国土の約半分を森林が占めるほど緑豊かな国、ラトビア。四季折々でさまざまなアウトドアアクティビティが楽しめますが、とくにラトビア人が心待ちにしているのがキノコ狩り。「大人のおしゃれ手帖」3月号の取材で訪れた私たちもおいしいキノコを求めて、いざ森へ。誌面ではお伝えしきれなかった、キノコ狩りの様子をお届けします。
「ガウヤ川国立公園」敷地内にあるホテルを拠点に 初秋のラトビアの森で「おいしい」宝探し
映画『かもめ食堂』でも印象的に描かれていたキノコ狩り。今回はフィンランドではなくラトビアですが、念願だった北欧の森でのキノコ狩り体験ができました。拠点となったのは、ラトビア最大かつ最古の国立公園「ガウヤ川国立公園」敷地内にあるカントリーホテル「Kārļamuiža Country Hotel」。ホテルが用意しているキノコ狩りツアーに参加しました。キノコが生える森の地形は比較的なだらかだとはいえ、森に入るにはやはりそれなりの装備とガイドさんは必須です。
キノコ狩りができるシーズンは、通常 8 月後半から10 月中旬まで。今回は、ホテルの敷地から続く「Kārļamuiža」の森でキノコを探します。キノコが生えるのは湿地。虫に刺されることもあるので、防虫対策も入念に。
同行してくれたのは、ガウヤ川国立公園のスタッフさん(ガイドは英語)。「特定の森にしかないキノコもあります。見つけたらすぐに合図してくださいね」。なかには毒キノコもあるので、見つけてもすぐに触らないことが鉄則。
落ち葉や苔などに埋もれるキノコは最初、なかなか見つかりませんが、目が慣れてくると「あ、あそこに!あそこにも!」と次々に見つかります。ポルチーニ茸やアンズ茸を割れないようていねいに収穫します。
「『袋いっぱいのありがたみ』を感じながらの帰り道も、幸せなひととき。初秋ならではのハイキングになります」とガイドさん。収穫したキノコはホテルのレストランで調理。夕食にスープでいただきました。
長い休みを取って長期滞在してみたい 澄んだ空気と静寂を楽しむ隠れ家的ホテル
「ガウヤ川国立公園」や4億年前の地層が残る「アマタ川渓谷」など、ラトビアを代表する大自然を満喫したい人におすすめなのが、この「Kārļamuiža Country Hotel」。リーガに次ぐ古都ツェースィスや、「ラトビアのスイス」と呼ばれるスィグルダ観光の拠点としても便利な場所にあります。元々は、18世紀から続く歴史ある荘園。その敷地内に19世紀半ばに建てられた邸宅を2006年に全面改修し、ホテルとして活用されています。
自然の景観に溶け込むように佇むメインの建物には、客室のほかレストランが。離れの建物も含め、客室は全部で15室。どの客室からも、荘園に植えられた無農薬のリンゴ園や森など、美しい景色を望むことができます。
客室には「エリザベス」や「シャーロット」など、人名が付けられているのもユニーク。どの部屋もゆったりとぜいたくにスペースが取られていて、テラスが付いた部屋も。足が伸ばせるバスタブがあるのもうれしい。
朝靄がかかるリンゴ園の美しい景色を見ながら、部屋でまどろむ時間が格別。いつもより早起きをして、朝食前に少し長めの散歩を。鳥の声だけが聞こえる緑の中で深呼吸すれば、心も体も一気にリフレッシュできるはず。
朝食はブッフェスタイル。地元産の旬のオーガニック食材をふんだんに使った料理が並びます。夏と秋には、ホテルの庭で栽培した野菜やハーブ、地元の森で採れたキノコ料理も。朝夕とも、食事は事前の予約が必要です。
Kārļamuiža Country Hotel
Kārļi, Drabeši parish, Cēsis Municipality, LV-4139 ラトビア
※公式サイトより、キノコ狩りなどツアーの予約も可
ラトビアでキノコ狩りができるのは、8 月後半から10 月中旬まで。今から今年の秋に向けて旅の予定を立てませんか。旅行を待つ期間もワクワクが続く特別な時間になるはず。
撮影:砂原文 取材・文:鈴木香里
取材協力:Latvia Travel(LIAA)
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