『探偵!ナイトスクープ』(テレビ朝日系)が3月14日に放送され、「庭に埋まっている焼酎を掘り出してほしい」という依頼を調査した。
視聴者から寄せられた依頼にもとづいて、探偵局長が部下の探偵たちを野に放ち、世のため、人のため、公序良俗・安寧秩序を守るべく、この世のあらゆる事どもを徹底的に調査追求する同番組。今回の「亡き祖父が庭に埋めた焼酎」は、鹿児島県の男性(33)から寄せられた次のような依頼だ。
「祖父は、よく自宅の庭に焼酎の一升瓶を埋めていました。長期間埋めた焼酎はとても美味しくなるからです。6年前、84歳で健在だった祖父から、「歳をとって体力がなくなったので、焼酎を掘り出してほしい」と言われ、4本の焼酎を掘り出し、家族みんなで美味しく飲みました。そして、祖父から「次は88歳の米寿の記念で飲みたいから、その時に残りを掘り出してほしい」と頼まれたのです。しかし、祖父は米寿直前の87歳で亡くなってしまい、約束を果たすことはできませんでした。家族が集まると焼酎の話になるのですが、「掘り出したいけど、場所がわからないからなぁ」ということで終わってしまいます。実は、家族の誰も庭のどのあたりに埋めてあるのか、何本の焼酎が埋まっているのかを、祖父から聞いていなかったのです。あの美味しい焼酎をみんなで飲みながら、祖父へ感謝の気持ちを伝えたいので、協力をお願いできないでしょうか』
祖父宅を訪れてみると、2011年、2012年、2014年に埋めた計19本のメモが残っていた。そして、直筆で「父ちゃんは、美酒を追求するマニアである。10年後の美酒を夢見て、79歳3カ月の現時点で地中に埋めた。果して自分が飲めるか否か?興味津々である。叶わなかった場合は我が家の自然遺産である」とのメッセージも。
しかし、中庭は広大で、草木もボーボー。石田靖探偵は「ちょっと待って、広すぎるやろ!笑いごとじゃない」と、この先の厳しい戦いを想像する。
依頼者の家族、親戚、同級生たち計12人に参戦してもらい、捜索を開始。しかし、掘り返しても何も出てこない。さらに専門家を招聘し、電磁波で地下埋設物を探査する「エスパーR」や重機も投入するが、見つかったのは空のビール瓶や看板、コンクリートばかり。
夜も更けて諦めかけた時、6年の掘り出し時に立ち会っていた依頼者の姉が「(探査機で)反応は出なかったんですけど、前に埋め戻した場所を掘っていただけないか」と最後の望みを託す。
その場所を重機で掘り起こしてみると、何やらプラスチックの素材のものが姿を表した。周囲を手で掘ると、ゴミ箱を逆さまにした状態であることが判明。“フタ”を外してみると、中には3本の焼酎が埋まっていた。
しかも、これらはメモにはなかった2006年に埋められた焼酎。思わず涙が溢れた依頼者は、祖父の遺影の前で報告するとともに、「美味しい…!」と掘り出した焼酎をみんなで堪能していた。