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高橋文哉&西野七瀬、『少年と犬』初日舞台挨拶で犬の“さくら”に愛情たっぷり!「トリプル主演」「うれしいワン!」

  • 2025.3.21

馳星周による同名小説を映画化した『少年と犬』の初日舞台挨拶が3月20日にTOHOシネマズ日比谷で行われ、ダブル主演を果たした高橋文哉と西野七瀬をはじめ、伊原六花、木村優来、宮内ひとみ、瀬々敬久監督、ジャーマンシェパードドッグのさくらが出席した。

【写真を見る】多聞役を名演したジャーマンシェパードドッグのさくらも登壇!

『少年と犬』の初日舞台挨拶が開催された

原作は、様々な背景を抱えた人々と犬の多聞(たもん)の触れあいを描いた6つのエピソードを綴った短編連作小説。人間ドラマの名手である瀬々監督が、原作の複数のエピソードにオリジナル要素を加えて映画化した。

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震災により職を失い仙台で生活を送る中、犬の多聞と出会う青年の中垣和正を演じた高橋は、ジャーマンシェパードドッグのさくらと一緒にステージに上がった。「撮影から1年くらいが経ちました」と切りだした高橋は、「撮影当初は、こんなにもさくらと西野さんと3人で番組をまわらせてもらえるとは思っていなかった。バラエティや生放送、初日の舞台挨拶まで一緒に立ってくれた。僕らは心から、トリプル主演だと思っています」とさくらに感謝しきり。「うれしいワン!と言っています」とさくらの気持ちを代弁して、会場を笑わせていた。悲しい秘密を抱えながら、多聞により命を救われる滋賀に住む女性、須貝美羽役の西野は「前の日からすごく楽しみにしていました。やっと皆さんに観ていただける」と公開の喜びを噛み締めていた。

初日を迎え、感無量の面持ちを見せた西野七瀬

「チャレンジングな作品」だという瀬々監督は、本作に「特別な想いがある」と告白。「昨年の3月に撮影をしたんですが、そのころ父親が入院をして『余命1か月もない』と言われて。なんとか生き延びて、6月に亡くなりました。その時にお坊さんが『人間の努力ではどうしようもないことがある。それは老いであり、死である』と。もう一つ、震災や天災も人間の努力ではどうしようもないことがある。そういったことが、多聞が僕たち人間を救ってくれるというテーマに繋がっている」と自身にとっても大切な作品だと語った。

母への想いを明かした宮内ひとみ

また映画のなかで重要なキーワードでもある「胸に秘めた大切なもの」を発表することになると、母親役を演じた宮内は「実は撮影期間中に母が亡くなった」と語る。「撮影現場と実家を行き来しながら、看取ることができました。そこで子供たちに対する愛、母の強さを感じた。今回は母親役をやりながら、母のありがたさを感じた。もう会うことはできないけれど、ここにいると思っています」と胸に手を当ててしみじみ。「私は子供を育てたことがなかったので、子供に対しての愛情がどういうものなんだろうと考えた。この作品に参加できてよかった」と瀬々監督と同じく、特別な作品になったという。

さくらと「トリプル主演だと思っています」

西野は「“自分を大事にしよう”という心」だと回答。「もともとそういう考え方ではなかったんですが、いまはそう思っていて。誰かのため、何かのためという原動力はすごく大事だと思うんですが、最後の瞬間に決めるのは自分。そういう自分を大事にしていきたい」と直感を大事にしていきたいと笑顔を見せた。

そして高橋は、「高校生の頃は料理人という夢を持っていて、飲食関係でバイトをしていた。芸能という仕事に興味を持ち始めた時に、その時に働いていた社員の方に相談させてもらって『好きなことを仕事にしたいと思う感情は、唯一周りの人を振り回していいわがままなんだよ』と言われて。『なるほど』と思った」と回顧。「自分がやりたい仕事を選ぶ時、自分の感情だけで道を変えていいのかと思った時に、すごくその言葉に救われた。作品選びなどでも、自分が『やりたいな』と思った感情をもっと大事にして、向き合っていきたいと思っている。胸に残っている言葉」と転機となったエピソードを吐露していた。

くす玉を割って、公開をお祝い!

最後にはさくらも一緒に紐を引っ張り、くす玉を割って公開をお祝い。西野は「遠い話というよりは、自分たちの話でもあると思える。映画なんだけれど、自分たちの話にもどこか繋がっているなと観てもらったり、寄り添ってくれるような作品になるといいなと思います。一緒に愛していただけたら」とメッセージ。高橋は「この作品は、撮影中から今後の役者人生において核となるだろうと思っていた」と打ち明け、「熊本、東日本、能登の地震など、被災地の方を含め、同じ日本に暮らしている僕らにも傷が生まれているのは間違いなくて。絶対に忘れてはならないことだと思いながら、責任を持って主演を務めさせていただいた。映画のなかではさくら演じた多聞が、一筋の希望を見出してくれた。皆さんのなかにも、希望の光が必ずあると思っています」と心を込めて、大きな拍手を浴びていた。

取材・文/成田おり枝

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