筆者の転職エピソードです。家庭の事情で稼がなければいけなくなった筆者は、トラックドライバーに転職することに。男性社会は気が楽だろうと思いきや……女性蔑視の強い社会で強烈な洗礼を受けました。
男社会
私が転職した当時、女性のドライバーはとても珍しい存在でした。
男女共同参画社会などなかった時代です……かなり好奇の目で見られていたのは事実でした。
勝手なイメージとして『女性の多い職場はもめ事が多い』と思い込んでいましたが、実はドライバーという男社会でも、派閥争いやものすごいイジメがあることを知ったのです。
私も数々の嫌がらせや、あからさまなイジメを受けましたが、一家の大黒柱として『辞める』という選択肢はなかったため、何とか踏ん張っている状態でした。
変化
するとそのうち、何を言われても辞めない私に味方してくれる同僚が現れました。
以前から社内の派閥やイジメに嫌気がさしていた人たちも受け入れてくれるようになり、だいぶ居心地が良くなり始めました。
彼らは別に徒党を組んでいたわけではなく、派閥争いやイジメに対して見て見ぬふりをしていたとのこと。
「だったらもう少し早く助けてくれれば良かったのに!」と思いましたが、それでも社内でいろいろな相談や世間話ができる人がいるということは、とても心強いことでした。
仕事の特徴
トラックドライバーは基本的に一人の時間が長い仕事です。
嫌な相手がいたとしても、オフィス勤務のように四六時中顔を合わせる必要がないので、イジメられても続けられたのだと思います。
そのうちに古参と呼ばれるベテラン社員たちが定年を迎え、平均年齢が下がるにつれて派閥は徐々に崩壊。
イジメの数も少なくなり、とんでもない数だった離職者が減っていくようになりました。
経験
私が入社してから、派閥争いやイジメが原因で何人もの人が辞めていきました。
女性社会と同じように、男性社会にもイジメやトラブルが存在します。
結局、人の集まるところでは必ず何かしらのトラブルが起きるんだと学んだ転職でした。
私がトラブルに耐えることができたのは、トラックドライバーという仕事が大好きだったこと、居心地抜群で良い仲間に恵まれたことだったと思っています。
【体験者:50代・筆者、回答時期:2025年2月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:RIE.K
国文学科を卒業し、教員免許を取得後はOLをしていたが、自営業の父親の病気をきっかけにトラック運転手に転職。仕事柄多くの「ちょっと訳あり」な人の人生談に触れる。その後、結婚・出産・離婚。介護士として働く。さらにシングルマザーとして子供を養うために、ファーストフード店・ショットバー・弁当屋・レストラン・塾講師・コールセンターなど、さまざまなパート・アルバイトの経験あり。多彩な人生経験から、あらゆる土地、職場で経験したビックリ&おもしろエピソードが多くあり、これまでの友人や知人、さらにその知り合いなどの声を集め、コラムにする専業ライターに至る。