初めての育児と家事の両立に悩んでいた私。そんなある日、夫に言われたのは「息子をサボる言いわけにしたらダメだよ」という心ない言葉でした。そのときの気持ちやその後の夫婦関係の変化などをご紹介します。
息子が生後6カ月ごろのお話です。当時、私は育休中。息子の育児や家事をすべてひとりでおこなっていました。夫の帰りが遅いため、入浴も私ひとりで。「夜中に目が覚めると、翌日の仕事がきつい」と言う夫と寝室を分けていたので、夜泣きの対応も私がしていました。
当時息子は私が視界からいなくなると泣き出してしまうので、トイレも落ち着いて入れない状態でした。今振り返ると許容量を超えたストレスを抱えていたように思います。
ワンオペ育児に疲れた結果
思わず悔し涙が……
私が涙ながらに話したことを、夫は黙って聞いていました。そして、しばらく沈黙のあと「知らなかった、ごめん」と頭を下げてくれたのです。
夫は私が日中のことを何も伝えてこないことで、何も問題はないと判断していたのだと言いました。そして、何も問題はないのに家事が片づいていないのはサボっているからだと思い込んでいたとのこと。
たしかに私はこれまでのことを伝えてきていませんでした。しかし、状況を確認することもなく、息子を言いわけにして家事をサボっていると一方的に言われたことが、私はかなしくて悔しくて仕方ありませんでした。
「知らなかったからではなく、知ろうとしなかったからでは?」……と、私は夫に尋ねました。夫からは何も返事がありませんでした。結局、この日はそのまま会話がなくなってしまい、約1週間、私と夫は最低限の会話しかしませんでした。
金曜日の夜。夫が1枚の紙を私に渡してきました。「土日に家のことや息子の面倒をみるから、ながれを書き出してほしい」とのこと。そして「1週間考えてみた。言っていたおり、知ろうとしてなかったんだと思う。ごめん」と、再び頭を下げてくれたのです。
私としては夫のその姿勢がうれしいと感じた反面、本当にやれるのかな? と不安でもありましたが、まずはながれを書き出し、実際はこの通りには進まないことがあると説明しました。そして夫は、実際に私の書き出したながれを参考に、育児と家事に挑戦した結果、私のこれまでの状況について身をもって理解したのでした。
「息子をサボる言いわけにする」という言葉は今でも忘れられません。それほど私にとっては悔しかったのです。しかし、それを言わてしまったのは自分でもあります。きちんと夫と普段の状況を話して、無理に我慢せず手伝ってほしいと言えていたら、夫もこの言葉を言うことはなかったと思います。
この一件以来、私はこまめに状況を伝えるようになり、夫も私に「手伝えることはある?」と聞いてくれるようになりました。おかげで、今はストレスを溜め過ぎることもなく、穏やかに日々を過ごせています。
著者:山田甜子/女性・介護福祉士。夫と1歳の息子と3人暮らし。元アロマセラピスト。介護福祉士として福祉関連職でフルタイム勤務をしている。自身の経験や知識、体験を元にした記事を執筆している。
作画:まっふ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています
ベビーカレンダー編集部