スクワットは下半身を鍛える代表的な筋トレです。太ももやお尻、ふくらはぎなどを効率よく鍛えられるため、筋力アップや代謝の向上に効果的です。
しかし、間違ったフォームで行うと、効果が半減したり、膝や腰を痛める原因にもなります。この記事では、スクワットの効果や正しいフォーム、やり方について解説します。
スクワットの効果とは
大きな筋肉が鍛えられ、効率よく筋力アップできる
スクワットはおもに、下半身を鍛えるフリーウエイトトレーニングです。 “筋肉BIG4”と呼ばれる大きな筋肉(胸・背中・腹筋・太もも)が鍛えられるため、効率よく筋力アップを狙うことができます。
筋力が増えると基礎代謝も上がるため、食べても太りにくくなる、日常の消費カロリーが増えるなど、ダイエットにもうれしい効果が期待できます。
下半身の柔軟性を高める
下半身の柔軟性と安定性、足の筋力も身につくため、ランニングをする人にもおすすめです。
ケガ予防として、運動前の動的ストレッチに取り入れるアスリートも少なくありません。
マラソンランナーも「筋トレ」をやるべき理由とは。高重量×低回数トレーニングで効果的に筋肉をつける
スクワットはどこに効く? 鍛えられる筋肉部位
スクワットでは、おもに以下を鍛えることができます。
- お尻(大臀筋)
- 太ももの前側(大腿四頭筋)
- 太ももの裏(ハムストリングス)
- ふくらはぎ(ひふく筋・ヒラメ筋)
- 背中(脊柱起立筋)
スクワットの正しいフォームとやり方
スクワットのやり方
1.足を腰幅に開き、つま先は膝と同じ向きにする
2.お尻を後ろへ突き出すように、股関節から折り曲げる
3.太ももが床と平行になるまで下ろしたら、ゆっくりと元の姿勢に戻る
15回×3セット行いましょう。膝がつま先よりも前に出ないよう注意します。
スクワットは何回やれば効果的? おすすめの回数
「スクワットチャレンジ」など、連続で何十回も行うエクササイズがSNSにアップされることもありますが、膝に負担がかかり、故障の原因にもつながりかねません。
崩れたフォームで何十回も行うより、正しいフォームで15回×3セット行うほうが効果的です。
ダイエットが目的の場合
8〜12回程度で、限界を迎える負荷設定で行いましょう。
筋力向上が目的の場合
3〜7回程度で限界を迎える負荷設定で行いましょう。
トレーニングチューブやダンベル、バーベルなどで負荷を高めて強度調整するのもよいでしょう。
筋持久力をつけたい場合
13~20回程度で限界を迎える負荷設定で行いましょう。
下半身が筋肉痛になったらトレーニングはお休みするか、別の部位を鍛えるようにします。
スクワットをすると腰が痛い!なぜ腰にくる?原因と対処法[重症膝痛専門整体師監修]
スクワットの効果が出ない「ダメなやり方」
NG1 膝がつま先より前に出ている
骨盤が後ろに傾いた、猫背状態になっています。スクワット前に肩甲骨まわりをほぐすストレッチをし、頭の後ろに手を添える姿勢で行うと、猫背になりにくいでしょう。
また、太ももの裏(ハムストリングス)やお尻(大殿筋)が硬く、膝や足首などの関節に負担をかける姿勢になっているので、あらかじめ足首・ふくらはぎをほぐしておくとよいでしょう。
初心者のうちは、膝がつま先より前に出ていないか、姿勢が猫背になって崩れていないか、鏡を見ながら確認しましょう。
NG2 膝から動いている
膝を意識して折り曲げると、単なる屈伸運動になってしまいます。また、膝に無駄な力が入ると膝を壊す原因にもなります。
必ず「股関節から」を意識しましょう。
よく言われるのが「椅子にお尻をちょこんと乗せるイメージ」です。実際に椅子を後ろに用意し、浅く立ち座りを行うと動作が掴みやすいでしょう。
NG3 つま先が上がる、足元がぐらついて安定しない
骨盤が前に傾き、上半身も前に倒れやすい姿勢となっています。
また、足首・ふくらはぎの筋肉が硬いことで、股関節に負担がかかりがちです。足指をほぐしたり、足指を反らしたり曲げたりすることで、ぐらつきも少なくなります。
スクワットの効果が出ない“NG”なやり方【筋トレ初心者あるある】
スクワットが物足りなくなったら? 負荷を高める方法
自重スクワットに慣れたら、以下のテクニックに挑戦してみましょう。
セット間の休憩時間を短くする
インターバルを10~30秒くらいにしてみましょう。
できるだけ大きく動く
可動域を大きく使ってトレーニングを行うことで、筋肉全体に負荷がかかり、力を発揮している時間も長くなるため負荷が高まります。
可動域ストレッチは、スクワットだけでなくどの筋トレにも有効です。
筋トレ効果をもっと高めたいときに。可動域を広げる自重トレーニング3選
スクワットのアレンジメニュー
ここからは、スクワットの人気アレンジメニューを紹介していきます。
ワイドスクワット
鍛えにくい筋肉のひとつである内ももが鍛えられる「ワイドスクワット」。
筋力向上による基礎代謝のアップや、股関節の可動域を広げ、怪我予防にも効果的です。また、心肺機能の向上も期待できます。
ワイドスクワットの正しいやり方
1. 肩幅よりも広めに、外に約45度向けて足幅を取る
2. 直立した姿勢で胸の前で手は合掌する
3. 腰はゆっくりと下げていく
4. 太ももが膝と平行になるまで下げていく
実施回数
15回×3セット
鍛えられる筋肉(場所)
・大腿四頭筋
・大臀筋
・腸腰筋
ブルガリアンスクワット
大臀筋などの下半身が鍛えられるトレーニング「ブルガリアンスクワット」。通常のスクワットとは異なり、片足で行なう負荷を高めた自重スクワットになります。
ブルガリアンスクワットの正しいやり方
1.イスから60~90cm離れ、後ろ向きで立つ
2.イスに足先か足の甲を乗せ、反対側の脚は前に出す
3.背筋を伸ばし、ゆっくりと前方の脚を曲げていく
4.90度まで曲げたら、元の姿勢に戻す
実施回数
左右 各10回×3セット
鍛えられる筋肉(場所)
・大臀筋
・大腿四頭筋
・ハムストリング
・内転筋
ブルガリアンスクワットの正しいやり方|どこに効く?効果と回数、NG動作
スプリットスクワット
下半身を鍛えるトレーニング「スプリットスクワット」。
ランジなどとは異なり、前側の足に刺激を与えるメニューとして、ハムストリングスから大腿四頭筋にかけて効果的に鍛えられるトレーニングです。
スプリットスクワットの正しいやり方
1. 背筋を伸ばして、足を前後に片足ずつ肩幅分開く
2. 前足に体重をかけて膝を曲げて腰を落としていく
3. 限界まで腰を落としても膝がつま先より前に出ないようにする
実施回数
左右 各15回×3セット
鍛えられる筋肉(場所)
・大腿四頭筋
・ハムストリングス
・大臀筋
・内転筋
ジャンピングスクワット
基礎体力の向上と下半身を中心に鍛えられる「ジャンピングスクワット」。人気の筋トレ「スクワット」を応用したトレーニングです。
ジャンピングスクワットの正しいやり方
1. 肩幅よりも少し広めに足を開く
2. 膝を曲げて腰を下げて、腕は肩からまっすぐ前に出す
3. 膝の角度が90度になるように意識する
4. ジャンプして体を上げる際に、腕の振りを使い、つま先で地面を押し上げる意識で行う
実施回数
15回×3セット
鍛えられる筋肉(場所)
・大腿四頭筋
・脊柱起立筋
・大臀筋
・ハムストリング
サイドスクワット
太もものシェイプアップやヒップアップなどが期待できるトレーニング「サイドスクワット」。普段鍛えにくい部位へアプローチすることで基礎代謝が上がり、脂肪燃焼などに効果的です。
サイドスクワットの正しいやり方
1. 背筋を伸ばして立ち、肩幅より広く足を開く
2. 両腕を前に伸ばし、腰を落としながら片方の膝を曲げていく
3. 左右交互に曲げていく
実施回数
10回×3セット
鍛えられる筋肉(場所)
・大腿四頭筋
・内転筋
・大臀筋
・ハムストリング
・下腿三頭筋
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<Text&Photo:編集部>