筆者の友人・M華の息子は、生まれつき内分泌系の疾患があり、ぽっちゃりとした体型をしていました。継続的に治療はしていたものの、小学校へ入ると体型が原因でイジメに遭ってしまい……。
ぽっちゃり体型
私の息子は、生まれつき内分泌系の疾患があります。
小学校入学時には、主治医の先生と学校側が連携をとれる手続きも行いました。
一般の小学生をはるかに上回る体型は嫌でも目立ち、入学早々イジメに遭ってしまうことに。
しかし、息子は休むことなく、頑張って学校へ行っていたのです。
運動会
息子が3年生の頃、運動会の応援へ行くと、徒競走でビリだった息子を見た数人の保護者が「ねぇ、あの子少し太りすぎだよね？」「親がいけないんじゃない？」「栄養管理がきちんとできていないのよ。」など、周囲に聞こえるような声で悪口を言い出しました。
確かに息子は運動が苦手ですが、病気を抱えながらも一生懸命学校生活を送っています。
あまりの言い草に私が抗議しようとすると、隣にいた夫がその保護者達のところへ歩み寄っていったのです。
冷静な抗議
夫は「息子は先天性の病気を持っているんです。別に生活習慣や親の遺伝などで太っているわけではありません。何も事情を知らずに、そのようなことを言われるのはどうかと思うんですが？」と言いました。
その保護者達は一斉に「え？ 病気？」と驚いた様子。
「世の中にはいろいろな病気で苦しんでいる人がいるんです。病気のせいで見た目が変わってしまうこともあるんですよ。それを何も知らないで親のせいだのなんだのと言われる筋合いはないと思うんですが？」
夫の抗議は至って冷静で、相手を黙らせるには十分な威厳がありました。
謝罪
夫が冷静沈着かつ低いトーンで淡々と話す姿に、保護者達は撃沈。
「勝手なことばかり言ってすみませんでした！」と何度も頭を下げ、私のところにも「すみませんでした！」と揃って頭を下げに来ました。
それから息子へのイジメは治まり、手を差し伸べてくれる同級生も出てきたようです。
息子にはきっとこれから先も同じようなことが起こると思います。
そのたびに私達が出ていけるとは限りません。
でも病気を理由にいろいろなことを諦めて欲しくもない……親心は複雑です。
【体験者：30代女性・パート、回答時期：2025年2月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター：RIE.K
国文学科を卒業し、教員免許を取得後はOLをしていたが、自営業の父親の病気をきっかけにトラック運転手に転職。仕事柄多くの「ちょっと訳あり」な人の人生談に触れる。その後、結婚・出産・離婚。介護士として働く。さらにシングルマザーとして子供を養うために、ファーストフード店・ショットバー・弁当屋・レストラン・塾講師・コールセンターなど、さまざまなパート・アルバイトの経験あり。多彩な人生経験から、あらゆる土地、職場で経験したビックリ&おもしろエピソードが多くあり、これまでの友人や知人、さらにその知り合いなどの声を集め、コラムにする専業ライターに至る。