Text by 編集部
日本代表が森保一監督のもとで快進撃を続ける2026年ワールドカップのアジア最終予選(3次予選)。
本日のバーレーン戦で勝利すれば、開催国以外では世界最速で8大会連続8回目のワールドカップ出場が決まる。
そこで、今回は過去のアジア予選において、日本をワールドカップ出場に導いた選手たちを振り返る(※2002年は自国開催であるため除外)。
1998年大会:岡野雅行
日付:1997年11月16日
試合:1998年ワールドカップ アジア地区第3代表決定戦
会場:ラルキン・スタジアム(ジョホールバル/MAS)
結果:日本代表 3-2 イラン代表
得点経過:中山雅史(39分)、城彰二(76分)岡野雅行(118分) / ホダッド・アジジ(46分)、アリ・ダエイ(59分)
アジア最終予選のグループBで2位となり、イランとの第3代表決定戦に臨んだ日本。
岡田武史監督にとっては5試合目となるこの試合は、日本とイランがともにリードを奪うという両者譲らぬ展開に。試合は延長戦に突入し、中田英寿のミドルシュートを相手GKが弾くと、最後は岡野雅行がスライディングで詰め、日本がゴールデンゴール勝ちで初のワールドカップ行きを決めた。
後に「ジョホールバルの歓喜」と呼ばれる、永久に語り継がれるであろう日本サッカー界にとって特別な一戦だ。
2006年大会:柳沢敦&大黒将志
日付:2005年6月8日
試合:2006年ワールドカップ アジア地区最終予選 第5節
会場:スパチャラサイ国立競技場(バンコク/THA)
結果:日本代表 2-0 北朝鮮代表
得点経過:柳沢敦(67分)、大黒将志(89分)
アジア3次予選のグループB第5節、「勝てばワールドカップ行き」という状況で日本は北朝鮮と対戦する。
直前に行われたイラン戦でファンが暴徒化したためこの試合は北朝鮮のホーム扱いでありながら中立地での無観客試合となっており、スタジアムの外から応援を送る日本のサポーターも話題となった。
試合は0-0で前半を折り返すと、後半に柳沢敦と大黒将志がそれぞれゴール。2-0と勝利し、3度目となるワールドカップ出場を決めた。
なお、この一戦の主審に選ばれたのはCLでも多くの試合を捌いたベルギー出身のフランク・デ・フレーケーレ。アジア予選でありながらUEFAから主審が選ばれるのは異例である。
2010年大会:岡崎慎司
日付:2009年6月6日
試合:2010年ワールドカップ アジア地区最終予選 第6節
会場:パフタコール・マルカジイ・スタジアム(タシケント/UZB)
結果:ウズベキスタン代表 0-1 日本代表
得点経過:岡崎慎司(9分)
日本を4回目のワールドカップ出場に導いたのは、岡崎慎司の超低空ダイビングヘッド!
アウェイで行われたウズベキスタン戦、日本は中村憲剛が絶妙なパスを前線に送ると、これに岡崎が反応。一度は胸で落としてシュートを打つもこれが弾かれ、最後はこぼれ球に臆することなく頭から飛び込んだ。
この後、日本は1点のリードを守り切り1-0で勝利。アウェイでのオーストラリア戦を前に本戦行きが決定した。
2014年大会:本田圭佑
日付:2013年6月4日
試合:2014年ワールドカップ アジア地区最終予選 第7節
会場:埼玉スタジアム2002(さいたま市/JPN)
結果:日本代表 1-1 オーストラリア代表
得点経過:本田圭佑(90分) / トミー・オー(81分)
ワールドカップに向けたアジア3次予選、日本は2大会連続でオーストラリアと同組に。
「引き分け以上で本戦出場決定」という条件の中で行われたホームでのオーストラリア戦は、81分にリードを許す苦しい展開に。
しかし、終盤にドラマが待っていた。90分、PKを獲得すると本田圭佑がこれをしっかりと決め、土壇場で同点に追いつく。結局試合は1-1で終了し、日本が5大会連続となるワールドカップ行きを決めた。
大きな注目を詰めたこの試合。テレビ朝日の中継は平均38.6%という驚異的な視聴率を叩き出した。
2018年大会:浅野拓磨&井手口陽介
日付:2017年8月31日
試合:2018年ワールドカップ アジア地区最終予選 第9節
会場:埼玉スタジアム2002(さいたま市/JPN)
結果:日本代表 2-0 オーストラリア代表
得点経過:浅野拓磨(41分)、井手口陽介(82分)
ヴァイッド・ハリルホジッチ監督が作り上げた日本代表は、アグレッシブな守備スタイルが特長。
勝てばワールドカップ出場が決まる一戦でも4-3-3のシステムを採用した中で、結果を残したのは2016年のリオデジャネイロ五輪に出場した2人のヤングスターだった。
日本は41分に右ウィングの浅野拓磨が先制点を決めると、82分には井手口陽介の鮮やかなミドル弾で追加点。2大会連続となるホームでのワールドカップ出場決定だった。
各選手の持ち味が存分に発揮された一戦に、本大会への期待は急上昇。翌年4月にまさかの監督交代劇が起こるとは誰も想像していなかった。
2022年大会:三笘薫
日付:2022年3月24日
試合:2022年ワールドカップ アジア地区最終予選 第9節
会場:スタジアム・オーストラリア(シドニー/AUS)
結果:オーストラリア代表 0-2 日本代表
得点経過:三笘薫(89分、90+4分)
開幕3戦で1勝2敗。予選敗退のピンチに陥った森保一監督率いる日本代表だったが、守田英正と田中碧を起用した4-3-3のシステムで復調。伊東純也の4試合連続ゴールもありそこから5連勝を達成して、またもオーストラリア戦を迎えた。
残り1試合、5日後にホームのベトナム戦を控えていたことから「アウェイで引き分けでも良し」の空気も漂っていたなか、舞台に上がったのが当時まだスーパーサブだった三笘薫。
84分から出場すると、電光石火の2ゴール。特に2点目は三笘らしい圧巻のドリブル突破で相手守備陣を切り裂き、見事日本を7大会連続のワールドカップ出場へと導いている。