香取慎吾が主演を務めるドラマ「日本一の最低男 ※私の家族はニセモノだった」(毎週木曜夜10:00-10:54、フジテレビ系/FOD・TVerにて配信)の第10話が3月13日に放送された。一平(香取)が都(冨永愛)に尋ねられ、選挙への出馬を決意した言葉を述べる様子が描かれて、爽快な気分になった。(以下、作品のネタバレを含みます)
“選挙&ニセモノ家族ドラマ” 完全オリジナル作品で新ジャンルのエンタメ誕生
本作は、主人公である“日本一の最低男”大森一平が、家族を、社会を、そして日本を変えていくために奮闘する姿を笑いあり涙ありで描く、“選挙&ニセモノ家族ドラマ”。今の時代ならではの社会的テーマも毎話盛り込んだ完全オリジナル作品となっている。
志尊淳が“最低男”一平の義理の弟であり、子ども2人を育てるシングルファーザー・小原正助を演じ、その正助の子どもである小原ひまりを増田梨沙、小原朝陽を千葉惣二朗が演じる。
不祥事を起こした元テレビ局の報道マンの一平は政治家への転身を図る
テレビ局の報道マンとして家族のケアを全くしない仕事人間だったが、昭和的な価値観のせいで不祥事を起こし、追われるようにテレビ局を退社した一平。大嫌いだった父親の残した実家に引っ越し、フリージャーナリストを名乗るものの仕事はなく、無職同様のさえない生活を送っていた。あるとき一平は、衆議院議員・黒岩鉄男(橋本じゅん)の公設第二秘書で、小学校時代からの幼なじみでもある真壁考次郎(安田顕)から助言を受け、政治家への転身を決意。次期区議会議員選挙に当選を目指して人生の再起を図る。
一平の他界した妹・陽菜(向里祐香)の夫であり、2人の子どもを育てながら保育士として働くシングルファーザーの義弟・正助一家を呼び寄せて同居することに。一平には裏で、家事や育児に取り組むことで生活者目線があるところを選挙でアピールするという“最低”な思惑があった。
都が「なんでそこまでやんなきゃいけないの? 一平さんが」と尋ねると…
一平は、大江戸区の再開発計画をめぐって区長の長谷川(堺正章)や、民政党の衆議院議員・黒岩(橋本じゅん)と対立。民政党の公認候補として区議選に出馬することを拒否し、無所属で“大江戸区長選挙”に出馬すると宣言する。
四期連続当選で不動の帝王である長谷川は、「元気なハエは飛ばしときゃいいよ」と余裕を見せていた。一方、一平を敵に回すと厄介だと考えた黒岩は一平の過去のトラブルを探るよう、密かに秘書の真壁(安田顕)に命じる。
一平は家を選挙事務所として使うため、ひまりや朝陽たちと別居することにする。都がひまりと朝陽を迎えに一平の家にやってくると一平は「これ!」と言って茶封筒を渡す。都が眉間に皺を寄せて「え、なに?」と手にすると、「2人の生活費。それでも足んなくなったら言って」と告げる一平。都は首を振って「いいって」と返そうとすると、一平は「こんなこと頼めんの都ぐらいだから」と制する。
都はため息をついて「じゃあ、預かっておく」と受け取る。「もし、帰りたいとか言い出してもさ…」と一平が言いかけると、「わかってる」と都。「でも…大丈夫なの?」と続け、「うーん、まあ、ぐずってたけどなんとか」と一平が答える。すると都は「じゃなくて、一平さんが。なんでそこまでやんなきゃいけないの? 一平さんが」と尋ねる。一平は「なんでやんないんだよ、俺が。俺じゃん、どう考えても」ときっぱりと答えるのだった。
こんなときに頼れる都はとても頼もしく思え、一平のゆるぎない決意も感じられて爽快な気分になった。
◆構成・文=入江奈々