キリスト教最高機密のベールに覆われた“コンクラーベ”の内幕を描く極上ミステリー『教皇選挙』が3月20日(木・祝)公開となる。英国を代表する名優レイフ・ファインズ主演の本作は、アカデミー賞4冠に輝いた『西部戦線異状なし』(22)のエドワード・ベルガー監督最新作。現地時間3月2日に開催された第97回アカデミー賞では作品賞、主演男優賞など主要部門を含む8部門でノミネートされ、脚色賞でオスカーを獲得。すでに世界興行収入1億ドルを突破している話題作だ。
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日本公開に先駆け開催された試写会では、鑑賞した映画ファンから「まさかこんなに面白いとは。多様性そのものを描いた凄い物語」「鑑賞中、何度か驚きの声が出そうになった。極めつきは衝撃のラスト。絶対映画館で見るべき作品」「上質なミステリー。素晴らしい映像美。ベテラン俳優達の見事な演技」「今年のベスト入り確実!」など絶賛のコメントが挙がっている。MOVIE WALKER PRESSでは、映画公式X(旧Twitter)にて実施中の「#教皇選挙に一票」感想投稿キャンペーンに投稿された観客たちの声をピックアップしながら、作品の魅力をひも解いていく。
カトリック教会の最高指導者・ローマ教皇が急逝。教皇からの信頼が厚かった首席枢機卿のローレンス(レイフ・ファインズ)は、新たな教皇を選ぶコンクラーベ(教皇選挙)を執り仕切るため準備に取りかかる。厳戒態勢が敷かれるなか、世界各地から100名あまりの有力な候補者たちがバチカンに集結。システィーナ礼拝堂の閉ざされた扉の内側で投票が始まり、新教皇の候補として、ローマ教皇の遺志を継ぐリベラル派のベリーニ枢機卿(スタンリー・トゥッチ)、教皇が急死する直前に2人の間でトラブルがあった様子のトランブレ枢機卿(ジョン・リスゴー)、教皇に批判的な態度を示していた伝統主義のテデスコ枢機卿(セルジオ・カステリット)、史上初のアフリカ人教皇になる可能性があるアデイエミ枢機卿(ルシアン・ムサマティ)、そして、教皇から新たに枢機卿に任命されたばかりのベニテス(カルロス・ディエス)が浮上する。しかし、この誰もが暴露されれば教皇への道を失うほどの秘密を抱えていた。新教皇の座を狙う枢機卿たちは、ほかの候補者たちを蹴落とすため、大勢の前でスキャンダルを露にする者や、人種や言語の違いを理由に伝統の途絶を吹聴する者が現れ、厳かな空気のなかで、次々と秘密や目論みが明かされていく―。
「驚愕としか言いようのないラストに『ええっ?嘘でしょ?』と思わず劇場内で叫んでしまった!とんでもない傑作である」
「脚本が秀逸で大人のサスペンスとしてよく出来ている。メッセージ性もあって、これは傑作です」
「あっという間に時間が過ぎました…!選挙番組を見ているような緊張感でハラハラ。陰謀や策略が忠実に描かれていて実にリアル。そしてラストはまさかの展開でびっくり」
「候補者の色々な人間模様が暴かれ、誰になるのか?誰がふさわしいのか?一緒に考えてしまうおもしろさがありました」
「宗教的な話ではなく、ミステリーとして楽しめました!候補者の秘密が暴かれたり、足を引っ張りあったり。神秘的な教皇選挙の舞台裏シーンを盛り上げるカメラワークや映像にも惹かれました!」
コンクラーベは“根比べ”だった!完全非公開の教皇選挙を再現
「コンクラーベ」とは、ラテン語で“秘密の場所”を意味することば。「コンクラーベってこんな風にするんだ」「選挙の仕組みがわかっておもしろかった」「私たちが知る由もない教皇選挙の実像を見た気がした」「コンクラーベの“根比べ”感たるや」と、この秘められた儀式の全貌に驚きの声が挙がっている。全世界に14億人を超える信徒を持つキリスト教最大の宗派、カトリック教会のトップを決める選挙の行方に世界中が注目するなか、枢機卿たちは外部から遮断されたシスティーナ礼拝堂で、投票総数の2/3以上の票を得る人物が出るまで何日もかけて投票を繰り返す。静まりかえった礼拝堂で、100人を超える枢機卿が黙々と投票用紙に候補者の名前を書き続ける姿は、まさに“根比べ”。完全非公開で行われるコンクラーベを再現した映像はもちろん、次々に明らかになる陰謀やスキャンダルの影響で票の行方が目まぐるしく変わりゆくスリリングな展開からも目が離せない!
「知識はあっても見る事が叶わない世界。実際はこんな風に行われるのか!ととても興味深かった」
「発言の印象で1票に反映されるリアルさ。生々しく投票がなされ、差別から多様性まで描かれるラスト。現代的な印象も十分に感じられる映画!」
「同じ面子で必要数集まるまで何日も選挙するって驚き。予想を裏切られたし、緊張感で肩が凝りました(笑)」
「宗教の世界でも裏工作があるとは…時代の変わり目だからこそ新しい考えの教皇が必要なのだと思った」
「ただトップを選ぶ選挙ではなく、自分や世界の出来事も考えさせられる内容」
新教皇になるのは誰…?ベテラン俳優たちの演技合戦に翻弄される
そして特筆すべきは、熟練の俳優たちによる白熱の演技合戦だ。高位に在る聖職者でありながら、手段を選ばず教皇の座の争奪戦を繰り広げる枢機卿たちを体現している。観客からも「レイフ・ファインズの演技に魅入ってしまう」「ベテラン俳優達の見事な演技」「レイフ・ファインズの呼吸音と共に映画を物語っていた」と高く評価されている。主演は本作のほか、『シンドラーのリスト』(94)や『イングリッシュ・ペイシェント』(97)でもオスカーにノミネートされ、「ハリー・ポッター」のヴォルデモートや「007」のM役でお馴染みのレイフ・ファインズ。信仰に迷いを抱きながらも、厳正な態度で選挙を執り行う首席枢機卿のローレンス役を温かなまなざしで熱演している。ローレンスが推すリベラル派の枢機卿ベリーニ役には『ラブリーボーン』(10)でアカデミー賞助演男優賞にノミネートされ、『プラダを着た悪魔』(06)のナイジェル役でお馴染みのスタンリー・トゥッチ、ローレンスを支えるシスター・アグネス役には本作でアカデミー賞助演女優賞に初ノミネートされたイザベラ・ロッセリーニ、策略家トランブレ役に『インターステラー』のジョン・リスゴーほか、演技派、個性派俳優が集結。絶妙なコンビネーションで、全米俳優組合賞(SAG)、パームスプリングス国際映画祭やフロリダ、ヒューストン、ニューヨークほか多くの映画批評家賞などでアンサンブル演技賞にも輝いた。
「若い頃から大好きなレイフ・ファインズが主演。 歳を重ね深く重みのある演技は流石」
「ベテラン揃いなので何度も現れるドアップ表情芝居の素晴らしいこと…最高…」
「スタンリー・トゥッチやジョン・リスゴーなども秀逸」
「イザベラ・ロッセリーニは出演時間が短いと聞いていたが、それを感じさせない存在感はオスカー候補も納得」
「レイフ・ファインズがとても良かった。その後の彼等の話も見たいなーと思った」
「演技がとにかく凄まじく、そのうえ全く予想の付かない展開で本当に楽しかった」
見ごたえたっぷり!まるで絵画のような美術装飾・衣装に引き込まれる
バチカンを舞台に繰り広げられる本作は、当然ながらバチカンでの撮影が許可されないため、撮影はイタリアを代表する老舗映画スタジオであるローマのチネチッタ・スタジオで敢行。驚くべきことにシスティーナ礼拝堂をはじめ、枢機卿たちが宿舎として利用する聖マルタの家や庭園など、教会施設はすべてセットで再現されている。偶然にもスタジオの倉庫には過去に作られたシスティーナ礼拝堂のレプリカが残されており、美術チームは、かつてセットの制作に携わった地元の職人たちを招き10週間かけてセットを再構築。豪華な天井画や壁、品のよい家具や調度品など細部にわたるまで美しく再現されている。そして、赤を基調としたキャソックなど衣装の色合いや質感も高く、美術や衣装デザインでアカデミー賞にノミネートされたのも納得のクオリティ。幻想的な撮影を含め、コンクラーベやイタリアの歴史を体感させられる世界観も本作の大きな魅力である。
「建物も衣装も本当に綺麗。もう一度じっくり見たくなった」
「真っ白な建物に真紅の衣装が映える。豪華絢爛たる密室劇」
「全編が動くバロック絵画のように猛々しく、神々しく、総毛立つほどカッコいい」
「アートを観ているようでした」
「冒頭から映像と音楽の美しさに引き込まれ、まるで絵画のように一つ一つのシーンが印象的」
クライマックスに向け急展開が加速していく本作。予測できないコンクラーベの行方はもちろん、選挙を通して描かれる人間模様やバチカンの歴史を震撼させる “事件”の勃発、そしてラストに待ち受ける衝撃と感動。「臨場感がたまりませんでした!」「ラストに釘付けになる」「ずっとドキドキする感覚の映画」「枢機卿たちを恐る恐る覗き見する感覚」「深く響く音楽と息遣いが聞こえる静けさ、環境音の使い分けがとんでもない!緊張感を正しく受け取る為に、ぜひ映画館で外界から隔離されてきてください」など観終えたあと、自分もコンクラーベに参加していたような没入感を味わえる作品だ。多くの絶賛の声が集まる本作を、ぜひ劇場の大画面で味わってほしい。
文/神武団四郎