Mrs. GREEN APPLEの大森元貴とtimeleszの菊池風磨がダブル主演を務めた映画『#真相をお話しします』(4月25日公開)の「#映画の完成をお披露目します」と題したレッドカーペットイベント&完成披露舞台挨拶が3月17日にTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、大森と菊池をはじめ、中条あやみ、岡山天音、福本莉子、伊藤健太郎、柳俊太郎、田中美久、齊藤京子、原嘉孝、伊藤英明が出席。レッドカーペットの敷かれた大階段に、晴れやかな笑顔で登場した。
ミステリー界の新星、結城真一郎が2021年に発表し、第74回日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞した短編「#拡散希望」、そして翌2022年に「#拡散希望」を含む5篇を収録した「#真相をお話しします」を原作とした本作。あるビルの警備室で知り合った桐山と気が合い、共に話題の生配信チャンネル「#真相をお話しします」を楽しむ存在自体が謎めいた男、鈴木役を大森。過去に秘密を抱える警備員の桐山役を、菊池が演じた。舞台挨拶には豊島圭介監督も出席した。
強風のなか、レッドカーペットを歩いた登壇者陣。大森は「僕にとっては初めての主演映画。わけがわからない規模で行われていることですが」と正直に打ち明けつつ、「完成してお届けする最初の日を迎えることができて、とても感慨深く、ありがたい気持ちでいっぱいです」としみじみ。「テレビで見ていた人たちです。ありがとうございます」と豪華共演者を見渡して、会場を笑わせた。菊池も「私ごとながら、初主演。大森くんとダブル主演させていただけたこと。今日来られなかった方もたくさんいらっしゃいますが、本当にステキな座組でこのようなめでたい場となり、非常に感謝しています」と感無量の面持ちを見せていた。
この日のイベントのタイトル「#映画の完成をお披露目します」は、映画初主演でダブル主演を務めた大森と菊池が考案したとのこと。舞台挨拶の当選倍率は140倍にも及んだという。ネタバレ厳禁の作品となるため役名すら明かせない人も多く、菊池は「異常事態ですよね」とにっこり。大森は「初めての完成披露なので、これが不思議なのかもわからず。でも異様な空気が漂っている」と笑顔で同調しつつ、「初めての感情というか、初めての気持ちです。すごく高揚していますし、同時に緊張していますし、信じられないような気持ち」と慣れない映画お披露目の場への心境を吐露。「僕自身も大好きな映画なので、皆さんに届くのがただただ楽しみ」と語った。
ダブル主演を務めた大森と菊池が、お互いの印象を明かす場面もあった。大森は「菊池風磨ですから。テレビで見ていた人。おもしろい人だと思っていた」と微笑みながら、「そうしたら結構シャイで。かわいいところもある。お芝居では自然とキャッチボールができた。懐深く迎えてくださって、僕はのびのびとさせていただいた。嫌な思い出がひとつもないのは、本当に風磨くんのおかげ」と感謝を伝えた。一方の菊池も「僕ものびのびとやらせてもらいました」と大森と顔を見合わせ、「いろいろなこだわりや自分のルールがあるのかなと思ったんですが、すごく柔軟で器用。2か月前まで違う作品を撮っていたんじゃないかと思うくらい(芝居がよかった)。『僕、お芝居とか全然やっていなくて』と言ってくれていたんですが、嘘をつかれたなと思う」とお茶目なコメントを交えつつ、大森の演技を絶賛。「すごく刺激をもらいました」と充実の時間を過ごしたと話した。
timeleszの新メンバーとなった原は、「タトゥーの男を演じました」と役柄を紹介。ネタバレに気をつけながら映画の見どころをアピールすることになると、「サスペンス」と本作を表現しながら「あれ、これはダメなのか?ミステリー?」とNGに触れてしまったのかと心配して、これには菊池が「ヤバいんじゃない?」とツッコミ。息の合ったやり取りに会場からも笑いが起きるなか、原は「推理しながら観たんですが、どんな短いセリフでも実は伏線だったりする。集中して、耳をかっぽじ歩いてください」と新たなワードを生みだして、再び会場は大笑い。続けて「ワードに注目しながら、ぜひ推理していただきたい。推理していた側なんですが、物語が進むにつれて自分ごとのように感じてくる。それはこの作品のすばらしい力。自分を見つめ直すじゃないですが、そういう気持ちにさせられる作品だと思います」と熱を込めた。菊池は「かっぽじ歩くってなんですか?」と笑い、「集中して。いろいろなセリフにヒントがあるかもしれないよということですか」と解釈。原はその通りだとうなずいていたが、菊池は「グループで話し合います」とまとめ、その場を盛り上げていた。
さまざまな感想を持つような映画となっているようだが、大森は「百人百様(の受け取り方がある)というか、すごく気持ちいい映画だなと思った」と笑顔。菊池は「大森くんが言っていましたが、百人百様。二百人二百様かな。千人千様にする?」と大森を見つめ、大森が「いいのよ、そこは」と応じるなど、終始楽しそうな掛け合いを披露。豊島監督は「仕掛けに次ぐ、仕掛け。ワンカットにひとつずつくらい、違和感を仕込んでいる。俳優部の方々はいままで見たことがないような顔をされている。感動した」と熱っぽく話し、まだ解禁されていない情報も盛り込まれているとのこと。最後に大森が「ステキな映画になっています。ぜひ瞬きすることなく、耳をかっぽじ歩いて」と呼びかけると、「あまり上映中に歩いてほしくないですけどね。トイレ以外はね」と目尻を下げた菊池は、「明日からどんなふうにいろいろなことに向き合っていこうと、考えさせられる映画だと思います。誰かと一緒に来て共有していただいてもいいですし、ひとりで黙々と考えていただいてもいいと思います。皆様なりの楽しみ方をしていただきたい」とメッセージを送り、大きな拍手を浴びていた。
※柳俊太郎の「柳」は木へんに夘が正式表記
取材・文/成田おり枝