ニューヨークを拠点にグローバルな活躍を見せる現代美術家・松山智一さんの東京で初となる大規模個展「松山智一展 FIRST LAST supported by UNIMAT GROUP」が、3月8日(土)より麻布台ヒルズ ギャラリーで開催されている。
現代アートの本場で活動する美術家
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松山智一 Photo: FUMIHIKO SUGINO[/caption]
松山智一さんは、1976年岐阜県生まれ、ブルックリン在住の現代美術家。絵画を中心に、彫刻やインスタレーションを発表している。アジアとヨーロッパ、古代と現代、具象と抽象といった両極の要素を有機的に結びつけて再構築し、異文化間での自身の経験や情報化の中で移ろう現代社会の姿を反映した作品を制作する。
バワリーミューラルでの壁画制作(ニューヨーク/米国、2019年)や、《花尾》(新宿東口駅前広場、東京、2020年)、《Wheels of Fortune》(「神宮の社芸術祝祭」明治神宮、東京、2020年)など、大規模なパブリックアートプロジェクトも手がけている。
ナビゲーターは永野芽郁さんが担当
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©松山智一展 FIRST LAST[/caption]
開幕前日のオープニングセレモニーには、同展のナビゲーターを務める俳優・永野芽郁さんが登壇。
永野さんは、音声ガイドのナレーションを担当するにあたり「普段の私に近い状態で作品の魅力をお伝えできたと思います。ぜひ音声ガイドも併せて楽しんでいただけたら嬉しいです」とコメント。そして、スケールのある作品群を目の前にして「同じ表現者としてすごく刺激を受けました。作品が持つエネルギーの強さや色彩の豊かさをぜひご自身の目で直接感じていただきたい」と述べた。
また、松山さんは「日本で展覧会ができることは、本当に誇らしくありがたいこと。会場は、ニューヨークから持ち帰った巨大な作品群を展示し各部屋に物語を込めています。みなさまが文脈を感じ取り、長編小説のように作品を楽しんでいただけたら嬉しいです」とコメントした。
日本初公開作品や最新作点も
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「松山智一展 FIRST LAST」展示風景[/caption]
同展では、これまで上海やヴェネツィア、ロンドンなどで発表され、海外でしか見ることができなかった日本初公開作品や最新作19点など、代表作と合わせて40点以上が展示される。
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「松山智一展 FIRST LAST」展示風景[/caption]
壮大な絵画や空間に広がる巨大な立体など、松山さんの近年の作品群が東京・麻布台ヒルズ ギャラリーに一堂に会する。
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松山智一《Bring You Home Stratus》 2024 H330 x W307cm Acrylic and mixed media on canvas[/caption]
松山さんの絵画から放たれる眩いばかりの色彩は最大の特徴の一つ。
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松山智一《20 Dollar Cold Cold Heart》 2019 H267 x W172cm Acrylic and mixed media on canvas [/caption]
自身で作った何千という色のストックが様々な技法によって、キャンバスの上で共鳴する。
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松山智一《Keep Fishin' For Twilight》 2017 H213.5 x W457.5 cm Acrylic and mixed media on canvas[/caption]
世界を彩る多様な文化、伝統、宗教、そして歴史的なものや現代的なもの、さらにはハイカルチャーから日常品といった要素は、松山さんによって無数の色で描かれ、情報化の中で移ろう現代社会の姿を映し出し、混然一体となって鑑賞者を色彩の世界に没入させる。
「First Last」シリーズを発表
同展では、展覧会タイトルにもなっている新シリーズ「First Last(後の者が先になり、先の者が後になる)」を発表。
二極化が進む政治が引き起こす分断、格差や対立、ジェンダー平等のパラドクス、情報操作やフェイクニュースなど、混沌とした現代社会において同氏は常に問いを立て続ける。同シリーズでは松山さんが、アメリカ社会が抱える諸問題を起点に、自身の特異な背景がもたらす独自の視点を通して世界を捉えなおし、芸術によって新たな共感を創り出す。
屋外展示やサテライト企画も
さらに、麻布台ヒルズ内、中央広場では、屋外作品も展示。
松山さんの特異なアイデンティティを通して捉えたグローバルな現代社会のリアリティを、迫力ある色彩と壮大なスケールの絵画で体感できる展覧会となっている。
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Tribute + Collaboration 展示風景[/caption]
第2会場(麻布台ヒルズ ガーデンプラザA B1階特設会場)では、「Tribute + Collaboration」を開催中。松山さんがリスペクトするファッション、食、音楽、玩具など多分野の表現者とのコラボレーション作品が公開されている。
同展公式インスタグラムをフォロ-すると、割引価格で入館できる「平日窓口チケット限定インスタフォロー割」も実施中。
松山智一さんの作品を体感できるチャンスをお見逃しなく。
■松山智一展 FIRST LAST 開催期間:3月8日(土)~5月11日(日) 会場:麻布台ヒルズ ギャラリー 住所:東京都港区虎ノ門5-8-1 麻布台ヒルズ ガーデンプラザA MB階 開館時間:月・火・水・木・日10:00~18:00(最終入館17:30)/金・土・祝前日10:00~19:00(最終入館18:30) 公式サイト:https://www.tomokazu-matsuyama-firstlast.jp
(鈴木 京)