『探偵!ナイトスクープ』(テレビ朝日系)が3月14日に放送され、「カードを売ってプロポーズ資金にしたい」という依頼を調査した。
視聴者から寄せられた依頼にもとづいて、探偵局長が部下の探偵たちを野に放ち、世のため、人のため、公序良俗・安寧秩序を守るべく、この世のあらゆる事どもを徹底的に調査追求する同番組。今回の「マジック:ザ・ギャザリング」は、兵庫県の男性(49)から寄せられた次のような依頼だ。
『「マジック:ザ・ギャザリング」は世界中で5000万人を超えるプレイヤーとファンを持つ、アメリカ発祥のトレーディングカードゲームで、1枚の価格が1億円を超えるものもあります。先日、部屋を掃除していたら、学生時代に集めていたカードが出てきました。青春を共にした懐かしい気持ちがこみ上がり、インターネットで何気なく調べてみると、買取価格が9万円を超えるカードが見つかったのです。私が持っているカードは、約5000枚あります。そこで、私は一大決心をしました。それは、このカードを全て売ることです。これまでの半生、2回の夜逃げやリストラ、知人からの詐欺や離婚など辛いものでしたが、こんな僕にも現在、再婚を考えられる女性が現われました。しかし貯金も少なく、いつも僕に尽くしてくれる彼女に何もしてあげられず…。そこで、このカードで結婚指輪を買い、プロポーズをしたいのです。しかし、変なお店に安く買われるのでは?という心配があり、お力をお借りしたいです。私の人生の大逆転のお手伝いをぜひお願いします』
依頼者のもとを訪れて話を聞くと、カードは30年前からコツコツ集めていたもの。もし高額査定が出れば、彼女のために「新婚旅行」「結婚指輪」「エステ」の3つをプレゼントしたいそうだ。
マジック:ザ・ギャザリングの専門店「晴れる屋」の担当者に来てもらい、人生大逆転をかけた運命の鑑定へ。「お店で200万円で買い取りしたものも」「昔のキラキラしたカードは世の中に出回っていない」ということで、店側も買取準備金650万円を持ってくるほどの気合いの入れようだ。
まず、9万5000円の買取予想価格だったカードは、「きれいに使われてたんですね」と、そのまま9万5000円の査定に。続けて、3000円×4枚、5000円、2万円、16万円と高額査定が続出する。
そんな中、依頼者の彼女が帰宅。カード売却について聞いてみると、「ほんまに大切にしているのはわかるので、それを手放してまでというのは、真剣に考えてくれてるんやろうなって」と、依頼者の思いを汲み取る。
査定にかかった時間はなんと5時間、合計額は……45万円! 依頼者はそのお金を握りしめ、彼女への思いを伝える。「僕がナイトスクープに応募したのは、このカードを売ってお金を作ることもあったけど、正式にもう一度『結婚してください』っていう申込みをしたくて。45万円できたし、いろいろしてあげられる」。
これに彼女は、「16万円のカードが出てきて、私のほうを見て『いろいろ買ってあげられる』って嬉しそうな顔をした時に、すごくうれしかった。お互い半世紀ほど生きてきて、今からスタートしていく中で、ゆっくり時間をかけて一緒にいられるだけでいいから、今すぐ何か買ってほしいとかはないんです。『街を歩くだけで楽しいね』って言ってくれるでしょ?それだけでいいので」と回答。人生の辛酸をなめつくした彼に出したのは、心優しき結論だった。
この模様を見届けたスタジオからはすすり泣きが聞こえ、顧問のDREAMS COME TRUE・中村正人は「ああいうのを見ると、“人生はここからだ”っていう気持ちがいつでも大事だと思いますね。感動しました」とコメント。一方、局長代理の麒麟・田村裕は、VTR中で流れた楽曲『未来予想図II』に関して、「グッと涙を堪えていたところで、顧問が『ウチの曲をありがとうございます』って」と明かし、笑いを誘っていた。