先日、中華料理の巨匠・脇屋シェフが考案した「ふきのとう醤」を作ってみた筆者(2月23日に配信しています。そちらをご覧ください)。まだたっぷり残っているので、どう使おうかと思案しておりましたら、脇屋シェフがすでに答えを用意していてくれました。これまでも何種類かの醤を使ったチャーハンをYouTubeで紹介していますが、今回も…そうです!ふきのとう醤チャーハンです。用意する食材は醤と卵とご飯だけ。シンプル過ぎるほどの構成ですが、得も言われぬ口福が待っていそうです。ということで、さっそく作ってみました!
中華のアイアンシェフとして一躍有名になった脇屋シェフ。東京ヒルトンホテル、キャピトル東急ホテル、リーセントパークホテル総料理長、トゥーランドット游仙境を経て、現在は「Wakiya一笑美茶樓」のオーナーシェフです。中国料理にフランス料理の要素を取り入れた「ヌーベルシノワ」の先駆者として知られています。
脇屋シェフの「ふきのとう醤で作るチャーハン」の材料と作り方
【材料】※1人分
ふきのとう醤…大さじ2
ご飯…250g
卵…1個
太白胡麻油…大さじ1.5
塩…少々
白こしょう…少々
ご飯は炊き立てを皿に広げ粗熱をとっておきます。
卵は黄身と白身に分けておきます。
【作り方】※調理時間:10分
1. ボウルに卵の黄身を入れ、ご飯を加えて卵が均一になるよう混ぜ合わせます。
2. フライパンに太白胡麻油を入れて温め、1を入れて中火で混ぜながら炒めます。
3. ご飯がパラパラにほぐれて卵の焼ける香りがしてきたら、塩、こしょうを加えます。
4. 白身を溶きほぐして回し入れ、混ぜながら白身に火が通るまで炒めます。
5. ふきのとう醤を加え、均一に混ざるまでしっかり炒め合わせます。
6. 器に盛りつけて出来上がりです。
卵の黄身を先にご飯と混ぜておく、太白胡麻油を使うという脇屋シェフのチャーハンのお約束2つが今回もちゃんとあり、ご飯がパラパラになった時点で、もうおいしいチャーハンができる予感がします。ふきのとう醤を入れるとすぐにフライパンの熱で香りが立ち上ってきますが、ベースがみそですので焦げないように手早く混ぜるのが大事なコツです。出来上がりをさっそく口に運ぶと、みそのコクとふきのとうの苦みが広がり想像以上のおいしさが待っていました。器に乗った見た目はちょっと地味ですが、これは確かに春にしか味わえない苦みと香りのチャーハンです。醤の量は好みで加減もできますが、あまり入れすぎてみそ味が濃くならない方がいいような気がします。
中華料理は多くの調味料を重ねて奥深い味を出すことの多い料理ですが、このレシピは醤を使うことで塩とこしょう以外の調味料を使っていません。多くの調味料を用意しなくて済むのは気分的にも楽ですし、何より作るときの工程が少なくて簡単にできます。工程が少ないということは作り方を間違えづらいということですし、出来上がりに差が生じにくいということでもあります。特にチャーハンなどの「炒める」という調理法は火力の問題や手際の問題があるため、炒めることに集中できるというのはけっこう大事なポイントだなと個人的には思います。
日々料理を作っているとけっこうな量の調味料を消費しますので、調味料を買うときにどうしても「業務用」という表記に魅かれてしまいます。スーパーなどで販売されている調味料は家庭で使いやすいサイズがほとんどですので、結果的に割高になりがちです。かといって全部を500gとか1kgサイズにしてしまうと台所が大変なことになるため、業務用を買って自分で容器に詰め替えて使うようにしています。特に香辛料は使う機会が多いため、絶対に少量では買いません。そんなに使わないという人も多いと思いますが、カレー粉も五香粉も自分で作れますのでわたしにはやっぱり業務用の方が向いています。
醤さえあればとても簡単にできるおいしい春のチャーハンですので、ぜひ作ってみてください!