20歳の時、新卒で入社した会社を1カ月でクビになった筆者は、必死に転職活動に勤しんでいました。
そこでとあるサービス業関連の会社に応募したのですが、面接官の男性に思わぬ形で鼓舞される結果となります。
今回はそんな10年前のエピソードを紹介しますね!
ボロボロの面接
「早く再就職先を見つけなきゃ……」
新卒採用された会社を1カ月でクビになった私は、必死に転職活動を行っていました。
とあるサービス業関連の会社の面接を受けましたが、コミュニケーションが得意ではない私は上手く受け答えが出来ません。
それを面接早々で察したのか、面接官を務める社長の男性も困った表情です。
「ああ。こんなことなら、来るんじゃなかった」
そんな後悔が押し寄せる私に対し、社長がこのような話題を振ってきました。
趣味の話題で大盛り上がり
「ところで、六条さんの趣味の欄に執筆とありますが、具体的にどのような物を書いているんですか?」
そこで私は、自分が物書きを志していることや、コンテストにも定期的に応募していることを話しました。
すると社長は目を輝かせて、こう言ってくれました。
「スゴイなぁ! 俺なんて、短い文章でさえ書くのに苦戦してるから、スラスラと言葉が浮かんでくるって、それだけで才能だと思いますよ!」
まさか社長がそう言ってくれるとは思っていなかったので、私は思わず目を丸くします。
応援メッセージを送ってくれる社長
面接の途中で「落ちるだろうな」と確信している自分でしたが、それでも社長が興味深そうに執筆について質問してくれたので、それについて楽しく話すことが出来ました。
社長曰く「そんなに素晴らしい才能があるんだから、是非、六条さんにはそれを活かして欲しいです!」と言われ、その言葉が私のやる気に結果的に火を付けます。
そして面接に落ちた後に、私は別の会社に就職が決まりましたが、その後も細々と執筆活動は続けていました。
結果的にウェブライターになった今、あの時の面接の社長は時々「おめでとう!」とコメントを送ってくれています。
このように器の大きい人物だからこそ、多くの人に慕われる社長になれたのだろうなと心底感じる私なのでした。
【体験者:30代・筆者、回答時期:2025年3月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:六条京子
ティネクトのエッセイコンテストで大賞を受賞したのをキッカケに、ライター活動開始。街コンや女子会に積極的に参加して、インタビュー対象を探す日々。Xでも「六条京子@Webライター(@akasinokata321)」として発信を行う。