日本の伝統色を知る
日本の伝統色「雀色」とは……
雀色は、その名が示す通りスズメの頭部の赤みがかった濃い茶色を指す伝統色のひとつ。「雀頭色(すずめがしらいろ)」とも呼ばれ、江戸時代から見られる色名でもあります。十返舎一九作の『東海道中膝栗毛』には「雀色時」という表現が登場し、夕暮れ時を表す言葉として使われていたのだとか。当時、人々は日が暮れるころの空模様をスズメの頭の色になぞらえて「雀色時」と呼び、自然の移ろいを感じ取っていました。
雀色 = すずめいろ
雀色に似た「雀茶」という色もありますが、スズメの羽のように少し灰色がかった茶色とされる場合もあり、厳密には区別されていないことが多いです。「雀色」は、すずめいろと読みます。
DIC 日本の伝統色:R134 G67 B55 #864337/雀色(すずめいろ)
「日本の伝統色を知る」とは
美しい日本の伝統色、その漢字の読み方、色の背景なども合わせてご紹介していきます。いにしえから紡いできた日本の感性をともに味わってみましょう。
参考図書:「美しい日本の伝統色」PIEインターナショナル刊、「365日にっぽんのいろ図鑑」暦生活著 玄光社刊