【写真】書類を手に取る尾野真千子“春子”と、その様子を見つめる井上真央“秋子”
井上真央、尾野真千子、村上虹郎らが出演するドラマ「夜のあぐら ~姉と弟と私~」。BS松竹東急(全番組無料放送・260ch)の開局を記念した特別企画として2022年4月に放送された本作が、同局にて3月22日(土)夜9時より放送される。本記事では、同ドラマのあらすじや見どころについて紹介していく。
「夜のあぐら ~姉と弟と私~」とは
父親の死に直面した主人公が遺産相続をめぐる騒動に巻き込まれながらも、“家族”という繋がりを再発見し、前を向いて生きようとするヒューマンドラマ「夜のあぐら ~姉と弟と私~」。今だからこそ大切にしたい人と人の繋がりを温かく描き出した“新しい家族の物語”となっている。
原作は第126回芥川賞を受賞した長嶋有氏、監督・脚本はドラマ「きのう何食べた?」などを手掛けた野尻克己氏が担当。そして、主人公・秋子役を演じるのは「花より男子」シリーズやNHK連続テレビ小説「おひさま」などで知られる井上真央。
また、姉の春子をNHK連続テレビ小説「カーネーション」で主演を務めた尾野真千子、弟・雪雄をNHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」などに出演する若手俳優・村上虹郎が演じた。そのほか、岸部一徳や南果歩、手塚理美など、さまざまな世代の実力派キャストが集結している。
父の遺産を“愛人”から守るために奮闘…「夜のあぐら ~姉と弟と私~」あらすじ
ある年の大晦日のこと。秋子(井上)と弟の雪雄(村上)は、姉の春子(尾野)から“家族会議”の招集がかけられる。20年前、自身の不倫が原因で妻と離婚することとなった父親は、2年前にがんになり、自身の事業を引退、膨大な遺産が残った。そんな父親の死を目前に春子は、“父の遺産を愛人のミドリ(南)から守るために戦おう”と秋子たちに持ちかけるのだった。
後日、春子から「遺言作戦 台本」と書かれたメールが届いた秋子は、重い足取りで父親とミドリの住まいへ向かう。しかし実際訪れてみると父親はミドリの言いなりになっており、秋子と春子は太刀打ちできない状態に…。春子が躍起になる中、秋子は“遺産をもらう資格がない”と、遺産の権利を春子と雪雄に譲ろうと決める。
そんな時、雪雄の何気ない一言で“実家の土地の権利書を奪う”という作戦を思い付く春子。秋子もしぶしぶ参加した作戦当日、春子は「私たち、キャッツアイみたいだね」と張り切るが――。
主人公・秋子の家族に対する気持ちの変化に注目
父親の遺産をきっかけに、3姉弟が集まり“家族”について見つめ直す本作。視聴後にどこか切なくほっこりとした気分にさせられる作品だが、中でも、秋子から見る春子と雪雄との関係性や自身の心境の変化が見どころとして挙げられる。
ピアノ講師を辞め、パチンコ店でバイトをしながら漫然とした日々を送る秋子は、父親の金で引きこもり生活をしている雪雄に始めは嫌悪感を抱いていた。物語の序盤で、雪雄に対し冷たい表情で淡々と話す井上の所作からも、秋子の燻ぶった心情が感じられる。
しかし、3人で過ごす時間が増えるにつれて、春子の家庭の事情や雪雄の本音を知り、秋子の“家族”に対する気持ちが変化していく。実際に、家族で過ごした幼少期を思い出しながらピアノを弾くシーンでは、姉弟に対する気持ちの変化によって、優しい笑顔を見せる秋子が描かれていた。
当時、本作や秋子について「厄介な姉、面倒な弟、近いような遠いような、知ってるようで知らない家族のコト。嘘なくまっすぐに秋子を演じていきたいです」と語っていた井上。心境の変化を見事に表現した井上の演技はもちろん、破天荒な春子、頼りない雪雄と、個性豊かな人物像を演じた尾野、村上の表現力にも注目したい。