1. トップ
  2. グルメ
  3. 京都よりみちこみち 哲学の道と鹿ケ谷通【前編】

京都よりみちこみち 哲学の道と鹿ケ谷通【前編】

  • 2025.3.22

豊かな自然に囲まれた大文字山、その山のはるか向こうから流れてくる琵琶湖疏水に沿った小径が「哲学の道」です。春になると道を彩る桜並木に誘われて、近くの社寺や美術館、ギャラリーを訪ね歩いてみましょう。

京都よりみちこみち 哲学の道と鹿ケ谷通【前編】

哲学の道に桜を贈った日本画家の邸宅と美術館「白沙村荘 橋本関雪記念館」

ことりっぷ

明治から昭和初期にかけて活躍した日本画家・橋本関雪の邸宅「白沙村荘 橋本関雪記念館」。1914(大正3)年から約30年間をかけ、まるでライフワークのように自身の設計による庭園と建物を形にしました。

サツキの花咲く春の持仏堂(春の御開帳は4月14日)。遠くには大文字山がそびえている

広々とした敷地には、木々に囲まれた池を中心に、3つの画室や茶室など趣ある建築が点在し、庭園には平安時代から鎌倉時代にかけての石塔や石仏などの石造美術品が配されています。美術館では、漢詩や和歌の世界を巧みに描き上げることを得意とした関雪の作品と、関雪が収集した作品が鑑賞できますよ。

8種の薬味でいただくおだしたっぷりのつけうどん「名代おめん」

ことりっぷ

ランチは創業から60年近くになる「名代おめん」へ。銀閣寺橋に近く散策前の腹ごしらえにぴったりです。おめんとは、たっぷりの薬味でいただくうどんのこと。きんぴらごぼう、生姜、ネギと、季節替わりの薬味5種が組み合わされ、春にはキャベツや筍、山菜などが登場することも。

「おめん(冷)」1350円

だしにゴマと薬味を入れ、うどんと一緒にいただきましょう。麺に使う小麦は創業者の故郷でもある群馬産と京都産を使い、ツルツルもちっとした食感が特徴です。

また、だしは北海道産の昆布と鰹を使用した濃厚なもの。たっぷり添えられているのは、最後まで薄まらずにおいしく食べられるようにとの心遣いからなのだそう。

洋酒やスパイスを忍ばせた大人好みのパフェ「酒菓喫茶 かしはて」

店主セレクトの洋酒も味わえる

アンティークのインテリアで彩られた空間で、フルーツたっぷりのパフェなどが味わえる「酒菓喫茶 かしはて」。光がやわらかく差し込む半地下の間取りで、心落ち着く時間が過ごせます。

本日のパフェの例「八朔と金柑入り ピーナッツとチョコレートのパフェ」1780円~

たとえば、ある日の「本日のパフェ」は、フレッシュな八朔や甘く煮た金柑、チョコレートアイスなどが重なり、一口ごとに味わいが変化。ブランデーで香り付けしたチョコレートアイスや、カルダモン入りのバニラアイスなど、洋酒やスパイスを随所にきかせる遊び心も楽しいです。スイーツのコース「朝菓子の会」も好評。

焼物の世界感を演出する京町家ギャラリー「Nunuka life」

白砂に古い舟板を置き、優美なラインが印象的な崔在皓(チェ ジェホ)さんの茶器を、 茶席のイメージでディスプレイした1階

築80年弱の京町家を改装した陶磁器を中心とした工芸、クラフトのギャラリー「Nunuka life(ヌヌカライフ)」。手描友禅の職人でもあった高橋周也さんが作家の工房に足を運び、見出した作品のみを扱っています。

2階は、そばがらを敷き詰めたスペースに白磁や粉引が並ぶ

さらに、ギャラリーに展示する際には、作品に合わせたディスプレイを徹底的に考え抜くそう。そんなこだわりを持つ高橋さんが焼物に魅せられるきっかけとなった、自分で土を掘り、その土に合った形を追求する清水志郎さんの企画展が4月12~20日に開催されます。企画展開催中は予約が不要なので、気軽に訪ねてみては。

口の中でふわっととける2色の麩焼きせんべい「御菓子司 緑菴」

ことりっぷ

「御菓子司 緑菴」は、鹿ケ谷通の住宅地に店を構える和菓子店で、生菓子はお茶会で使われることも多い知る人ぞ知る名店。

月替わりの生菓子は毎日4~ 5種 を準備。春には「さくらもち」や「花見だんご」など桜にちなんだ生菓子が並ぶ予定です。

「みどり(2枚入)」120円。毎日のおやつにも、気のきいた贈り物にもなる

抹茶と甘辛2枚の麩焼きせんべいがセットになった「みどり」は、サクッとした食感の後に、上にかかった蜜の風味がふわりと広がり、上品な口どけがそれに続きます。

また、京都の和菓子店を舞台にした漫画『であいもん』のモデルになった店ともいわれており、熱心なファンが聖地巡礼に訪ねてくることもあるそう。

ことりっぷ

白沙村荘 橋本関雪記念館前の桜並木は、石畳が続く歩きやすいスポット。
舞い散る花びらを見ながら、やわらかな春風を感じてのんびりお散歩してみませんか?

元記事で読む
の記事をもっとみる