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あこがれの歌姫、ナラ・レオン。 TBSアナウンサー・吉村恵里子 #3

  • 2025.3.20

ボサノバを知るうえで欠かせないアーティスト、続いてはナラ・レオンです。

私は幼少期から家でクラシックやジャズ、ボサノバが常に流れている家庭で育ちました。当時はアーティスト名も、歌詞の意味も知らず、それでも一番口ずさんでいたのがナラ・レオンのアルバムでした。

ブラジルの資産家の娘として生まれたナラ・レオンは「ボサノバのミューズ(女神)」と言われています。

ブラジルの「コパカバーナ」にあったナラの家には、若手の音楽仲間が自然と集まっていたそうで、そこでボサノバが育っていったのかもしれません。ナラは社会派歌手としても活動しており、政治批判を強めたことでブラジル政府に追われ、パリに亡命。脳腫瘍のため46歳の若さでこの世を去りました。(ちなみに1月19日はナラの誕生日で、松任谷由実さんや宇多田ヒカルさんも同じ日です。)

私が愛するアルバム「ナラ・レオン/Meus Sonhos Dourados(あこがれ)」。

ナラの優しい低音ボイスには哀愁があり、彼女の人柄は感じられず、むしろどこか淋しさや冷たさが伝わります。

力が抜けていく、しっとりとした、“じれったさ”すらあるナラの声が大好きです。

幼い頃から近所の映画館に通っていたというナラの、映画への想いが詰まった名盤で、ナラが描く音楽の中に私たちもいるような感覚になります。

とある老舗ジャズ喫茶を訪れた際、控えめの照明で、レトロな雰囲気、そして木製のテーブルや大型スピーカーから流れるジャズに耳を傾ける感覚は、由緒ある映画館を連想させ、ナラの想いを感じさせてくれた気がします。

ちなみにここのバー、あらゆるレジェンドたちがここを訪れ、サインを残しているのです。

ジャズピアニストのビル・エヴァンスやチック・コリアなどなど……興奮冷めやらぬ夜になりました。

edit : Sayuri Otobe

TBSアナウンサー 吉村恵里子

1999年生まれ大阪府堺市出身。2022年上京し、TBSテレビに入社。現在、『THE TIME‘』、『ひるおび』、『ラジオ 土曜朝6時 木梨の会』、『Nスタ』を担当。幼少期から歌、音楽が好きで大学からボサノバ弾き語りを始める。Instagramのリールで弾き語り動画を掲載中。動画の撮影場所は響きがいい実家の玄関。

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