は、眉月じゅんのピュアで切ないミステリー・ラブロマンスが原作。先輩社員の工藤発に恋していた不動産店で働く鯨井令子が、1枚の写真から工藤のかつての婚約者が自分と同じ名前や姿であることを知り、自身に過去の記憶がないことに気付く――と言う物語で、4月5日(土)よりテレ東系列で放送開始、ディズニープラスなどでも配信される。
スタートが近づいてきたことで、杉田は「幅広い世代の人に見てもらいたいな。懐かしい感覚って何歳になっても思えるものだと思うんですよ」と作風を踏まえて話をすると、白石は根幹をなす物語の舞台について「人は温かくて人情味あふれる街なんですけど、路地に入っていくとちょっと怪しい空間があったり、知れば知るほどこの街ってどういう存在なんだろうって思えてきます」と謎が多いことを明かした。
演じる役について白石は「自分自身が分からなくなるところからスタートするので、ストーリーに振り回されながらも自分というものと向き合って、でも今の自分って本当に自分なの?」と分からなくなることもあったと明かすと、「私はアフレコのたびに毎回原作を読み返すスタイルなんですが、この作品だけは読み返さないようにしよう、その先を知らないほうが新たな出来事にぶつかったときに衝撃や戸惑いをリアルに出せるかなと思って」と、見返さずに体当たりでアフレコに臨んだことを打ち明けた。
杉田「この人どこまで本当のこと言ってるのかな」
主人公の相手役となる杉田は、演じる工藤について「優しい先輩として慕われている、相手から言葉を引き出すのがうまい、そういう温かい部分を持っているのかな」とした上で、「あるところで仲良くなっていくうちに、この人どこまで本当のこと言ってるのかな」と考えさせられる要素があることを語った。すると鈴代も「序盤はマスコット感のあるキャラなんですが、物語が進むにつれて謎めいたところが多いキャラ」と話し、疑心暗鬼になりそうな展開を予感させる紹介となった。
ここでヒロインの「私、九龍に恋をしているの」というせりふにかけて、各キャストが“今、恋をしているもの”を発表するコーナーへ。「恋」と答えた坂は、決めぜりふとして形がよかったからという薄い理由で全員のハードルを下げると、安心した鈴代が「早起き」と回答し、「恋って会いたくても会えないところがあるから、早起きして朝日に会いたいのに起きたら昼」とちゃめっ気たっぷりな説明でキャスト陣を笑わせた。
また、「ダイエット」と答えた置鮎は「恋ってかなわぬ恋っていうから」とダイエットもなかなか成功しないこととかけてキャスト陣をうならせると、残りの杉田と白石はそれぞれ「オイスターソース」と「芋けんぴ」と記入し、単純にハマっている食べ物を答えていた。
原作は完結していないが、アニメは全13話で原作とは違う結末が描かれることが明かされると、杉田は「思い出を抱かないものはいないという話をしましたが、それを大切にするのなら誰かの美しい記憶、思い出、夢を称えられる優しさが大事だなと思って、それを自然とできるような人でありたいな」と役を通して感じたことを話し、白石は「皆さんにも玲子と一緒に振り回されながら作品に迷い込んでいただきたい」とメッセージを送り、イベントを締めくくった。
◆取材・文=永田正雄