日本の伝統色を知る
日本の伝統色「蘇芳香」とは……
蘇芳香は、蘇芳の赤に黄を混ぜて出したような紅褐色。「香」という字が付くのは、元々は香りの良い丁子と蘇芳を使って染めたことに由来します。しかし、丁子は非常に高価だったため、代用品として支子(くちなし)と紅花が用いられ、さらに紅花の代わりに蘇芳を使った染色が行われるようになりました。これが「香染」と呼ばれるもので、色の濃さによって「濃き香(香)」「中香(香染・丁子染)」「淡き香(香色)」に分類されます。
蘇芳香 = すおうこう
平安時代の襲の色目にも使われ、「表が蘇芳、裏が黄」という華やかな組み合わせが特徴です。「蘇芳香」はすおうこうと読みます。
DIC 日本の伝統色:R169 G99 B96 #A96360/蘇芳香(すおうこう)
「日本の伝統色を知る」とは
美しい日本の伝統色、その漢字の読み方、色の背景なども合わせてご紹介していきます。いにしえから紡いできた日本の感性をともに味わってみましょう。
参考図書:「美しい日本の伝統色」PIEインターナショナル刊、「365日にっぽんのいろ図鑑」暦生活著 玄光社刊