旅好きなライターたちが、実際に活用している旅の裏技や愛用品、便利グッズなどを紹介する当連載。第33回目の今回は、モバイルバッテリー機内持ち込みルールの変更について。2025年3月以降、韓国を中心にアジア各国の航空会社でモバイルバッテリーの機内持ち込みルールが変わりました。特に、韓国では機内での充電禁止や頭上の収納棚への保管がNGとなり、台湾やシンガポールなどもそれに追随する形をとっています。変更になった点について、詳しく解説していきますね!
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【2025年3月から変更】韓国の航空会社での新ルール
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韓国国土交通部(国交省)では、2025年3月1日からモバイルバッテリーに関するルールが厳しくなりました。大韓航空、アシアナ航空、LCC(ジンエアー、エアプサン、チェジュ航空など)を含む韓国籍航空会社すべてが対象となります。
【モバイルバッテリーの機内持ち込みルール】韓国での変更点
機内での充電行為(モバイルバッテリー本体の充電、およびバッテリーから他の機器への給電)が全面禁止
頭上の収納棚(オーバーヘッドビン)への保管が禁止。身に付けるか座席ポケットに収納する
100Wh以下のモバイルバッテリーの持ち込み数を最大5個に制限
100Wh超~160Whのモバイルバッテリーは2個まで(要事前承認)
バッテリーの短絡(ショート)防止措置をとる(端子にテープを貼る・個別包装するなど)
機内での充電についてですが、 座席のUSBポートやAC電源を使ってバッテリーを充電することもできません。飛行機搭乗前にしっかり充電しておくことが必要ですね。
頭上の収納棚(オーバーヘッドビン)イメージ © yacobchuk / PIXTA
また、特に注意したいポイントは、頭上の収納棚(オーバーヘッドビン)にモバイルバッテリーを収納してはいけないという点。自身の手元に置いておくか、座席ポケットに収納することが必要になるので、降機のときにうっかり忘れないように気を付けたいです。
モバイルバッテリーは座席ポケットに収納 © ponoponosan / PIXTA
100Wh以下のモバイルバッテリーの持ち込みについては、以前は個数制限はありませんでしたが、新たに個数制限が設けられています。160Whを超えるバッテリーは、以前と同様に持ち込みはできません。
【韓国】モバイルバッテリーの機内持ち込みルールまとめ
なぜルールが変更になったのか?
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新しくルールが設けられた背景として、2025年1月に発生したエアプサン機内でのモバイルバッテリー発火事故がきっかけとなっています。この事故を受け、韓国国土交通部では新ルールが制定されました。
台湾の航空会社(エバー航空・チャイナエアライン)の新ルール
韓国の新ルールに続き、台湾の主要航空会社(エバー航空・チャイナエアライン)でもモバイルバッテリーの規制が変更となっています。
【モバイルバッテリーの機内持ち込みルール】台湾での変更点
機内でのモバイルバッテリー使用・充電の禁止(座席の電源ポートを使ったモバイルバッテリーの充電不可)
持ち込み時の梱包は、端子を絶縁(テープで保護)し、個別包装を必須とする
【2025年4月1日から変更】シンガポール航空の新ルール
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シンガポール航空では、2025年4月1日から新しいルールが適用となります。
【モバイルバッテリーの機内持ち込みルール】シンガポール航空の変更点
機内でのモバイルバッテリー充電を全面禁止(バッテリー本体の充電も、バッテリーからスマホ・PCを充電する行為も不可)
100Wh超~160Whのバッテリーは事前許可が必要
日本の航空会社やLCCはどうなる?
2025年3月現在、日本の航空会社(JAL、ANA、LCC各社)では、韓国のような充電禁止や収納棚の制限は導入されていません。
今後のルール変更については不明ですが、韓国・台湾・シンガポールのルール強化を受けて、日本でも変更が行われる可能性があるので、搭乗前に最新情報をチェックしておきたいですね。
モバイルバッテリーの取り扱いには気を付けよう
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この3月~4月で韓国、台湾、シンガポールの飛行機を利用する場合には、モバイルバッテリーの取り扱いルールを確認しておきましょう。機内でのスマホ充電ができないため、搭乗前にある程度充電しておくことが必要です。
現在変更が設けられていない航空会社でも、今後変更される可能性があるため、最新情報をチェックしておきましょう。