日本の伝統色を知る
日本の伝統色「藤紫」とは……
美しいフジの花の色を基にした紫色で、少し濃く青みを帯びた色合いの色が藤紫。色名の通り「藤」の花が持つ優雅で淡い色調がわずかに濃く表現されたもので、特に明治から大正時代にかけて流行しました。当時、化学染料の輸入により鮮やかな色が作り出され、文明開化の影響を受けたハイカラ趣味に人気を博したとされています。藤の名を持つ色は他にも多くあり、例えば薄藤、紅藤、若藤、小町藤、青藤などが次々と流行しました。
藤紫 = ふじむらさき
藤紫は時代を超えて人々に愛され、現在でもその美しさが受け継がれていますが、現代ではこれらの色を単に「紫」と呼ぶことも増えています。「藤紫」は、ふじむらさきと読みます。
DIC 日本の伝統色:R138 G107 B190 #8A6BBE/藤紫(ふじむらさき)
「日本の伝統色を知る」とは
美しい日本の伝統色、その漢字の読み方、色の背景なども合わせてご紹介していきます。いにしえから紡いできた日本の感性をともに味わってみましょう。
参考図書:「美しい日本の伝統色」PIEインターナショナル刊、「365日にっぽんのいろ図鑑」暦生活著 玄光社刊