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好きな女子と近づきたくて神社で願い事…気付いたら女体化してしまった男子の、生活が一変していくストーリーに「神作確定」「やぶうち優先生しか勝たん」と話題【漫画】

  • 2025.3.21
“いっそ女だったら、好きな子とフツーに話せる”と思ったのは冗談なのに… (C)やぶうち優/小学館

【漫画】疎遠になってしまった好きな女子と、前みたいに気軽に話したい…勘違いと手違いが一人の少年に波乱を巻き起こす展開に「大歓喜」と反響

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、4月25日(金)にコミックス2巻が発売、ちゃおプラスほかで連載中の『上杉くんは女の子をやめたい』(小学館)から『神社でお願いをしたら女体化してしまった男の子の話』をピックアップ。

作者のやぶうち優先生が10月24日に本作をX(旧Twitter)に投稿したところ反響を呼び、1.6万件を超える「いいね」が寄せられ話題を集めている。この記事では、作者・やぶうち優先生にインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。

そんなつもりじゃなかったのに…軽はずみにした願い事で一大事に

『上杉くんは女の子をやめたい 第1話』(1/29) (C)やぶうち優/小学館

主人公・上杉ケースケは、身長が低いことがコンプレックス。親友の八重村瑛人(やえむらえいと)はとても優しく気遣いができ、勉強もクラストップ、容姿端麗で女子人気も高かった。

ケースケにはのえるという好きな女の子がいる。実はこの3人は幼なじみで、昔は仲が良かった。中学生になってから男女のグループがはっきりわかれてしまい、口をきくことはほぼなくなってしまった。

ある日、のえるがクラスの女子に「好きな人いないの⁉」と聞かれているのを見てしまい、思わず聞き耳を立てるケースケ。「上杉は?」という質問に、「上杉が女の子だったらめっちゃかわいくない⁉」と興奮してのえるは答えていた。

もう一人の幼なじみ・瑛人に関して聞かれたのえるは、照れた様子で「絶っ対ないから‼」と答えているようだった。ケースケは、姉ちゃんが読んでる漫画でよくある“本当は好きなのに否定している”展開だと思い込み、ショックを受ける。

しょぼくれて家に帰ると、母親から買い物を頼まれた。なぜか落書きされた、千円札を使ってきてほしいとのことだった。ケースケだって恥ずかしくて出せない…その千円はお賽銭に使って、神社でお願いごとをすることにした…が、ケースケがした軽はずみにした願い事がまさかの事態を起こしてしまう。

やぶうち優先生の最新作・好きな女の子ともっと近づきたくて軽い気持ちでした願い事で、主人公自身も幼なじみとの関係性も大きく変化していくラブストーリーに、「大好きです」「大歓喜」「ぜんぶ見ちゃった」「神作確定」「ちゃおってこんな神だったっけ」と大反響が止まらない。「絵柄めっちゃ可愛い」「変わらず絵可愛すぎる」という声も続出し、「やはりやぶうち優先生しか勝たん」とファンを虜にしている様子だ。

やぶうち優先生のTSものに読者大歓喜…ファンが増え続ける、作者・やぶうち優先生に作品への想いをインタビュー

『上杉くんは女の子をやめたい 第1話』(27/29) (C)やぶうち優/小学館

――『上杉くんは女の子をやめたい』はどのようにして生まれたのでしょうか?創作のきっかけをお教えください。

最初、担当さんのほうから「女装少年でいきましょう! 男の子が男の娘をメイクして、コスプレさせて…!」とネタを出してきてくださって。

とりあえず主要キャラの絵を起こしてはみたものの、話が何も浮かばなくて(汗)。1ヶ月半ぐらい経った頃、もしかして「女装」というのはあくまで一例で、こちらの得意分野で好きにしていいってことかも!?と思い至って。だったら女装ではなく「TSモノ」はどうでしょう、とこちらから提案しました。

じつはデビュー前に描いた投稿作3つのうち2つがTSモノだったことに最近になって気がついたので。そういえば性癖だったな、って(笑)。

担当さんに話すと好感触だったので、1話目のプロットでも書くかーと考え始めたら、急にぶわーっ!と流れがあふれてきて。普段はノートパソコンでテキストで書くんですけど、その時はもうパソコン開いてたちあげる時間も待てない!というくらいの勢いで。慌てて手元にあったスケッチブックにシャーペンで一気になぐり書きしました。キーとなるシーンの絵も入れつつ。それが内容的に漫画70~80ページ分くらいの分量になり、途中で区切ってほぼそのまま連載の第1話~3話になりました。

――『上杉くんは女の子をやめたい』を楽しみにしている読者の中には、『ちゃお』の読者層である小学生や中学生だけでなく、当時『まほちゅー!』や『ゲキカワvデビル』、『ドーリィ♪カノン』などやぶうち優先生作品を愛読していた大人のファンも多いです。今回、そういった方々からも最新作の喜びの声が多く寄せられていましたが、大反響の率直なご感想をお聞かせください。

ありがとうございます! 大人になっても見てくださってうれしいです!

じつを言うと、今回からペンネームを変えて別人になりすまそうかと考えた時もあったんです。ある程度私のことを知っている読者さんに「作者BBA(ばばあ)じゃん⁉」って敬遠されたら悲しいと思って(笑)。先入観なく、1つの作品として楽しんでほしいと思っていました。

でも実際にはみなさん作者の年齢など気にせず応援してくださるのでよかったです。ときどき私だと気づかず読んで、後になって「えっ、○○○○(昔の作品名)のやぶうち優⁉」って驚いたという方もいて。そういう方も、ドン引きしたとかじゃなくポジティブに見てくださるようなので嬉しいです。

「上杉くん」はそういう昔からのファンのみなさんにも支えられているんですね。時代は変わったな、私の考えこそ古かったのかな、名前変えなくてよかった、と思います。

――今回は、主にケースケ、瑛人、のえるが登場しました。彼ら3人のお顔や服装、髪型、言葉などのキャラクターデザインについて、こだわりがございましたらお教えください。また、それぞれ3人への想いをお聞かせいただけますでしょうか。

ケースケの顔は、連載前の「女装コスプレ案」の時からそれほど変わっていません。基本、ネコみたいなパッチリつり目。初期案では耳が髪で隠れていましたが、耳を出して前髪をハネさせてやんちゃ感を出しました。身体が小さいのがコンプレックスなので、少しでも大きく見せるようダボっとした服を好む、という設定。身体が女の子になっても中身は男の子なので、言葉遣いや表情・仕草等は男の子として描いています。

のえるは初期案では黒髪ボブの優等生風でしたが、なんかこれは私が描きたい感じではないな…と思って。開き直って、過去作の「少女少年」シリーズで“美少女”ポジションのテンプレだったふわふわトーン髪にしました。黒髪ストレートより色素薄い系のふわふわ髪のほうが「かわいい」と感じる世代なので(笑)。ただ前髪は今大流行中のシースルーバングにしました。昔から前髪はそのキャラや時代性が出る重要なパーツだと考えています。

瑛人のデザインはいちばん苦労しました。面長背高イケメンを描くのが本当に苦手で(笑)。「女装案」の時点では金髪・童顔の“美少年”でしたが、TSモノにシフトしたら担当さんから「もっと大人っぽく」「面長にして身長も高くして」とかいろいろ言われて…ああ、ケースケと“男女の差”をはっきりさせて、ということかなとやっと理解して今の感じになりました。

それでも連載開始後も「瑛人が中学生にしか見えない!」と表情や言動にダメ出しされたりして。いや、中学生なんですけど…って(笑)。少女漫画のヒーローとして描けってことですね。やっと最近、安定して描けるようになってきた感じです。

――今ちゃおプラスでは第13話まで読めますが、特にお好きなやり取りやシーン、ケースケ、瑛人、のえるの表情などございましたら、お教えください。

第6話でケースケがナンパ男を撃退するシーンと、第8話でケースケが生理になるエピソードです。

連載が始まる前は、ケースケが女の子になって困った時にはのえるがたすける…って単純に考えてたんです。でも基本は少女漫画なので、やっぱり中身が男の子のケースケはのえるにたすけてもらうよりたすけるほうがかっこいんじゃないかと思って。

生理回も、のえるとの話にするのがスタンダードだと考えていましたが、あえて瑛人と2人の時にしたほうが面白いんじゃないかと思ってそうしました。

表情で気に入っているのは、第8話の「セイリ?ってヤツ?なっちゃったかも…ッ」と言っているコマと、第12話で瑛人を呼び出して「めいわく…だった?」と言っているケースケです。どちらも微妙な感じを出すのに苦心しました。

――作品にちなんで何か一つ願いが叶うなら、やぶうち優先生が叶えたいことがございましたらお教えください。

ズバリ、「若返りたい」です(笑)。あ、記憶とスキルは今のままで。肉体と年齢だけ(笑)。

人生やり直したいとか容姿的なことじゃなく、あの頃の体力や頭の回転が今あれば…と。あと、若い世代特有のセンスとか、漫画家としての残り時間とかとか…。

20代前後の作家さんは私にないものをいっぱい持ってて羨ましいです(笑)。

――最後に、『上杉くんは女の子をやめたい』を楽しみにしている読者や、やぶうち優先生ファンの方々、フォロワーの皆さんへメッセージをお願いいたします。

「上杉くん」を読んでくださるみなさん、ありがとうございます!

じつは私、TSモノが好きなくせに最近のTS漫画をまったく読んだことがないんです(!)。なので、もしかしたらTS好きな方には「上杉くん」はありきたりで物足りないかも…とドキドキしています。発表の媒体的に表現も限られますし。

ただ、私が見てきた範囲では少女漫画でTS作品はほとんどなく、『ちゃお』の連載に限っていえば「上杉くん」が史上初かも?

そしてフォーマットは少女漫画ですが出張配信中の『サンデーうぇぶり』や『週刊コロコロ』の読者さんにも抵抗なく読んでもらえたらと思っていますので。少女漫画、少年漫画双方の読者さんにとって、そして私の昔からのファンの方にとっても、今までにない作品になれたらいいなと思います。

これからも、やぶうちの原点であり新境地でもある「上杉くん」を楽しみにしていてください!

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