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アカデミー賞での歌唱も圧巻!『ウィキッド ふたりの魔女』アリアナ・グランデに夢中になる理由とは?

  • 2025.3.17

2011年にレコーディング歌手としてデビューして以来、ポビュラーミュージック界の頂点に立ち続けているアリアナ・グランデ。4オクターブの声域を持ち、圧倒的な歌唱力で世界を魅了している彼女が、『ウィキッド ふたりの魔女』(公開中)で俳優としてスクリーンに進出。これまでにもテレビシリーズや配信映画などの出演はあったが、今回は主演格で作品の看板を背負ってのチャレンジであり、これはもう注目せざるを得ない。

【写真を見る】アカデミー賞で圧巻の歌唱パフォーマンスを披露するなど抜群のコンビネーションを見せるアリアナ・グランデとシンシア・エリヴォ

なにしろ、ここに至るまでのグランデのミュージックシーンでの道のりは、華々しいという言葉がピッタリくる。これまでリリースしたアルバム7枚のうち、6枚を全米チャートのナンバーワンに送り込み、シングルチャートでは9曲のナンバーワンヒットを放っている。グラミー賞受賞歴は二度。インフルエンサーとしての支持もすさまじく、インスタグラムのフォロワー数は世界のトップテン内に常に位置している。日本での人気も高く、これまで三度の来日公演を行ない、いずれも成功を収めた。親日家としても知られており、日本語のタトゥーを入れていることも有名だ。

ポビュラーミュージック界の頂点に立ち続けているアリアナ・グランデが『ウィキッド ふたりの魔女』の主演格に [c]Everett Collection/AFLO

孤独なエルファバと陽気なグリンダ、正反対な2人がいがみ合いながらも強い友情で結ばれていく

さて、注目の『ウィキッド ふたりの魔女』に話を移そう。ブロードウェイを皮切りに世界中で上演され、日本でも劇団四季の公演で広く知れ渡ったミュージカル「ウィキッド」の映画化。すでに全米では4億ドルを超える、昨年の年間3位の興行収入を上げているばかりか、先日開催された第97回アカデミー賞では作品賞など10部門でノミネートを受け、うち2部門(衣装デザイン賞、美術賞)を受賞するクオリティの高さを証明した。グランデ自身も助演女優賞にノミネートされ、授賞式では主演女優賞候補となっていた共演のシンシア・エリヴォと圧巻の歌唱パフォーマンスを披露して絶賛されたばかりだ。

正反対なエルファバとグリンダが友情を育んでいく [c] Universal Studios. All Rights Reserved.

あらすじをざっと紹介。主人公は「オズの魔法使い」に登場したのちの“悪い魔女”エルファバ(エリヴォ)と“善い魔女”グリンダ(グランデ)で、正反対な2人の魔女の友情が描かれる。オズの国にある魔法学校の宿舎でルームメイトとなった2人だが、学内の人気者である陽気なグリンダと、緑色の肌ゆえに疎まれ孤立しているエルファバは、まさに水と油で最初はまったくソリが合わない。しかしある事件をきっかけに、そんな彼女たちの間に強い絆が芽生え、やがてオズの国の歪んだ現実に、共に向き合っていく。

魔法学校、シズ大学の人気者で陽気なグリンダ [c] Universal Studios. All Rights Reserved.

天真爛漫で天然なグリンダはハマり役!

映画ももちろんミュージカル仕立てなので、グランデにしてみればハマリ役だ。オープニングからしてスターのような輝きを放ち、オズの国の人々と共に歌って踊る。グリンダは常に取り巻きに囲まれており、スクールカーストがあるとすれば最上位の存在。とはいえ、高慢というよりは天真爛漫で、魔法を世のために役立てたいと思っており、一方では少々天然ボケなところがある。たとえば、エルファバと仲よくなった直後、陰キャの彼女を学校の人気者にしてあげようと画策。よかれと思ってしたことだが、単に普通に接してほしいエルファバには有難迷惑でしかないのがおかしい。

この場面でグランデが歌う「ポピュラー」は軽妙でチャーミング。実は彼女は、10数年前にこの曲と一度出会っている。デビューしてすぐにイギリスのシンガーソングライター、MIKAのアルバムで「ポピュラー・ソング」という曲をデュエットしているのだが、このナンバーは「ポピュラー」を改変したものだった。時を経て、オリジナル曲を映画のなかで歌うことになるのだから、因縁めいているというべきか。

エルファバ役シンシア・エリヴォとのデュエットはドラマチックでエモーショナル!

劇中ではエルファバ役であるエリヴォとのデュエットの見せ場も少なくない。ルームメイトとなった頃のいがみ合いソング「ワット・イズ・ディス・フィーリング?」では、学内の活気と相まって作品を賑やかに盛り上げている。また、先述のアカデミー賞授賞式でも歌われたクライマックスの「ディファイング・グラヴィティ」は楽曲だけでもドラマチックだが、映画のスペクタクル、そして両者のエモーショナルな歌声が一体となり感動的なフィナーレへと導く。

かくのごとく、アリアナ・グランデがスクリーンでも強烈なインパクトを与えた『ウィキッド ふたりの魔女』。彼女の大きなステップに注目しつつ、マジカルで楽しく、温かくもせつない世界に浸ってほしい。

【写真を見る】アカデミー賞で圧巻の歌唱パフォーマンスを披露するなど抜群のコンビネーションを見せるアリアナ・グランデとシンシア・エリヴォ [c]Everett Collection/AFLO

文/相馬学

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