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私の初めての相手はあなただった。言えないまま離れたあの人へ

  • 2025.3.22

今だから言えること。いや、まだ本人には言えない、だからここに記す。
それは、私の初めての相手はあなただよ、ということ。

◎ ◎

小学生の時から恋はしてきたし、高校生の時には大好きな彼氏もいた。でも、その彼氏と純朴な付き合いのまま別れてから足掛け8年ほど引きずり、異性に好意を向けられても返すことができなかった。
8年の呪縛から説かれ私が別の人に恋をできるようになったとき、恋愛下手な社会人がそこには誕生していて、その恋たちを成就させることができなかった。

そんなこんなで、私はろくな恋愛経験もないまま28歳処女となっていた。
大抵のことを人並みにこなせる私にとって、「処女」は唯一私に自信をなくさせるもので、そのせいで恋愛にもコンプレックスを抱くという、悪循環に陥っていた。
かといって、いくら避妊をしても万が一にでも妊娠をする可能性があるその行為の相手は、誰でも良いとは思えなかった。

◎ ◎

そんな時、彼と出会った。彼は会社の先輩で、私が28歳になって間も無くの飲み会で出会った。彼がお店に入ってきた瞬間の第一印象は、顔がタイプ、だった。
その後同じコミュニティに属すこととなり、見た目が恋する要素の多くを占める私は、まんまと彼のことを好きになった。

そして何回目かの飲み会の日、解散後に彼に電話で呼び出され、タクシーで彼の部屋に行き、「初体験」をした。
初めてだったけれど、大好きな人だったからか不安も緊張もなく、ネットでよく見る入らないなんてこともなく、スッと一つになれた。
少し血は出たけど、久しぶりだからと言ったら信じているようだった。
コンプレックスを人にさらけ出せない私は、彼に初めてだったと告げることはできず、無意識に嘘が口からついて出た。

◎ ◎

それから5ヶ月間、私は彼の都合の良い女となった。
会えるのは彼が呼ぶ時だけで、私から会いたいと言っても会えたことはないし、会える時も夜から朝にかけて部屋の中で一緒に過ごすだけ、タクシーで彼の家に向かってもお金を払ってくれたこともない。
それでも彼のことが大好きで、たとえ体だけだとしても彼が求めてくれることが嬉しかった。

◎ ◎

今は頭で理解できるようになった、順序を間違えた関係に正しい未来はないことを。彼のことが大好きだったから、恋人関係になれないことが辛かったし、今もまだ辛い。何度もあの時体からの関係を始めなければ、付き合う未来があったのだろうかとタラレバを考えたこともあった。
ただ、心の中での問答を繰り返した今、まだ彼のことを忘れられていなくても、彼とあの日、私の初めてをしたことを後悔はしていない。
男女の関係とはタイミングで、あの時を逃していたら私はまだ処女だったと思うから。
処女が足枷となっていた私にとっては、どのような形であれ、大好きな人と初めてを迎えられ、恋愛におけるコンプレックスを克服できたことはかけがえのない出来事だった。

だから、いつかあなたに本当のことを伝えたい。私の初めてはあなたで、一生忘れられない人になるであろうことを。そして、できればあなたの記憶の中にも、多少でも私が残っていてほしい。

■Reinaのプロフィール
まだ恋の正解がわからない28歳OL。結婚という安定は欲しいけど、安心を与えてくれる人を好きになれないという矛盾に絶賛悩み中。

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