セレーナ・ゴメス(32)が、2020年以来、約5年ぶりとなるアルバム『I Said I Love You First』を3月21日にリリースした。本作は婚約者ベニー・ブランコとのコラボレーションアルバムで、グレイシー・エイブラムスとの共作で話題の新曲『Call Me When You Break Up』や、先日ミュージックビデオが公開されたばかりの『Sunset Blvd』などを含む豪華作だ。『ウィメンズヘルス』では、32歳の世界的女優兼アーティスト、プロデューサーのセレーナをデビュー時代から振り返り、彼女が発信してきたメンタルヘルスや抱えてきた症状とのポジティブな向き合い方をピックアップしてご紹介。
2009年~2013年
舞台女優の母のもとに生まれ、子役時代に数々の話題ドラマや映画に出演してきたセレーナは、2009年にアルバム『Kiss&Tell』でアーティストデビューを果たした。 2013年7月にリリースされた自身初のソロアルバム『Stars Dance』は、全米アルバムビルボード200で1位を獲得し、華々しい結果に。俳優業だけでなく、世界的ポップスターとしてのランウェイを歩み始めた。
2015年
アルバム『リバイバル(Revival)』は全米初登場1位を獲得。しかし、全身性エリテマトーデスという自己免疫疾患を療養していることを公表した。全身の臓器に原因不明の炎症が起こるという難病で、不安障害やパニック障害、うつも症状のひとつとされている。「私は全身性エリテマトーデスという病気で、腎障害と高血圧も抱えている。健康上の問題が多いから、ボディイメージをいままで以上に意識するようになったの」とセレーナはポッドキャストの中で話した。「その薬は一生飲み続けなければならなくて、体重が月単位で変わってしまう。そのせいでみんなにとやかく言われたけれど、これが真実。私の体は頻繁に変わる。そのとき何が起きているかによってね」「みんなの前に自分自身をさらけだし、私の体に対する意見を聞きたいとは思わない」と、ボディシェイミングに対する意見も語った。
2017年
持病の治療に専念するため、腎臓移植手術を受けたセレーナ。「私の腎臓はもうダメだった。誰にも頼みたくなかった。でも、フランシアが申し出てくれた」と語り、女優で友人のフランシア・ライサからの移植支援に支えられた。「ファンの中には、この夏、私が身を隠していた時期があったことに気付き、とても自信のある新曲の宣伝を行わないことを疑問に思った人もいることでしょう。実は、ループスによって腎臓移植をする必要があることが分かり、回復に時間を要していました。体全体の健康のために、その必要があったのです」と自身のインスタグラムに療養中の写真とともに投稿した。
そんな彼女は、トレーナーのエイミー・ロソフ・デイビスとともに心身の回復を図っていた。エイミーは、「セレーナはヨガやピラティス、それにヒップアップトレーニングも大好き。お気に入りのトレーニングをたくさんするのが好きなの」と語り、ワークアウトにも励んだ。
2020年
3rdアルバム『レア(Rare)』は全米アルバム・チャート「ビルボード200」で1位を記録し、これまでのアルバム3作連続で首位の座を掴んだ。そんな彼女は4月、自身が双極性障害診断を受けていたことを明らかにした。『ピープル』誌のインタビューでは、「いろいろなことを試したけれど、ずっと続けていたのは助けを求めること。これが一番難しいことだけど、だから強くなれた」と話した。『ローリング・ストーン』誌に対しては、双極性障害の治療に服用している薬剤の影響で子どもを産めないかもしれないと語ったこともある。
2021年
スペイン語EP『Revelación』で、自身初のグラミー賞ノミネートを果たしたセレーナ。同年のWWDのインタビューでセレーナは、SNSから距離を置くことを言及した。「ポップカルチャーで何が起こっているのか『全く気付かない』ことを意味するけれど、アプリを削除するという判断は最終的に彼女の人生を救うことになった」と語っている。セレーナはインスタグラムで最もフォロワーが多かった過去もあり、TikTokやYouTubeの登録者数も桁違い。こうしたプラットフォームをファンとつながっているための素晴らしい方法として認める一方で、そこに一線を引くことを決めたのは、SNSがある意味ではポジティブだけど、ある意味では毒にもなりうるということを認識したからだという。「正直なところ、"これは情報が多すぎる"という感じだったわ。私生活があまりにも多く、いたるところに広がっていて、コントロールできない感じ。私の思考や取り入れているすべてのものが、世界中の人々が言うよいことや悪いことに振り回されているように感じたの」と語った。
2022年
彼女はメンタルヘルス・プラットフォーム『Wondermind』を設立。「メンタルケアをすることが当たり前で恥ずかしくない世界」をテーマに、ユーザーに対し、メンタルヘルスを向上するために作られたリソースをありとあらゆる方面から提供してきた。同年のドキュメンタリー番組『Selena Gomez: My Mind and Me』では、双極性障害と診断されたことを率直に語った。彼女は「この件についてはとくにオープンでいたい。私はこれまで、4つの治療センターに通っていた」と、米『ローリング・ストーン』誌に話している。「20代前半に入ってから、物事がかなり暗くなり始めた。良いときも悪いときも、自分の感情をコントロールできないと感じるようになったの」。だが、セレーナは適切なケアと治療で、これらの状態をうまく管理できているとも話している。
2024年
これまで心身の健康状態をオープンにしてきたセレーナは、ボディシェイミングに対しても断固NOの姿勢を取ってきた。2024年公開の映画『Emilia Pérez(原題)』のプレミア試写会では、体の前に手を置いてポーズを取ったセレーナに対して、一部の人たちが「自分の体を隠そうとしている」と彼女を批判。それを受けてセレーナは米テレビシリーズ『マーダーズ・イン・ビルディング』に出演時、小腸内細菌異常増殖症(別名SIBO、シーボ)という疾患を抱えていることを告白した。『ELLE』誌によるとセレーナは、すでに削除されたコメントの中で「こういうのは気分が悪い。私は小腸にSIBOを抱えていて、症状が突発的に表れる。自分の体形がすごく細く見えなくても構わない。もともとそんな体形はしていないんだから。それだけ。私は被害者なんかじゃなくて、ただの人間よ」と語った。
そして、 米月刊誌『ヴァニティ・フェア』のインタビューにて、セレーナは自分の子どもを授かることはできないと告白。「これまで公にしたことはなかったけれど、残念ながら私は自分の子どもを産むことができないの。私には健康上の問題が多いから、私と赤ちゃんの両方の命を危険にさらしかねない。暫くは、悲しみに暮れていた」。しかし、セレーナは、いつか母親になりたいと話している。「代理母出産や養子縁組に関わってくれる素晴らしい人たちがいることは、私にとって大きな祝福そのもの。どちらにしても、私にとっての大きな可能性だから」と語り、未来に対する希望を明かした。2024年12月には、音楽プロデューサーのベニー・ブランコとの婚約を公表している。
最新アルバムに注目
セレーナのデビュー時からの「自分らしさを貫く」メンタルヘルスとの向き合い方からパワーをもらえた?2025年3月21日(金)に発売した、彼女の5年ぶりリリースとなるアルバム『I Said I Love You First』もぜひチェックしてみて。
※本記事は、これまでの『ウィメンズヘルス』記事を再編集して掲載しています。