【漫画】「滝の裏にお宝!?」暴走する発想が生んだとんでも発明に「どういう外見なのかが想像つかない」の声
コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、日々をなんとなく過ごすことで全身を武装した女子高生の漫画『不器用ビンボーダンス』をピックアップ。
なををををををさんが2月18日にX(旧Twitter)に投稿したところ反響を呼び、960以上の「いいね」が寄せられた。作家のなををををををさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについてを語ってもらった。
洞窟の宝探しから生まれた、とんでも発明!?
洞窟の奥には、まだ誰も見つけていないアイテムが眠っているかもしれない――そんなゲームの世界に憧れる主人公の御剣(みつるぎ)ちより。しかし、現実にはそう簡単にお宝は見つからない。
「近場に手頃な滝、ないかな?」と軽い気持ちで呟いたちよりに、盾木水瀬(たてき みなせ)は呆れ顔。「もしあったら、お前突っ込んでたの?」とツッコミを入れるも、ちよりの発想はそこからさらに暴走していく。
だったら、滝の裏を探知するマシンを作るか。いや、それだけじゃない。スマホの充電、家具の隙間掃除、心拍数管理もできる万能マシンにしよう!――もはや滝関係ない!?
ゲームのロマンと現実の技術が交差する、ハチャメチャ発明ストーリー。ちよりの野望は果たして形になるのか――?
物語を読んだ人たちからは「エコーロケーションしなきゃ…」「多機能はいいけどどういう外見なのかが想像つかない」「まさかのゲ現区人再登場!!」など、反響の声が寄せられている。
こだわりすぎないこと──創作の自由を守るマインド
ーー『不器用ビンボーダンス』を創作したきっかけや理由があれば教えてください。
もともと色々な作品の二次創作の漫画やイラストを描いていたのですが、描き始めた当時ツイッターのタイムラインの一部で「オリジナル作品っていいよね~」みたいな流れがあって、それに影響されて「じゃあちょっと自分もやってみるか、とりあえず2コマ漫画なら楽そうだし……」と思って始めたような記憶があります。
当時はこんなに続けることになりたくさんの方に読まれることになるとは思っていなかったので記憶がはっきりしていません。
そして2コマ漫画も全然楽ではありませんでした。何もかも想定の外で走っています。
ーーキャラクターはどのように生み出されたのか、教えてください。
もともと「オリジナルの作品を作るとしたらどんなお話でどんなキャラがいいだろう…」と暇な時間に考えて描き溜めていた、いわば「設定のかたまり」のようなものが何個かあったのですが、その中からいくつかパーツを出してきて、それを1つの世界観の中でなじむようにいろいろ調整した感じです。
たとえば「盾木水瀬」というキャラは登場人物が全員大阪の駅名で統一されている作品を作ろうという意味不明な設定のかたまりがあり、その中の「水無瀬」というキャラから名前の響きだけもらってきています。
この設定のかたまりのまま進めていたら今頃名前が十三とか鶴見緑地の美少女キャラを描いていたかもしれません。
ーー作画の際にこだわっている点や「ここを見てほしい」というポイントがあれば教えて下さい。
本当に作画にこだわりがない方なので持ったほうがいいよなあ~と思っているところです…
こだわりとは違うのですが、母親が絵がべらぼうにうまくて自分が小さい頃にたまに絵のことを聞いたりしていてその中で「あんたの描く手は小さすぎる」と注意されたのが心に残っていました。
手をデカめに描く癖ができてしまい、最近先輩の漫画家さんから「萌えキャラはちょっと手が小さい方がかわいくなります」と指摘して頂いて……今はなんとか癖を直しつつかわいく見えるバランスを探りながら描いています。
ーー本作の中で特に思い入れのある(気に入っている)シーンやセリフを教えてください。
昔の記憶が全然残っていないのもあるんですが、1990話がけっこう強く記憶に残っています。
これは特定の文字を別の記号に置き換えるクイズから始まり、そのあと会話中の文字も記号と置き換えたまま会話をする…という回なのですが、間違いが無いか何回も確認して描いたので描いていて頭が痛くなりました。
でもクイズとしても短い会話のアイデアとしても気に入っています。そしてテキストのチェックに意識を割き過ぎた結果キャラの前髪の一部を塗り忘れました。
ーーなををををををさんにとって、一から世界観を創り上げ物語を展開していくうえでこだわっている点や特に意識している点がありましたら教えて下さい。
こだわりを持ち過ぎないことかもしれません。
「これはこうじゃなきゃダメだ」という強いこだわりを持つことで強固なキャラや物語や世界観を作られる方はたくさんいらっしゃると思いますが、自分の場合まだそれほどしっかりしていないし技術もないので、一度こだわりを決めてしまうとそれに囚われてそれ以外が全然描けなくなるんじゃないかなあと思っています。
要は自分がストレスなく描き続けられるほうが良い…と思っています。今は。今後考えが変わるかもしれませんが…
ーー最後に作品を楽しみにしている読者やファンの方へメッセージをお願いします。
本当にこんなよくわからない出自とよくわからない形式の漫画をいつも読んでいただいたり応援していただいてありがとうございます。
気付けばそろそろ始めてから6年とかになりますが、皆様の生活の一部になれていたならとても嬉しく思います。
これからもよろしくお願いします!