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【ホルモンを整える食事法】体の”元気ホルモン”のスイッチオン!

  • 2025.3.25

甲状腺ホルモンは、代謝を促進する働きをもつ、体の元気ホルモンです。
50 代女性は甲状腺の異常が起こりやすいので、不足にも過剰にも気を配っておきましょう。
ホルモンバランスを整える食事法を、栄養学博士で管理栄養士の堤理恵先生に教えてもらいました。

教えてくれたのは・・・
栄養学博士
堤 理恵先生
専門は代謝栄養学。栄養学の基礎研究と臨床をつなぐ〝橋渡し研究〟をテーマとし、味覚障害の栄養ケアや地域特産物の開発などに尽力。講演会やテレビ出演も多く、栄養学をわかりやすく伝えている。

甲状腺ホルモンの増減で更年期障害に似た症状も

甲状腺は、のどにある小さな内分泌器官で、「チロキシン」というホルモンを分泌しています。チロキシンの主な役割は、代謝の促進です。
 
全身の細胞に、生命維持に必要なエネルギーや化学物質をどんどんつくるよう指令を出すのです。
「全身に活力を与えるチロキシンの材料となるのが、ヨウ素というミネラルです。魚介類や海藻に多く含まれています」
 
ヨウ素が不足すると、甲状腺ホルモンが十分につくられず、倦怠感やむくみ、冷え、食欲低下、体重増加などが現れてきます。
原因のわからない不調には、甲状腺の病気が隠れていることも。
 
更年期の症状と似ているものもあり、「更年期だから仕方がない」とあきらめる人もいますが、症状が改善しない場合は、婦人科などを受診して、甲状腺機能をチェックしてもらいましょう。

サプリメントなどによる過剰摂取にも注意

「チロキシンの合成をサポートしたり、甲状腺ホルモンを活性化してくれるのが、亜鉛・鉄、セレンといったミネラルです。いずれも体内ではつくることができないので、食事でとる必要があります」
 
亜鉛や鉄は、カキやほうれん草に、セレンはかつお節やツナなどに多く含まれています。亜鉛は、チロキシンに限らず、全身の細胞の新生や代謝にも不可欠。
亜鉛や鉄は日本人に不足しやすいといわれていますから、特に積極的にとりたいものです。
 
「ただ、ヨウ素やセレン、亜鉛は過剰摂取にも注意が必要です。食事でとっていれば心配は少ないですが、安易にサプリメントに頼るのは避けたほうがよいでしょう」

ヨウ素を含む食材
タラ・海草
チロキシンの材料となるヨウ素は、魚や海藻に豊富。特に多いのは昆布やとろろ昆布、ひじき、タラなどです。昆布でとった出汁にもヨウ素がたっぷり溶け込んでいます。

「セレン」を含む食材
かつお節・ツナ
セレンはミネラルの1つで、甲状腺ホルモンの活性化に欠かせない成分です。マグロやいわし、かつお節などに豊富。だしをとったかつお節も、佃煮などにして食べると◎。手軽にとれるツナ缶も便利。

「亜鉛・鉄」を含む食材
カキ・ほうれん草
亜鉛や鉄には、チロキシンの合成をサポートする働きがあります。亜鉛も鉄も水溶性なので、加熱調理する場合は、できるだけ汁ごととって。また、たんぱく質と一緒にとると、吸収率が高まります。


撮影/馬場わかな スタイリング/駒井京子 文/寺本彩
 
大人のおしゃれ手帖2025年3月号より抜粋
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください

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