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いつも物事を深く考えすぎてしまう……これって病気なの?

  • 2025.3.19

つい物事を深く考えすぎてしまう。なにか病気なのだろうか?

物事を深く考えすぎて日常生活に支障が出ている場合、不安神経症などの病気が潜んでいるおそれもあるので、症状に心当たりがないかチェックしましょう。

ともしびクリニック代表医師・江越正敏先生が解説します。

いつも、物事を深く考えすぎてしまいます……。これって病気なのでしょうか?

江越先生:いいえ、必ずしも病気とは限りません。日常生活に支障が出ないのであれば、病気の可能性は低いでしょう。

物事を深く考えすぎることは、「慎重に行動できる」「人の気持ちを考えて行動できる」という側面もあるため、デメリットばかりではありません。

ただし、「物事を深く考えすぎる」ことに加えて、次の症状に心当たりがある場合は、何らかの「心の病気」が疑われます。

●仕事や学校に行けない
●外出できない
●電車に乗れない
●家事が手につかない
●不安な気持ちが一日中続く
●眠れない日が続く
●落ち着きがなくなる
●人前に出ると極度の緊張や不安を感じる

江越先生:「物事を深く考えすぎてしまい、日常生活に支障が出ている」場合に疑われる病気として、「不安神経症」「適応障害」の2つが挙げられます。

疑われる病気1「不安神経症」

江越先生:不安神経症とは、過度な不安や心配を抱くことで、日常生活に支障をきたす病気です。特定の場所や状況(人前に出るときなど)で、症状が出やすいという特徴があります。

自律神経が乱れることで、頭痛・めまい・動悸といった症状が出現する場合もあります。

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江越先生:不安神経症の主な症状は、落ち着きがない、イライラしやすい、不眠や頭痛、めまい、動悸など。

真面目で責任感が強い、心配性、完璧主義や負けず嫌いという人は、不安神経症になりやすいと考えられています。また、若い女性に多くみられるという特徴もあります。

不安神経症が疑われる場合は、「精神科」または「心療内科」で相談しましょう。適した治療を行うことで、症状を早く和らげることができます。放置すると、「うつ病」などの精神疾患を発症するリスクが高まります。

なお、不安神経症の人は、そうではない人に比べて、うつ病を発症する可能性が2倍程度高くなるといわれています。

疑われる病気2「適応障害」

江越先生:適応障害とは、特定のストレスによって、心身に不調をきたす病気です。個人差が大きいですが、「気分が落ち込む」「考えこみすぎて涙が出る」場合もあります。

適応障害は、環境を変えるなどしてストレスの原因から離れると、6ヶ月以内に症状がなくなるという特徴があります。

適応障害の主な症状は、気分の落ち込みや不安感、感情の高ぶり、集中力の低下、めまいや動悸、不眠などです。

こちらもやはり真面目で責任感が強い、几帳面、完璧主義や他人からの評価が気になりやすい、人に頼ることが苦手な人がなりやすいとされています。

適応障害は自分で根本的に症状を軽くすることが難しいため、病院に行きましょう。「精神科」または「心療内科」で相談してください。

病院では一般的に、「カウンセリング」を受けられます。病気の診断を受けた場合は、「薬物療法」が行われることが多いです。

カウンセリングは、医師や臨床心理士と話すことで、思考や行動を改善したり、新しい視点を得られたりする可能性があります。

薬物療法では、「抗うつ薬」などの薬を飲むことで症状の改善を図ります。

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HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)の可能性も?

江越先生:病気を疑ってしまうほどに「物事を深く考えすぎる」場合、HSPの特性を持っている可能性があります。

HSP(Highly Sensitive Person)とは、生まれつき脳の扁桃体の働きが強く、脳内の神経が高ぶりやすい体質のことです。病名ではありません。

HSPは病気ではないですが、さまざまな刺激に反応しやすく、物事を深く考えてしまいがちです。

日常生活で生きづらさを感じる場合は、一度「精神科」または「心療内科」で相談してみてもよいでしょう。病院で診てもらった結果、「不安神経症」「適応障害」などの診断を受けるケースもあります。

HSPの特徴
●感受性が強い
●緊張しやすい
●音楽や美術に心を動かされやすい
●幼少期に周囲から「繊細」「人見知り」だと言われていた
●大きな音や明るい光が苦手

考え方を変えたい! 軽く受け止める方法は?

江越先生:物事を深く考えすぎないようにするには、以下の対処法がおすすめです。

気分転換をして注意をそらす

考え込んでしまうときは、映画を観たり音楽を聴いたりして、注意をそらしましょう。気分転換することで、物事を軽く受け止められるようになることがあります。

毎日20~30分ほど運動する

ジョギング、ウォーキングなどの運動を、1日20~30分程度でいいので継続して行いましょう。

運動することによって心が安定し、気持ちが前向きになるため、考え事を軽く受け止めやすくなるでしょう。

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考え事を紙に書き出す

深く考え込んでしまうことを、具体的にノートに書き出しましょう。自分の思考や不安なことを客観視することにつながるため、落ち着いて不安に向き合うことができます。

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▼参考
MSDマニュアル家庭版:不安症の概要
MSDマニュアル家庭版:適応障害
厚生労働省:若者のためのメンタルヘルスブック

監修者プロフィール

ともしびクリニック代表医師 江越 正敏先生

佐賀大学医学部を卒業後、病院・美容クリニックでの勤務経験を経て、2020年にファイヤークリニック開業。美容医学、遺伝子学、栄養学、精神医学など肥満治療に関わる多方面から痩身医学研究と実践をする精神科医としても臨床に当たっており、西洋医学から東洋医学に渡って世界中から集積した独自の短期集中型医療ダイエットを開発。

<Edit:編集部>

※本記事は、Medicalook(メディカルック)で掲載されていた内容を移管し、加筆・修正したものです。

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