主人公のパパはママと娘の香奈ちゃんとの3人暮らし。元々子どもが苦手で、娘をかわいいと思えないことに悩んでいるパパは、子育ての日常をSNSに投稿し始めてようやく娘と前向きに向き合えるように。しかし、香奈ちゃん宛に差出人不明のプレゼントが届くようになってから、SNSの怖さを認識します。SNSへの投稿を反対していたママに内緒で投稿し続けていたことを打ち明けられないまま、一家はママの転勤をきっかけに田舎へ引っ越すことになりました。
田舎へ引っ越して以来、一家は地域の独自ルールや家庭事情にまで口出ししてくる住民たちの存在に悩まされ、ママはパパに「あの人たちとは関わるな」と言っていました。
ある日、隣人・鶴子さん（ツルちゃん）が、香奈ちゃんに「言葉のお稽古」と言って鶴子さん宅へパパと香奈ちゃんを誘います。
そこでは言葉のお稽古は始まることなく、温かいごはんが用意されました。パパはその料理のおいしさと、夢中で食べる香奈ちゃんの姿に驚きます。その日以来、2人は頻繁に鶴子さん宅へ出入りするようになりました。
何も知らないママは、愚痴をこぼさなくなったパパを褒めていましたが……。
ゆとりができたはずのパパの子育て
「よっぽどツルちゃんが好きなんだねえ」
ツルちゃんが隣人だとは知らないママでも、香奈ちゃんの懐きように、一定の配慮は心がけるよう釘を刺します。
ところが、パパは引き続き鶴子さんの自宅へ入り浸るだけでなく、香奈ちゃんとのお散歩まで鶴子さんに任せるように……。
心身ともにゆとりができたものの、香奈ちゃんへの苛立ちが消えることはなかったのでした。
心にゆとりができても香奈ちゃんをかわいいと思えないパパ。いくらリフレッシュできたとしても、わがままを言われて思いどおりに動いてくれないときには、どうしても苛立ってしまうのでしょう。
そんな大人と同じように、子どもも思いどおりにならないとイライラします。どうにもならないときには子どもの気持ちに共感し、どうするか一緒に考えてみると良いのではないでしょうか。
また、鶴子さんが香奈ちゃんとどう関わって短期間でここまで信頼を得たのか、観察してみるのもひとつの手です。そして、毎日楽しいと言ってくれている鶴子さんへの感謝の気持ちも大切にしたいものですね。
著者：マンガ家・イラストレーター ちなきち
ベビーカレンダー編集部