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京都・岡崎の桜さんぽで、春色に染まる水辺の風景とアートを満喫♪

  • 2025.3.19

春の京都は、街が魔法にかかったかのようにピンクに染まり、何気ない風景が目を楽しませてくれます。琵琶湖疏水が流れる岡崎は、そんな街並みのひとつ。岸辺には約2kmにわたって桜並木が続き、社寺やミュージアム、カフェが点在します。花やアートを楽しみつつ、お花見ランチでほっとひと息ついて、気の向くまま桜さんぽを楽しんでみませんか。

京都・岡崎の桜さんぽで、春色に染まる水辺の風景とアートを満喫♪

蹴上インクラインから、疏水にいざなわれ岡崎へ

世界最長582mの傾斜鉄道跡。線路を覆うように桜が満開になる

岡崎の桜さんぽは、蹴上インクラインからスタート。京都駅からは、地下鉄で約20分の蹴上駅で下車し、徒歩3分で到着します。

インクラインは傾斜鉄道とも呼ばれ、琵琶湖疏水が水運に利用されていた頃、付近の急勾配を通過するために、舟を台車に載せて運んだ鉄道のこと。戦後まもなく廃線になりましたが、線路跡をたどりながらお花見ができる珍しさもあって、今ではSNSで話題のスポットです。

南禅寺船溜横の琵琶湖疏水記念館は、噴水越しに疏水を望む特等席

疏水の流れが姿を見せるのは「南禅寺船溜(ふなだまり)」と呼ばれるスポット。昔は、ここで舟から荷物を降ろしたり、船頭さんたちが休息をとったそうです。

船溜の中央の噴水は、土地の高低差を利用し水圧だけで動作するエコ仕様。電気を使わずに、こんなダイナミックな仕掛けができる知恵に驚きです。

2025年の十石舟の運航は3月20日~4月13日までを予定

また、南禅寺船溜は十石舟の乗り場にもなっており、疏水を下った夷川ダムまでの往復約3km、30分弱の舟旅を楽しめます。舟から桜を見上げるという、ふだんとは違うアングルからのお花見も、ぜひ体験してみたいですね。

1903(明治36)年開園の京都市動物園は、日本で2番目に長い歴史をもつ動物園

向かい岸に、京都市動物園のかわいい観覧車が見えてきました。平安時代、この観覧車の場所には、高さ81mもある塔が建っていたことが分かっています。ちなみに観覧車は12m。この7倍近くの高さって・・・・・・想像もできません。

平安神宮の大鳥居をくぐって岡崎の街の中心へ

南禅寺船溜から歩くこと約5分。岡崎のランドマークでもある平安神宮の朱色の大鳥居が桜のベールに包まれています。この辺りが、美術館、図書館、コンサートホールが並ぶ京都きっての文化ゾーン・岡崎の中心です。せっかくなので、少しよりみちをしてみましょう。

桜の名所「平安神宮」で愛でる3種の桜

平安時代に重要な儀式が行われた大極殿がモデル(2025年3月現在、平安神宮百三十年祭記念事業のため社殿一部工事中)

平安神宮は、明治時代に平安遷都1100年を記念して創建されました。京都で在位した最初の天皇・桓武天皇と、最後の天皇・孝明天皇を祀り、平安時代の宮殿を模した社殿が迎えてくれます。

社殿前の桜は、天皇の御所に植えられた「左近の桜」「右近の橘」にちなむもの。屋根の緑、社殿の朱、桜のピンクが、華やかな宮中の春を今に伝えるようです。

池にかかる橋・泰平閣から眺める東神苑

2つ目の桜は、社殿をぐるりと取り囲む神苑に。4つの庭からなる広大な神苑は、明治時代の作庭家・七代目小川治兵衛の作庭。入口近くの南神苑では、空を覆う紅しだれ桜が咲き乱れ、出口に近い東神苑では、池と建築を花が彩る平安絵巻のような風景が広がります。

桜みくじは、願いごとを書いて結び木に結ぶ

3つ目の桜は遊び心たっぷり。春に授与されるピンク色の「桜みくじ」は、吉や大吉のかわりに、「つぼみふくらむ」や「満開」といった花にちなんだ言葉で表されるのが特徴で、読んだ後に木に結びつけるとこの通り、おみくじの花が満開に。

左近の桜、神苑の桜、桜みくじ、春に平安神宮を訪れるのなら、ぜひ3つの桜を楽しんでくださいね。

京都市京セラ美術館「モネ 睡蓮のとき」でアートな花を観賞

クロード・モネ《睡蓮》1916-1919年頃 油彩/カンヴァス マルモッタン・モネ美術館、パリ© musée Marmottan Monet

琵琶湖疏水の桜もいいけれど、この辺りで絵画に描かれた花を見てみましょう。京都市京セラ美術館では、3月7日~6月8日まで、クロード・モネの《睡蓮》を中心にした展覧会が行われています。

ある作品に描かれているのは、時の移ろいによって表情を変える睡蓮、垂れ下がる柳の枝、池に映り込む空の雲。今でいうリフレクションですね。

(左)クロード・モネ《アガパンサス》1914-1917年頃 油彩/カンヴァス マルモッタン・モネ美術館、パリ© musée Marmottan Monet (右)クロード・モネ《睡蓮》1914-1917年頃 油彩/カンヴァス マルモッタン・モネ美術館、パリ© musée Marmottan Monet

モネには、巨大なキャンバスで部屋の壁を覆いつくす「大装飾画」というプランがありました。今回の展覧会では、その試行錯誤の過程で生み出された、2mに及ぶ大画面の作品の数々も集います。

また、館内のカフェ「ENFUSE」ではモネの作品をイメージしたピクニックセット(要予約)、ショップでは淡い色彩の《睡蓮》を想わせる和菓子が登場し、多彩な楽しみ方ができそうです。

カフェ「シュイロ」で、京のブランド卵を使ったテイクアウトランチ&スイーツを

「だし巻きカツバーガー」1600円、「シュイロコーラ」650円

京都市京セラ美術館から歩いて3分、メインストリートに面した「シュイロ」は、京都北部に位置する美山のブランド卵「うちゅうの夜明け」を使った料理やスイーツが楽しめるオールデイダイニングです。

イートインだけでなくテイクアウトも充実しており、天気のよい日なら「だし巻きカツバーガー」などをお供にしてのピクニックもおすすめです。衣の中のだし巻きだけでなく、自家製タルタルソースにもたまごの旨味がたっぷり

「シュイロ濃厚プリン」650円

デザートのいちおしは、たまごを使ったスイーツの代表格、プリン。たまごの風味がギュッと凝縮した濃厚さとなめらかな口あたりは、とりこになりそう。

「シュイロ」のテイクアウトを上手く利用して、京都市京セラ美術館のパブリックスペースや、平安神宮前の広場でお花見ランチを楽しんでみましょう。

鴨川へ到着。最寄り駅は京阪電車の神宮丸太町駅

もう少し桜さんぽを楽しむなら、そのまま琵琶湖疏水に沿って進み、鴨川を目指しましょう。平安神宮の大鳥居から鴨川までは徒歩で約20分。途中には、日本美術で知られる細見美術館もあります。疏水の桜さんぽで、アートと花景色にあふれる春の京都を楽しんでみませんか。

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