Text by 編集部補佐
ドイツ紙『ビルト』はアーセナルなどで活躍した元ドイツ代表MFメスト・エジルが、ドイツ1部ブレーメンが主催した元ブラジル代表MFジエゴ・リバスの引退試合に招待されなかったと報じた。
同紙の取材に対し、ブレーメンの広報担当者は「メストは最近、ブレーメンの価値観に合わないような振舞いを見せたため、招待リストに彼を含めないことでジエゴと合意した」と語っており、近年エジルが政治運動に頻繁に参加していることが原因であるとしている。
引退後、トルコにルーツを持つエジルはトルコの極右武装組織「灰色の狼(Ülkücü Gençlik)」と近い関係にあると報じられており、胸には同組織との関係性を示唆する三つの三日月と灰色のオオカミを描いたタトゥーを彫っている。
同組織は1981年に当時ローマ教皇を務めていたヨハネ・パウロ暗殺未遂事件にも関与していたとされているほか、フランスなど複数の国で活動を禁止されている。
昨年にはトルコ代表DFメリフ・デミラルが「灰色の狼」を象徴するポーズをセレブレーションとして行い、2試合の出場停止処分を課された。ドイツでのクルド人排斥運動など、人種間の憎悪を助長する同組織に対しては、ヨーロッパサッカー界でも規制する動きが進んでいる。
日本でも先日、スタジアム内でのトラブルを巡り、在日クルド人に対するヘイトスピーチが問題となっていた。サッカー界はヘイトとどう向き合っていくのか、今後の動向にも注目だ。