米スポーツメディア『The Athletic』は20日(日本時間21日)、「野手ランキングトップ100:フアン・ソトからショウヘイ・オオタニまで」と題して記事を公開した。メジャー最高峰にあたる「Best of the best」というカテゴリーには上位6人が入り、ドジャースの大谷翔平投手(DH)やメッツのフアン・ソト外野手ら選りすぐりのスター選手が名を連ねた。
■大谷の守備面をどう評価するか
『The Athletic』はトップ100選手(野手)を選び、「Best of the best」「MVP候補」「オールスター」「安定感&堅実性」「30歳代のレギュラー」「20歳代のレギュラー」という6つのカテゴリーに振り分けた。
最高峰の「Best of the best」には厳選6選手。大谷とソトのほか、ムーキー・ベッツ内野手(ドジャース)、ガナー・ヘンダーソン内野手(オリオールズ)、アーロン・ジャッジ外野手(ヤンキース)、ボビー・ウイットJr.内野手(ロイヤルズ)が入った。
上記の選手たちはメジャーにおけるトップ6という評価であり、同メディアは「最高の選手については意見が一致するのは簡単だった」と記し、妥当性に自信を見せた。ただ、「このグループに疑問があるとすれば、6人のうち2人が守備面で貢献していないことだ」とし、DH専念の大谷と守備に難点のあるソトの選出に異議が出たことを認め、その意見も記載した。
「ある球団の育成幹部は、オオタニを最高の野手と呼んだが、それは外野でプレーする場合に限ると訴えた」と紹介し、「Best of the best」に選ばれるには、攻守で活躍することが条件になるという声があったことを添えた。
■「守らない方がチームのため」
そして、同メディアが「最大の疑問」と称したのは、ソトの選出に対してだった。あるナ・リーグ球団のスカウトは「ソトがDHではなく外野を守っているという理由で評価されているとしたら、それは滑稽だ。なぜなら、むしろ守備につかない方がチームのためになるからだ」と辛辣な意見を述べたという。
さらに、同メディアは「ソトはこのクラスに入るべきではないと思う。彼は守備がうまくないし、走塁も良くない。彼は四球を選び、たまに本塁打を打つだけだ。もちろん悪い選手ではないが、もっとも過大評価されている選手の1人だと思う。現代の野球では四球を高く評価し過ぎているからこそ、彼がこのクラスに入っているのだ」という指摘があったことも伝えた。
同メディアがソトと比較したのは、守備面での貢献度は低かったもののパワフルな打撃と四球の多さがウリだったブライアン・ジャイルズ外野手。1999年から2005年にかけて全盛期を迎えたジャイルズ(パイレーツ、パドレス)はこの期間、平均で打率.303、出塁率.418、長打率.554を記録。一方でソトのここ7年間の成績は打率.285、出塁率.421、長打率.532となっている。
同メディアは「しかし、ジャイルズを最高峰と考える人はいなかった」とし、野球も時代によって変わり、評価も変わるとした上で、「ソトが最高峰となり、ジャイルズにそういう声が出なかったことは示唆に富む」と結んだ。