“コメンテーター全員が結果を出している経営者”というトーク番組、ABEMA『For JAPAN #47』が3月21日に配信。日本の“絶望と希望”をテーマに、“経営者脳とサラリーマン脳”について白熱した議論が交わされた。
「少年野球はサラリーマン育成向上」と提言するのは、株式会社KOTONA代表取締役の山崎晶久氏。自身が少年野球のコーチをしている立場から、指導方針が経営者とサラリーマンで分かれると話す。
「体が大きい子も小さい子もいるのに、全員均一な教え方で、練習を見ていてもつまらなさそう。『こういうトレーニングを入れましょうよ』と提案するのだが、結局は変わらない。偏見かもしれないが、“改善していこうよ”と言っているのは経営者の方が多く、“それは無理だよ”“これでやってきた”と言うのはサラリーマンの方が多い。これを会社に当てはめると、出る杭も出てこないというか、(自社に)面接に来られる人には必ず、仕事としてやらないといけないことだけでなく『やりたいことを作っておいて』と伝える」
一方、東京シェアハウス合同会社代表の森山哲郎氏は「一概にサラリーマンを悪く言うのは違うのでは」との考えを述べる。
「バットを振らない、バッターボックスに立たない人生はもったいないと思うが、会社員という制度自体、安全依存性みたいなものができやすい仕組みになっている。経営者がホームランを打てるような体制をいかに作るか。例えば、ホームランを打った社員が次の年に社長をやってもいいとか、会社の仕組みを自由に考えてもいいと思う」
株式会社シティー・ジー・ネット代表取締役の網屋義博氏は、社内で起こる“衝突”に言及する。
「会社の状況を従業員と共感できなくなった時に衝突が起きると思っていて、理解をしてもらえた途端に離職率もグッと下がる。常に会社の方向性を示し、良いことも悪いことも従業員と共有していくことが大事だ」
これを受け、番組MCの古舘伊知郎は「固定観念で前例を変えない人と対立するのではなく、うまく抱きかかえなければダメだと思う。サラリーマン脳・経営者脳と分けるのもナンセンスかもしれない」と投げかけた。
Forbes JAPAN Web編集長で同番組コメンテーターの谷本有香氏は、プロアスリートのセカンドキャリアを取材した経験から、次のように述べた。
「プロのサッカー選手が起業した場合の成功率はけっこう高いが、プロ野球選手は上手くいかないケースが多い。どちらかというと、野球は監督の指示に従いながら動くが、サッカー選手はグラウンドに出てしまえば自分の意思で動く、そんな違いが出てくるのではないかという声があった。それを思うと、自己の価値を上げていかなければならないのに、自我の価値を上げている、というのが今の日本人だと思う。周りがどう思うか、人から指示された、世間がこうなっている、というところを勝手に鑑みてできた自我があって、そこにあまりにも汲みしているがゆえに、自己の意思がわからなくなっているのではないか」