Text by 石井彰(編集部)
サッカーはフィジカルの戦いのみならず、ボールを扱う技術が要求されるスポーツである。ときに体格と筋力のみでプレーできる選手もいるが、それに加えて足元のテクニックがあれば百人力である。
今回は『GMS』から「非常に大柄な体格を持ちながらも繊細なボールタッチを備えていたストライカーたち」をご紹介する。
マリオ・マンジュキッチ
国籍:クロアチア
身長:190cm
バイエルン・ミュンヘンやアトレティコ・マドリー、ユヴェントスなど様々なビッグクラブでプレーしたマンジュキッチ。190cmを超える体格を持ちながらも、最高レベルの舞台で類稀なるユーティリティ性を見せていた選手であった。
ストライカーでも得点を狙うと同時に周囲のチームメイトを生かすための動きをこなし、サイドハーフとしてもプレーすることができ、さらに守備での貢献を求められればゴールへのこだわりすらも捨てることができた。
常に相手のディフェンダーの裏をかくことを考えながらも、重要な場面では味方のために身を粉にして働き、チーム全体の流れも重要視した。
エディン・ジェコ
国籍:ボスニア・ヘルツェゴヴィナ
身長:193cm
エディン・ジェコは、そのキャリアを通じて、プレミアリーグ、セリエA、ブンデスリーガなど、欧州のトップリーグの様々なクラブで実績を残してきた。彼のプレースタイルは決して華麗なスピードを武器にするものではないが、代わりにタイミングとポジショニング、そして確実なフィニッシュ力など技術面が光っている。
左右両足を使えるテクニシャンとして知られている上、空中戦ではその高さと強靭な体格で常に相手にプレッシャーをかける。一歩先を読んだ動きでスペースを作り出し、巧みなタッチでゴールネットを揺らす姿は、サポーターを魅了してやまなかった。
オリヴィエ・ジルー
国籍:フランス
身長:193cm
オリヴィエ・ジルーは、フランス代表選手としても一時代を築いた「世代最強のポストプレーヤー」である。華麗ではなかったかもしれないが、安定した技術と体格の両面を活かして相手を手玉に取り、味方に数多くのチャンスを生み出してきた。
ゴールは多くはないものの、頭でのフィニッシュ、両足でのシュート、さらにはペナルティーでの決定力も兼ね備えている。常に冷静さを保ち、試合の流れを読み取る知性が光っていた。このようなプレースタイルは、今の時代の選手にはなかなか見られないものだ。
ピーター・クラウチ
国籍:イングランド
身長:201cm
ピーター・クラウチはサッカー界において異色のストライカーであった。マッチ棒のような細さを持った2m超えの身長、そしてとてつもなく長い脚を器用に使ったテクニック、そして背の高さを活かした空中戦の強さ。彼のようなタイプは他にいなかった。
彼の足元のテクニックは他の大柄な選手にはなかなか見られないもので、パスを受けた瞬間のボールコントロールや、相手ディフェンダーをかわすドリブルは、まるで小柄な選手のような俊敏さをも感じさせた。
ズラタン・イブラヒモヴィッチ
国籍:スウェーデン
身長:195cm
自称「神」とまで豪語するズラタン・イブラヒモビッチは、現代サッカー界で最も個性的で破天荒なストライカーだ。彼はその卓越したテクニックと、場面を選ばず決定力を発揮するスキルで、世界中のファンを魅了してやまない。
常に予測不可能で、ディフェンダーたちが対応に困るような独創性があった。40ヤードからのハーフボレーや、アンダーヘッドキック、そして狭いスペースでの華麗なドリブルなど、彼の技は数多くの名シーンとして記憶に刻まれている。
彼が所属したクラブは、バルセロナ、マンチェスター・ユナイテッド、パリ・サンジェルマン、そしてACミランなど、欧州のビッグクラブばかり。その実績はタイトルの山となって現れている。