「私が思うその人の魅力を、クリエイター同士の自由な化学反応で、ファッション誌だからできる表現で見せたい」と語るスタイリスト長澤実香さんの隔月連載。今月は3月に30歳という節目を迎える俳優・佐久間由衣さん。またひとつ人生の新しい扉を開け、美しく羽化する彼女の“而今（にこん）＝現在地”に刮目せよ。
ニット¥227,700、シルクドレス¥949,300、シルクトップス¥673,200、パンツ¥181,500、サンダル¥125,400（全てザ・ロウ／ザ・ロウ・ジャパン）
細畝のコーデュロイパンツに、ヴィンテージライクなレースのドレスとトップスを2枚重ね、カシミアのセーターを合わせたミックスマッチなコーディネート。
「ボーイズライクな服に少女性のあるアイテムを合わせたザ・ロウ流のロマンティック。このドレスは私も買いたいなと狙っています」
シャツ¥223,300、パンツ¥250,800、ベルト¥116,600、サンダル¥198,000（全てザ・ロウ／ザ・ロウ・ジャパン）
ベーシックな日常着の代表格であるシャツを、ラグジュアリーモダンに昇華させた、今季のキーアイテム。「ザ・ロウの精神を体現している一着。
チェックのシャツというとアメカジとかトラッドっぽくなるのが一般的ですが、ソフトでやや透け感のある表情が都会的に仕上げています。全てが計算の上に成り立つ“ありそうでなかった服”だと思います」
“佐久間由衣”ってどんなひと？
Ｑ．MBTI診断での性格タイプは？
INFP、仲介者です。当たってると思います。内省的で内弁慶、100%感情型。ややこしい（笑）！
Ｑ．人生のターニングポイントは？
中学生のとき、入っていた駅伝部で、大好きな顧問の先生に出会えたこと。その先生がいらしたおかげで頑張ろうって思えて、毎日20㎞走ってタフな練習をこなして。そこで初めて悔しさや、喜び、友情などを知ったし、チームワークの素晴らしさを実感したんです。大変なときでも心が折れないでいられるのはあの頃の経験が支えになっている気がします。
Ｑ．読書好きだと伺いました。最近読んだ本で印象に残っているのは？
舞台で共演した長井短さんの書いた『私は元気がありません』という小説。面白かったです！
Ｑ．美容で気を遣っていることは？
シンプルなものでいいから、量を塗ること。
Ｑ．疲れたときの癒やしアイテムは？
雑誌を読むのが好きです。デジタルでなく、紙で。
Ｑ．オフの日は何してますか？
毎日1時間くらい散歩しています。歩きながら、自分がやるべきことの優先順位をつけます。
Ｑ．セリフはどうやって覚えるの？
普段は寝る前とかに、ぐるぐる部屋の中を歩きながら。でも、舞台などで大量に覚えなきゃいけないときは、数日間スタジオを借りて1日4～6時間ひたすら台詞を繰り返し、その後生活しながらブツブツ言って、自分の中に「入って」いるか確認します。
Ｑ．ショッピングはどこで？
古着が好きで、表参道や代官山あたりのヴィンテージショップによく行きます。金髪にトライしたら、似合う洋服の幅が広がって楽しいんです。
Ｑ．人生の計画は立てている？
長期で立てるのではなく、そのときの自分との対話で、こうしてみようかなっていうタイプです。
Ｑ．今年挑戦したいことは？
料理教室に通ってスキルを上げたいですね。
Ｑ．好きな言葉は？
大器晩成！ 年を重ねることとか、未来に対してポジティブになれる、大好きな言葉です。
PROFILE_佐久間由衣（さくま・ゆい）。1995年生まれ、神奈川県出身。2013年雑誌「ViVi」の専属モデルオーディションでグランプリ受賞。2014年映画『人狼ゲーム』で俳優デビュー。NHK連続テレビ小説「ひよっこ」「らんまん」への出演が話題に。その後もドラマや映画に数多く出演し、2024年には舞台「ヴェニスの商人」でポーシャ役をつとめるなど、幅広く活躍。
direction & styling :MIKA NAGASAWA
hair:KENSHIN[HEADS]
make-up:NOBUKO MAEKAWA[Perle Management]
text: MIWAKO YUZAWA
otona MUSE 2025年4月号より