学生たちの青春を届けるABEMAのバラエティ番組『今日、全力でやってみた。(以下、キョウリョク)』が3月31日の放送を持って最終回を迎える。MCを務めたのは人気お笑いコンビのマユリカだ。
『キョウリョク』は、恋愛番組『今日、好きになりました。(以下、今日好き)』の姉妹番組。「その一瞬をサイコーに!」を合言葉に、『今日好き』出演経験のある学生たちが「今どうしてもやってみたいこと」「これまでやりたくてもできなかったこと」に全力で挑戦する。
今回、ABEMA TIMESでは最終回を前に本番組のMCを務めるマユリカ(中谷/阪本)の2人に取材を実施し、自身の学生時代を振り返ってもらうと共に、『キョウリョク』に出演したメンバーについての印象を話してもらった。
阪本「ただただスターの子らと番組をやらせてもらった」
――半年にわたる『キョウリョク』での共演を経て、『今日好き』メンバーの印象に変化はありましたか?
中谷: この番組は収録回によって参加するメンバーが違うんです。なので、最初からずっとおってくれている子らとはコミュニケーションがそこそこ取れているんですけど、未だに初登場の子もいるので、それに圧倒され続けている感じですね(笑)。はなみち(植野花道)、てる(川端輝)とかは参加率が高いので僕は喋れています。
阪本: 僕は正直、この番組に携わるまで『今日好き』のことをよく知らなかったんですよ。なので、ただただスターの子らと番組をやらせてもらったんだなぁと。僕がおじさん過ぎて、みんなの人気をよくわかってなかったんです。
――共演してから人気者だったことを目の当たりにしたというか(笑)。
阪本: そうですね。SNSなんかで動画がよくまわってくるんですけど、たく&はる(林田拓也&村谷はるな)カップルが成就した瞬間の切り抜き動画とかとんでもない数の“いいね!”が付いてますよね。
中谷: ちょっとすごいよね。
阪本: あの子らこんなにスゴいんやなって思いました。
――2024年3月に東京・Zepp Haneda(TOKYO)にて開催された『青春祭 by 今日、好きになりました。』に行かせていただいたんですけど、悲鳴にも似た黄色い歓声が客席の各所から上がっていました。
中谷: そうなんや……! でも逆にそういうのを知らずに共演して良かったですよ。フラットに接することができたので。人気なことを知っていたらめちゃ気を遣っていたかもしれない(笑)。僕らが高校の時なんて、こういう番組なかったしね。
阪本: 『あいのり』(フジテレビ系恋愛バラエティ)とかは流行っていたけどな。
――この先、この番組をきっかけにして『今日好き』のイベント出演もありそうですかね。
阪本: いや、あんまり出たないといいますか(笑)。だって僕らのこと誰も興味ないでしょう。
――そんなことないと思います。
中谷: ホンマですか(笑)?
中谷『キョウリョク』出演者に感心「若くて人気者なのに調子乗らんで偉い」
――番組ではカップルで登場するメンバーもいます。今の高校生は恋人に対して愛情表現が豊かに見えましたが、実際に接してみて、自分たちの高校時代との差を感じることはありましたか?
阪本: この番組ならではかもしれないですけど、カップルで登場した子たちが「好き」とかそういう言葉を人前でもストレートに伝える子が多くて、大人やしスゴいなと思う一方で、そこは子供なんやって思う瞬間もありました。「他の男子と喋って欲しくない」って言ってる子もいて。
中谷: おったな(笑)。
阪本: でもまぁクラスで付き合ってるカップルって僕らの頃もそうでしたからね。僕なんかはあんまりそういう経験ないから、自分に落としこめないですけど。
中谷: 逆にちょっと気持ちがわかるのが、僕は高校の時、遠距離恋愛をしていて。で、あの子らも大体そうじゃないですか?
――そうですね。『今日好き』カップルは遠距離恋愛が多いです。
中谷: だからこういう番組収録で「好き」って伝えているけど、そりゃ会えてうれしいからやろうなって。収録で久々に会ったりするから、番組とか関係なく手を繋いでいたりするんです。でも“そりゃ手を繋ぎたい気持ちも爆発するか〜”と思いますね。
――番組では謎解きや、縄跳び、チャンバト(チャンバラのような遊び)など多岐にわたる遊びを学校内で繰り広げてきました。
阪本: 学校を貸し切ってチャンバトするとかむっちゃ楽しそうですよね。夢というか、普通の学生には絶対に出来ないことなので羨ましい部分はあります。それこそ僕が高校の時は、原付や自転車で遠くまで行ってみるとかやっていたんで。こいつ(中谷)ともよく行っていました。
中谷: どこに行くっていう目的はなく、エネルギーが有り余ってるから行ってましたね。お金もないし、発散の仕方がそれくらいしかなかったというか。
――『今日好き』は学生の甘酸っぱい青春と恋模様が溢れており、キラキラとした様子がうかがえます。ご自身の学生時代と比較していかがですか?
中谷: いや、乖離しかないですよ(笑)。でも、もし自分があの場に混ざれるような子やったらめっちゃ調子乗ってたと思うんですけど、みんなはそれがないというか。ちゃんとしてるんですよ。挨拶もしっかりしてくれる。若くて人気者なのに調子乗らんで偉いですよね。
――それこそジェネレーションギャップを感じたエピソードはありましたか?
中谷: 学校の部活に「動画部」っていうのがあるのを聞いてビックリしましたね。
――TikTok部がある学校もあります。
中谷: えっ? TikTok部…………? まじですか!?
――マーケティングツールとしてTikTokを使う企業は多いですし、行政機関や地元企業に依頼され、PR動画を作るケースもあるようです。
中谷: そういうことか……! 時代やなぁ……。普通にびっくりです。でもまぁ若い子の感性はそういうのに武器になるか。
――『今日好き』メンバーとの共演はお笑い界で活躍してきたお2人にとってある種、未知との遭遇でもあると思いますが、驚いたことはありますか?
阪本: 言い方はあんまりよくないけれど、彼・彼女たちはクラス・学校にいたらイケてる生徒の1番とか2番ですよね。
――間違いないと思います。
阪本: でもみんな愛嬌あるし、プライドが高くないというか。イジってもOKなんです。すごく前のめりにバラエティ番組に参加してくれたことはありがたかったですね。
中谷: 僕はトイレでこの番組に出演してくれている男の子と隣になった時、「この前、彼女と草津温泉に行って」と言われて、心の中で「えっ。高校生で……?」と思いました。全ての基準が僕らの高校生とは遥かに違うというか、そういう意味では驚くことはたくさんありますね。
――メンバーたちについても教えてください。印象に残っている子はいますか?
阪本: 僕はダントツはなみちですね。
――それは何故に?
阪本: 1番近くにいてくれたんでね。ほぼ毎回収録にもいてくれたし。
中谷: はなみちは高校生じゃないので、ちょっと年齢が上なんですよね。だから僕らと高校生の繋ぎ役になってくれたんです。しっかりしてるし、しかもめちゃくちゃカッコいいし、あれは印象には残りますね。
――阪本さんはダントツはなみちさんとのことですが、どんな会話をされたんですか?
阪本: ごめんなさい、ホンマに話しはしていないんです。
中谷: 収録以外、会話してないからな(笑)。
阪本: 会話はないものの、いい子だったのはわかります。しっかりしてますから。番組もはなみちがいることで作りやすかったです。
▲初回収録後に囲み取材時(左からはなみち、ゆのん、マユリカ、あいさ、やまと)
中谷: 女の子だとひなの(瀬川陽菜乃)ちゃんはゲームをやる時とか助かるというか。基本的に良い意味でなんも知らん子なので、言うことが結構ぶっ飛んでたりするんです。あれは、面白かった。
阪本: あとゆのんちゃんも。
――ゆのんちゃんは明るいキャラクターですよね。ああいう元気な子がいるのは番組MC的にどうですか?
阪本: ありがたいですよ。カメラがまわってなくてもあの感じですしね。
阪本「マンガを読みながら教室の隅っこにいるような子はいつの時代にもいる」
――お二人が高校時代だった頃と、今の高校生だとスマホでTikTokやSNSが普及したことで、表現の仕方が大きく異なると思います。もし自分たちの高校時代にSNSがあったらどうしていたと思いますか?
中谷: 本当にそうですね。今でいうSNSがなかった代わりにチャットとかBBS(電子掲示板システム)がありましたよね。ただ、僕、学生時代からホームページなんか作っていたりしていたんです。きっかけは承認欲求みたいなものだし、今の時代だったらより爆発していたと思います。なんか撮影していたりしてたんじゃないかな。
阪本: でも動画だと顔も晒さないとあかんねんで?
中谷: どういう意味?
――(笑)
中谷: 当時は自分がイケテナイってわかってなかったので、髪立てて、踊っていたりしていたのかもしれない。
阪本: 逆に今、TikTokとかに付いていけてない子はどうしているんですかね?
中谷: そもそもこの時代に付いていけてない子、おるんかな?
阪本: それはおると思う。
――最初は挑戦してみるけど、“自分には向いてないな”と感じる子はいそうですよね。
阪本: マンガを読みながら教室の隅っこにいるような子はいつの時代にもいますよね。僕も踊るのは恥ずかしいし、絶対やってないんじゃないかな。
――最後に最終回を迎えるにあたり、『キョウリョク』の見どころを改めて教えていただければと思います。
中谷: 『今日好き』では見せていないような部分がたくさん出ていると思うので、出演してる子たちが好きな視聴者には、新たな一面を届けられていると思います。
阪本: クラスでちょっと喋ってる雰囲気というか、抜けた感じの楽しさがあると思います。そういったものを面白がって欲しいですね。
『今日、全力でやってみた。』最終回は3月31日よる11時よりABEMAにて放送。
取材・インタビュー:中山洋平