梶 雄太のマイ・ルール
頭から爪先まで、ひけらかさず自然体でいられるものを選ぶ
僕の普段の着こなしを定食に譬えるなら、スエットは白米くらい欠かせないものなんです。着たり、肩に掛けたり、首に巻いたり、猛暑の日を除き年間360日くらいは持って出かけています。そのほとんどがアメリカ製のボディメーカーのもの。生地の厚さもゆとりのあるシルエットもどストライクで、2年前から〈フルーツオブザルーム〉のスエットがスタメンに加わりました。
何より、デザインやブランドをひけらかさずに自然体で取り入れられるのがいい。同じ理由で、足元は〈パラブーツ〉か〈ヴァンズ〉。ファッションって、時には背伸びして辿り着く極致もあるけど、自分に無理なく、また負荷なく過ごせる服を取り入れて、僕は生きていきたいです。
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野中卓也のマイ・ルール
アーティストものはレコード感覚で曲のイメージから装いの着想を得る
古着屋って、入口に飾ってあるTシャツで店のテイストがわかるとよく言われるんですが、それと同じくらいスエットも僕にとっては特別なもの。ヒップホップにどっぷり浸かって多感な時期を過ごしたので、ラッパー関連のウェアはレコードと同じくらい青春の記憶が蘇る装置なんです。だから、袖を通すと無条件でテンションが上がる。
春の立ち上がりは、数々のラッパーにサンプリングされるイギリス人ソウルシンガー、シャーデーのスエット。シャーデーの曲ってどこか冷たいイメージがあるから、まだ肌寒い春の立ち上がりにぴったり。そうやって、生地の厚さや色に関係なく、アーティストや楽曲のイメージで取り入れるシーズンや装いを決めています。
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梶 雄太(スタイリスト)
かじ・ゆうた/1974年東京都生まれ。雑誌や広告、映画など幅広いフィールドで活躍。2024年、フリーペーパー『編集長』を創刊し、執筆も行う。
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野中卓也(〈ポートレーション〉オーナー)
のなか・たくや/1987年石川県生まれ。DJとして活動する傍ら、ヒップホップTシャツを軸にしたオンラインストアをオープン。2019年、実店舗を構える。