思春期の子どもを持つ親にとって、子どものスマホとの付き合い方は悩みの種の1つですよね。スマホをいじる姿を見ると、つい気になってしまうこともあるのではないでしょうか? 今回は子育て中の友人が体験談を聞かせてくれました。
中学時代のいじめ
私の娘は中学生の頃、一部のクラスメイトからいじめを受けていました。私も娘も本当に辛い時期で、あの頃の苦しみは今でも忘れられません。
高校に入っていじめもなくなり、やっと落ち着いた生活が送れるようになったと思っていたのですが……。
今度はスマホ依存?!
なんと娘は、スマホに依存するようになってしまいました。
食事中も、家族でいる時も、常にスマホをいじっているのです。
何度も注意しましたが、なかなか改善されず。
特に反抗的な態度を取るわけではないのですが、必然的に家族の会話は減り、心の距離を感じるようになりました。
スマホの中に隠された秘密
ある日、娘がスマホの画面を消し忘れたままお風呂に行ってしまったことがあり、私は心配する気持ちから、ついスマホを見てしまいました。
娘が最近のめりこんでいたのは、SNSでした。
胸騒ぎを覚えながら、投稿内容を確認していくと……そこには予想外の光景が!
娘は、いじめを受けている子どもたちをSNS上で励まし、時には相談にも乗っていたのです。
親身な言葉で悩みを聞き、勇気を与える娘の姿に、私は息を呑みました。
さらに読み進めていくと、娘が将来はカウンセラーになりたいという夢を持っていることも書かれていました。
娘との約束
数日後、私はスマホを見たことを娘に打ち明け、「最近スマホばかり見ているのが気になって……勝手に見てごめんね」と正直に伝えました。
娘は驚いた顔をした後、「心配かけてごめんね」と呟き、静かに話し始めました。
SNSで相談に乗っていること、カウンセラーになりたいという夢。
私も、娘の気持ちを理解せず、スマホばかり見ていると決めつけていたことを悔やみ、「どんな理由でも家族との会話や食事のルールは大切だから、それだけは守ってほしい」と伝えました。
娘は真剣な顔で頷き、「分かった。その代わりママももう勝手にスマホを見ないでね。心配なことがあったら直接聞いてね」と苦笑。私はもう1度、娘に心から謝罪しました。
その後も娘はSNSでの活動を続けています。
家での会話も増え、時には家族で悩める子どもたちにどんなアドバイスをしたらいいのか話し合ったりもします。
夢のために、大学では心理学を専攻したいそう。娘なりに成長し、将来を見据えていることが分かり、ホッと一安心しました。
【体験者:40代・女性主婦、回答時期:2025年1月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。