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<べらぼう>稲垣来泉“かをり”ら女郎たちの涙と寛一郎“馬面太夫”の心意気に感動

  • 2025.3.17
涙する振袖新造・かをり(稲垣来泉) (C) NHK

【写真】エレキテルの研究をする源内(安田顕)

横浜流星が主演を務める大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」(毎週日曜夜8:00-8:45ほか、NHK総合ほか)の第11回「富本、仁義の馬面」が3月16日に放送。蔦重(横浜)が吉原で行われる祭りのために奔走する中、感動の展開が訪れた。(以下、ネタバレを含みます)

数々の浮世絵師らを世に送り出した“江戸のメディア王”の波乱の生涯を描く

森下佳子が脚本を務める本作は、18世紀半ば、町民文化が花開き大都市へと発展した江戸を舞台に、“江戸のメディア王”にまで成り上がった“蔦重”こと蔦屋重三郎の波乱万丈の生涯を描く痛快エンターテイメントドラマ。

蔦重はその人生の中で喜多川歌麿、葛飾北斎、山東京伝、滝沢馬琴を見い出し、また日本史上最大の謎のひとつといわれる“東洲斎写楽”を世に送り出すことになる。

蔦重の幼なじみの花魁・花の井(五代目瀬川)役で小芝風花、蔦重に影響を与える“希代の天才”平賀源内役で安田顕、幕府“新時代”を目指す権力者・田沼意次役で渡辺謙が出演。語りを綾瀬はるかが務める。

蔦重は吉原の祭りに馬面太夫を呼ぼうと奔走する

若木屋(本宮泰風)ら一部の女郎屋が蔦重の細見ではなく、鱗形屋(片岡愛之助)のものを仕入れると宣言する。そのうえ、蔦重は、鳥山検校(市原隼人)に身請けされて吉原を去った瀬川の最初で最後の絵を含む錦絵本「青楼美人合姿鏡」が高値で売れず頭を抱えていた。

そんななか、大文字屋(伊藤淳史)ら親父たちから俄(にわか)祭りの目玉に、浄瑠璃の人気太夫である馬面太夫こと富本豊志太夫/午之助(寛一郎)を招きたいと依頼される。俄祭りとは、歌舞伎のまねごとをする座敷芸から始まったもので、女や子供を呼び寄せて、吉原の評判を上げろというのだ。

大黒屋の女将・りつ(安達祐実)、義兄の治郎兵衛(中村蒼)と芝居小屋を訪れ、終演後に交渉しようとする蔦重だったが、過去に歌舞伎役者の市川門之助(濱尾ノリタカ)と共に吉原への出入りを禁じられた午之助は蔦重を門前払いする。

取り持ちを頼もうとした源内は、エレキテルの研究に夢中で話もきいてもらえず、浄瑠璃の元締めである鳥山検校の元に出向くが、力になってもらえなかった。

馬面太夫たちの芸に女郎が涙

行き詰まったかに思えたが、振袖新造(※若い女郎見習いのこと)・かをり(稲垣来泉)との会話から蔦重がひらめいた。

うその理由で馬面太夫と門之助を料理茶屋に呼び出した蔦重は、大文字屋、りつと共に過去の吉原での無礼を謝罪。そして、2人に会いたがっている者がいると蔦重。隣の部屋に控えていたのは、かをりをはじめとする女郎たち。

女郎たちのもてなしを楽しんだ馬面太夫と門之助に、蔦重は最後に「ほんの少しでいいので、女郎たちに富本をお聞かせいただけませんか」と頼んだ。快諾した馬面太夫は美声を響かせ、門之助は見事な踊りを披露した。

すると、女郎たちのすすり泣きが聞こえてくる。「こんな座興で…」と驚く門之助と馬面太夫に、蔦重は「慣れてねえんですよ。吉原の女郎は芝居を見に行けねえもんで。座敷芸で芝居や浄瑠璃に親しむもんの、幼い頃より廓で育ち、まことの芝居を見たことない者がほとんど」と説明。

そこで本題へ踏み込んだ。「吉原には太夫のお声を聞きたい女郎が千も二千もおります。救われる女がおります。どうか、女郎たちのためにも、祭りでその声を響かせてはくれませんか」と言う。

馬面太夫は、蔦重が頭を下げたと同時に「やろうじゃないか」と即答。「こんな涙見せられて、断れる男がどこにいる」というのだ。蔦重と花魁たちは笑顔になって喜んだ。

今回のように女郎が吉原外に出るのは特別なことだ。りつや大文字屋も関わっているからこそ、できたこと。そんな女郎たちの涙は、馬面太夫たちだけでなく、視聴者の胸も打った。SNSには「もらい泣きしてしまった」「思わず涙が」「女郎たちの無垢な涙が美しい」などのほか、「馬面太夫かっこいい」という声も寄せられた。

◆文=ザテレビジョンドラマ部

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