竹野内豊主演の映画『雪風 YUKIKAZE』の公開日が8月15日(金)に決定。さらに、豪華共演陣が発表された。
【写真を見る】主演の竹野内が演じるのは、「雪風」の艦長でありリーダーシップと武士道を携えた寺澤一利
本作は、太平洋戦争の渦中から戦後、さらに現代へと繋がる激動の時代を背景に、懸命に生き抜いた人々の姿とその運命を、壮大なスケールで描く物語。平和な海が戦場だった時代、帰ることを夢見ながら戦い続けた兵士たちや、その無事を祈り、待ち続けた家族たちのドラマが描かれる。
タイトルとなっている「雪風」とは、太平洋戦争中に実在した一隻の駆逐艦の名前。「大和」や「武蔵」といった戦艦などに比べると、遥かに小型で軽量、高速で小回りの効く駆逐艦は、艦隊の前線に躍り出て魚雷戦を仕掛け、戦いの先陣を切るのが本来の役目だった。しかし太平洋戦争では、その機動性ゆえに、戦闘及び艦隊護衛に加え、兵員や物資の輸送、上陸支援、沈没艦船の乗員救助などに駆りだされ、“海軍一の働きもの”、“海のなんでも屋”として、数々の過酷な戦場で活躍。そして消耗し、次々と海に沈んでいった。主力だった甲型駆逐艦38隻のうち、激戦を生き抜き、沈むことなく、ほぼ無傷で終戦を迎えたのは、「雪風」ただ一隻。その戦いのなかでこの艦は、敵の攻撃で海に投げ出された他艦の兵士たちを、ときに敵味方関係なく救い続けたのだった。生きて帰り、生きて還すことが「雪風」にとって戦う意味だったのだ。
さらに戦後は「復員船」として航海を繰り返し、外地に取り残された人々、約13000名を日本に送り返し、200名強の乗員が、一度にその二倍三倍もの人々を救い、故郷に戻し続けた“縁の下の力持ち”としても知られる。その後も賠償艦として、連合国側に引き渡され、再び駆逐艦としての役割を果たすなど、まさに戦争の後始末を背負い続けた。そして大阪万国博覧会が開かれた1970年、日本の戦後復興を見届けるように、その姿は異国の海に消えていった。本作では、その勇姿が史実に基づいたフィクションとして甦る。
このたび、すでに発表されていた「雪風」艦長、寺澤一利役の竹野内豊に加えて、このたび、そうそうたる豪華共演陣の名が解禁。「雪風」の頼れる先任伍長、早瀬幸平役に玉木宏。これまで『真夏のオリオン』(09)や『沈黙の艦隊』(23)で艦長を演じてきた玉木が下士官、兵を束ねる役割として、荒っぽい駆逐艦乗りたちの兄貴分として、時に艦長ぶつかり合いながらも、階級の差を超えて信頼し合う先任伍長を演じる。
また、「雪風」の若き水雷員である井上壮太役に奥平大兼、早瀬幸平の妹である早瀬サチ役に當真あみ、寺澤一利の妻である寺澤志津役に田中麗奈、大日本帝国海軍、第二艦隊司令長官である伊藤整一役に中井貴一が決定した。その他にも、軍令部作戦課長である古庄俊之を石丸幹二、寺澤志津の父である葛原芳雄を益岡徹、「雪風」砲術長の有馬岩男を藤本隆宏、航海長の中川義人を三浦誠己、水雷長の佐々木伊織を山内圭哉、機関長の藤井道郎を川口貴弘、主計長の佐藤捨造を中林大樹、さらに「大和」艦長の有賀幸作を田中美央など、魅力的な実力派俳優たちが共演する。
早瀬幸平役の玉木宏は「映画『雪風』の脚本を読んだ際、『生きる』、『後世へつなぐ』という強いメッセージが込められていると感じました。私が演じた早瀬、そして、戦時下の日本を懸命に生きた人たちを通して、この映画に込められたメッセージを届けられるよう撮影に臨みました。日本は今年で終戦から80年という年月が経ちますが、世界の様々な国や地域では、いまなお紛争が起きており、決して遠い昔の話でも、他人事でも無いと思っています」と出演に関してコメント。
井上役の奥平大兼は「今回初めて戦争のことを描いた映画に参加させていただき、多くの学びがありました。『雪風』のことはもちろん、当時になにが起きていたのかなど、知らなかったことを知るきっかけになりました」、早瀬サチ役の當真あみは「この作品に参加させていただけたことで、『雪風』という駆逐艦について知る機会が出来ました。駆逐艦の使命を全うしながらも一生懸命に生き抜こうとする力強い姿に心打たれました。特に、私と同じ世代の方は、戦争についてあまり知らないという人もいると思います。この作品をきっかけに知っていただけるといいなと思います」とコメントしている。
2025年夏、80年前の海から、いまを生きる私たちへとメッセージを運ぶ『雪風 YUKIKAZE』。知られざる史実を基に、新たな視点で描かれる、最大級の感動作に期待が高まる。
＜キャストコメント＞
●玉木宏(早瀬幸平役)
「映画『雪風』の脚本を読んだ際、『生きる』、『後世へつなぐ』という強いメッセージが込められていると感じました。私が演じた早瀬、そして、戦時下の日本を懸命に生きた人たちを通して、この映画に込められたメッセージを届けられるよう撮影に臨みました。日本は今年で終戦から80年という年月が経ちますが、世界の様々な国や地域では、いまなお紛争が起きており、決して遠い昔の話でも、他人事でも無いと思っています。如何なる時も人を思い遣り、世界が、日本が、優しい気持ちで包まれ、平和な未来が創られますように」
●奥平大兼(井上壮太役)
「今回初めて戦争のことを描いた映画に参加させていただき、多くの学びがありました。『雪風』のことはもちろん、当時になにが起きていたのかなど、知らなかったことを知るきっかけになりました。そして僕が学んだ出来事を役を通して、この映画を見てくださる方々に伝えたい思いも強くあります。僕が演じた井上は、この映画をぜひ観ていただきたい若い方々と目線が近いと思っています。より多くの人たちに、この作品が届くことを願います」
●當真あみ(早瀬サチ役)
「この作品に参加させていただけたことで、『雪風』という駆逐艦について知る機会が出来ました。駆逐艦の使命を全うしながらも一生懸命に生き抜こうとする力強い姿に心打たれました。私が演じさせてもらったサチは、そんな駆逐艦に兄が乗船しており、そんな兄を思いながらも、自身も国の為にと働きます。この作品を観ていただく方に、改めて戦争とはなんだったのかを知ってもらえる作品だと思います。特に、私と同じ世代の方は、戦争についてあまり知らないという人もいると思います。この作品をきっかけに知っていただけるといいなと思います」
●田中麗奈(寺澤志津役)
「まずはこの映画に参加させて頂き、命の重さ、大切さを改めて感じることができましたことに感謝です。望む望まざるに関わらず時代に翻弄されながらも前を向き、必死に生き抜いてきた人々への尊敬の念を抱かずにはいられません。かつてこの国に戦争があったこと、そしていまも世界のどこかでなおも起こっているできごとから目を背けず、それを知ることの意義はとても大切だと感じています。たくさんの方々に映画を観て頂きながら改めて平和への想いを感じてくださる時間を過ごして頂ければ幸いです」
●中井貴一(伊藤整一役)
「『雪風』が持っていた幸運は、艦長や乗員たちとともに『雪風』自身が呼び寄せたものではないでしょうか。『戦いに行く』ということより、『人を救う』ことを考える艦は、やはり生き残るのです。人間もまた同じ。未だに、戦火が止むことのない時代。『雪風』は、我々にいろいろなことを教えてくれているような気がします」
文/鈴木レイヤ