「○様はおられますか?」尊敬語と謙譲語①
ビジネスシーンで取次を頼まれるときによく聞く言葉ですが、これは間違いで「尊敬語」と「謙譲語」が混在している例です。この場面は「○様」に対して尊敬語を使わなければいけない状況ですが、「おる」は謙譲語で、自分の行動を謙るために使う言葉です。そして、「おる」に尊敬語の「られる」をつけて「おられる」としても尊敬語にはなりません。正しくは「○様はいらっしゃいますか?」、または「○様はご在席でしょうか」もOKです。
同様の例として、(誤)「申されました」→(正)「おっしゃいました」、(誤)「○様が参られました」→(正)「○様がお越しになりました」などがあります。尊敬語と謙譲語の混用に気をつけましょう。以下、敬語の変化一覧です。
文=尾形圭子
尾形圭子
株式会社ヒューマンディスカバリー代表取締役
キャリアカウンセラー/人材育成講師/僧侶
航空会社と企業の人事部門を経て2004年に会社設立。ビジネスマナー、コミュニケーション、クレーム対応などの研修・講演活動を行うほか、福祉事業所や病院でホスピタリティを活かした「寄り添いの接遇」を指導。「言葉に心をのせて」を大切にしている。
著書は「一生使える電話のマナー」(大和出版)「すぐに役立つ大人のマナーブック」(JAグループ出版)など30冊以上。
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