お祝いごとの贈り物やお中元、お歳暮などを贈る際、品物につける「のし紙」。フォーマルな贈答品にはのし紙をつけるのがマナーとされていて、現代では和紙に水引をかけた正式なものよりも、水引や表書きなどがあらかじめ印刷された掛け紙が多く使われています。それだけではなく、さらに簡略化されたバージョンとして「短冊のし」というものが存在することをご存知でしょうか?
北海道では「のし紙」の上に…?
「短冊のし」とは名前の通り、七夕の短冊のように長方形をした小さい「のし紙」のこと。通常の「のし紙」のように箱を覆うようにつけるのではなく、お祝いや一般的な贈答品の場合は箱の右上辺りに、香典返しなどの弔事では左上に貼り付けて使います。
「短冊のし」が使われるのは、基本的には通常の「のし紙」が使えないようなサイズや形の贈り物の場合。それ以外にも、贈り物をあまり大げさにしたくないときに「“簡略版”のし紙」という扱いでも使われます。
サイズが小さいというだけで、「短冊のし」も、通常の「のし紙」の役割を果たすもの。そのため「短冊のし」を使ってもマナー違反というわけではありませんが、特に理由もなく使用すると、マナーに厳しい人や目上の人からは「失礼」と思われる可能性があるので注意しましょう。
一方で、北海道では贈り物にこの「短冊のし」を使うのが主流。付ける場所も全国的なマナーとは少し異なり、箱の中央“やや右寄り”に添えるのが一般的で、慶事でも弔事でも同じ場所に貼ります。「短冊のし」は単体で使われますが、普通の「のし紙」をかけた上に、さらに「短冊のし」を貼るケースもあるようです。
また、北海道では出産内祝いに付けられた「短冊のし」を神棚に飾るという慣習も。神棚がない場合は壁などに貼ったり、「のし」に加えて「命名札」をつけたりする人も多いそうです。
何かと用意する機会も多い贈答品。なるべく失礼のないように、贈る相手や地域によって上手に対応したいものですね。
オトナンサー編集部