花粉症対策の一環として取り入れたいのが、植物の香り成分を抽出した精油。花粉症に効果があるとされるユーカリ精油のなかでも、ユーカリ・ラディアタは香りや作用が穏やかで、ペットのいる家庭にもぴったりです。すっきりとした香りで、花粉症の鼻づまり解消におすすめ。ハーバルセラピストの資格を持ち、ペットのための自然療法も学ぶ海野美規さんが、ユーカリの魅力と精油を使った手作りルーム・フレッシュナーの作り方をご紹介します。
花粉症の季節に
この季節、朝のニュース番組のお天気コーナーでは、花粉の飛散量の予想が出ます。自分の住む地方が「極めて多い」という表示になっていると、もうそれだけで、鼻がムズムズしてきます。私の場合、今年は鼻よりも目や肌の症状が厳しくて、毎日痒さと戦っています。
少しの花粉でも、疲労やストレスが多いと、アレルギー症状が強く現れると感じることがあるそうです。花粉症対策には花粉を取り込まないことが一番ですが、心身をリラックスさせることも重要です。
対策はいろいろありますが、アロマテラピーを取り入れた方法も親しまれていますね。
ユーカリ精油の種類
花粉症に効果のある精油としては、ユーカリ、ティートリー、ペパーミントなどいくつかの精油が挙げられます。今回スポットを当てたいのは、ユーカリ精油。ユーカリにはさまざまな種類がありますが、よく使われる代表的なユーカリ精油は、「ユーカリ・ラディアタ」「ユーカリ・グロブルス」「ユーカリ・レモン」の3種類です。
ユーカリ・ラディアタ、ユーカリ・グロブルスには、どちらも鼻づまりや喉の痛みに効果的な1,8-シネオールが多く含まれます。この香りは鼻がスースーするような、スッキリした香りです。
ユーカリ・レモンは、スパイシーな中に柑橘の香りがします。抗菌、抗ウイルス作用に加えて、抗炎症作用で痛みを緩和したり、虫除けの作用もあります。
ペットにもおすすめなのはユーカリ・ラディアタ
ユーカリ・ラディアタはユーカリの中でも優しい香りです。頭をすっきりさせたり、感情を落ち着かせる作用があります。また、抗ウイルス作用、抗炎症作用、去痰作用があるので、のどの痛み、せき、風邪の症状や花粉症の鼻づまりを解消してくれる効果が期待できます。
ユーカリ・ラディアタは作用が穏やかで香りも柔らかいので、動物にとっても受け入れやすく、風邪の予防や花粉症対策に用いたり、消臭作用、ノミの忌避剤として効果があります。
※ユーカリの葉は毒性成分を含んでいます。誤って摂取してしまわないように気をつけましょう。ペットや小さな子供は少量でも中毒を引き起こす可能性があります。
ルーム・フレッシュナーを作ろう
ユーカリの精油の活用法として、ルーム・フレッシュナーを手作りしませんか。鼻がムズムズするときに、お部屋にユーカリの香りのミストをシュシュッと一吹きしてリフレッシュしましょう。ペットの匂いが気になるときにも効果的です。
<材料>
- 無水エタノール 30ml
- 精製水 70ml
- 精油(ユーカリ・ラディアタ) 20滴くらい
<作り方>
- スプレー容器に無水エタノールを入れます。
2. 精油を入れて、よく振って混ぜます。
3. 精製水を加えて、さらによく混ぜ、完成。
*毎回よく振ってから使います。
*ペットに直接かからないように気をつけてください。
*2週間くらいで使い切るようにしましょう。
ユーカリの枝を楽しむ
精油を利用したルーム・フレッシュナーのほかに、ユーカリの枝を1本、ガラスのベースなどに活けるのもおすすめです。
生のユーカリはそれほど香りはしませんが、手で葉っぱを擦ると、とてもよい香りが立ちます。愛らしいユーカリの姿が目に見えるということも、リラックスに効果的。鉢植えを置くのもいいですね。
ユーカリは、生の枝でも、精油でも、気持ちをスーッとさせてくれます。ぜひ花粉症の季節にたくさん活用しましょう!
参考:『ホリスティックケアカウンセラー養成講座テキスト』
Credit
文&写真(クレジット記載以外) / 海野美規 - フラワー&フォトスタイリスト -
うんの・みき/フラワー&フォトスタイリスト。ハーバルセラピスト。愛犬あんとの暮らしを通じて、動物のための自然療法を学ぶ。パリで『エコール・フランセーズ・ドゥ・デコラシオン・フローラル』に入門、ディプロムを取得。『アトリエ・サンク』の山本由美氏、『From Nature』の神田隆氏に師事。『草月流』師範。フランス、ハンガリー、シンガポールでの暮らしを経て、現在日本でパリスタイル・フラワーアレンジメントの教室『Petit Salon MILOU(プチ・サロン・ミロウ)』を主宰。