桜井カスミさんは専業主婦。夫・アキトさん、幼稚園へ通う娘・モモナちゃんと3人で暮らしています。とてもやさしく紳士的だった夫は、結婚後にモラハラ化。家事も育児も丸投げし、夜には無理やり行為に及び、カスミさんは毎日我慢を強いられる生活を送っていましたが、夫がモモナちゃんにけがをさせたことで限界がきて、家を出ました。
モラハラのカウンセリングを受けた夫は、謝罪の手紙を送付。カスミさんは週末のみ自宅へ戻り、関係改善の兆しがありましたが、カスミさんの浮気を疑った夫の罵倒と暴力を受け、再び家を出ました。
カスミさんに「毒親」と言われ、厳しかった父親にも毒親の傾向があり、自分自身も同じように家族に接していたと認識した夫は、精神科を受診して自分自身を見つめ直します。
一方、経済的な不安を抱えつつも、モモナちゃんの笑顔を見て離婚の意思を固めたカスミさん。夫に離婚届を渡し「今後の話し合いがしたい」とのメッセージを送ります。
そして、2人の話し合いが始まり……。
変えられなかった夫の本質
「別れるなんて嫌だよ……」
夫は、離婚届けを受けとったカスミさんの腕を掴み、制止します。
「私の気持ちは変わらない」
「アキトと離れてみて、今までの生活の異常さにやっと気付けたの」
そんなカスミさんの言葉に、夫は次第に豹変し始めます。カスミさんを攻撃したくないにもかかわらず、「俺が変わるまで見守れ!」「あんなことになったのは、カスミの態度のせいでもあるんだぞ!」と、あふれ出す暴言を止められなかったのでした。
カウンセリングを受けても精神科を受診しても、変えられなかった夫のモラハラ気質。それほどまでに、自分自身を本質から変えるのは難しいことのようです。
離婚という現実を前にして焦る気持ちもわかりますが、この期に及んでカスミさんを責めるのは良くありませんね。まずはそこまで追い込んでしまったカスミさんの気持ちを尊重すべきでしょう。
自分のことよりも家族のことを本当に大切だと思えるようになれば、自ずと答えも見つかるのではないでしょうか。
著者:マンガ家・イラストレーター しろみ
ベビーカレンダー編集部