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バッグの中身を軽くする「あると便利3:なくても何とかなる7」40代の心構え【連載 #発酵適齢期】

  • 2025.3.17

こんにちは。ライターの高木沙織です。

働く女性のバッグの重さは、約3kg—というある調査結果をネット記事で読みました。3kgといったら、生後6~9ヶ月の猫さんの体重とほぼ同じ。もしくは小さめのスイカか、かぼちゃ2個分です。さて、これを重いととるか、軽いととるか。パッと持つだけならそこまで重くないけれど、持ち運ぶとなるとまた違ってくるから、そう考えると仕事バッグって重いよなぁ…。と、ふと自分のバッグの重さを量ってみると、まさかの6kg越え! 

無類の猫さん好きとしては、2ニャンも抱かせていただけるなんてありがたい! けれど、かぼちゃ4個は正直きつい…。怪我をしたことに気づいた途端、痛みを感じるのと同じように、リアルな重さを知ってしまったがゆえにより重たく感じるのはなぜなのか。

35回目の『発酵適齢期』、今回は「荷物の多さ」について。

でかバッグ愛用歴13年以上、「お金が貯まらない」認定をされる

1月の終わりのこと―。某出版社の撮影スタジオで、懐かしい再会を果たしました。遡ること13年と少し前、恐れ多くも女性誌の読者モデルをさせてもらっていたときにお世話になったカメラマンのFさんです。Fさんといったらもう、とろけるようなホワッホワな笑顔! そして温かいお人柄で、不慣れな撮影で緊張する私の引きつりまくった顔を緩めてくれた恩人です。

この日の撮影後、Fさんが「ねえ、こんなのがあったよ」と昔の写真を見せてくれました。柄にもなく懐かしい気持ちになり、帰り道に自分のスマホのカメラロールでも当時を振り返ります。そこで真っ先に飛び込んできたのは、囲み目メイク。アイシャドウとアイラインで目のまわりが黒々した自分の顔にアニメの悪役の姿が重なり、はたしてこれは正解だったのか…と、震える指先で画面をスワイプします。すると、あることに気づきました。

(どれもこれもバッグ…大きくない?)―と。

オフィス街でのファッションスナップや女子会のシーンなのに、私だけまるで1泊2日の旅行スタイル。どこで何をしているんですか?的なチグハグ感を醸し出しまくっています。そんな存在感抜群なバッグにはもちろん中身もぎっしりなので、重心が下がって重そうだし、見ているだけで疲れを誘発します。

そういえば、ライターさんから「大きなバッグにいろいろ詰めて撮影に来て」と言われたことがありました。これには、「いつも通りだけど、いいの?」と企画内容も話半分に迎えた当日―。

お金が貯まるバッグ、お金が貯まらないバッグ

私は後者で紹介されたのでした。ガビ~ン…(古)。何でもお金が貯まらない人の特徴には、荷物が多く、さらにはそれらを把握できていないがために無駄遣いをする傾向があるんだそう。フーン…。

大きなバッグの中に入っているのは、物だけじゃない

過去にお金が貯まらない認定をされた私ですが、現在もなお大きなバッグを使っています。

増え続ける荷物…これでも少ないほう

決してお金が貯まらないことに反発しているわけではなく、単純に荷物が多いのと、小さなバッグを持っていないからです。

では、具体的に何を持ち歩いているのか―。

まずは一般的と思われるところから、財布とスマホ、家の鍵。あとメイクポーチとハンカチ、ティッシュ、飲み物まではギリ荷物が少ない範囲でしょう。問題はここから。いや、勘のいい人はすでに「事は起こっている」とお気づきかもしれません。

長くなるので、駆け足でいきます。財布はミニサイズであるがゆえにカード類が入りきらず、カードケースと2個持ち(名刺入れ込み)だし、スマホは本体だけでなく充電コードとモバイルバッテリーもペア。イヤホンは、外出時に充電が切れるのが嫌なので有線タイプ。家の鍵には、キーホルダータイプの防犯ブザーと災害時用のホイッスル付き。メイクポーチにはBBクリームがチューブごと入っていて、いつでもフルメイク可能です。ポケットティッシュは2個、さらにはウェットティッシュもサイドポケットにINしていて、飲み物は水とお茶の両方を持っています。ふぅ…。

まだ続きます。折りたたみ傘や日焼け止め、ハンドクリーム、ハンドタオル2枚、汗拭きシート、ドライシャンプー(シートタイプ)、アルコールスプレー、マスクケース、常備薬・サプリメント、絆創膏、ミニ羊羹(非常食…ね)、スマホスタンド、ストール、必要以上の生理用品…ざっとここまでがスタメンです。

ライターの仕事の日はノートパソコンと手帳、筆記用具、ヨガの仕事の日はウエア一式とヨガマットもプラスされます。おかげで容量20Lのバッグはパンパン

改めて荷物の面々と向き合ってみてわかったのは、自分がいかに心配性なのかということ。薄々と自覚はしていたけれど、これはもう認めざるを得ません。

でかバッグ歴は13年強と前途しましたが、きっかけは東日本大震災です。あの年、航空会社で働いていた私は震度6弱の揺れのあとお客様の誘導をすると、着の身着のまま半袖の制服で仕事用のちょっとした私物が入ったバッグを持って屋外の避難場所で待機。中に入っていたのは財布と充電が切れかかったスマホ、ハンカチ、ファンデーションと口紅だけ。飲み物も食べ物もなく、夕方にはパラパラと雨が降り始めて途方に暮れたことを覚えています。

それからというもの、もし外出先で不測の事態が起こったらと考えるようになりました。

もちろん、備えは大事! 超大事! だけど、最近では物だけでなく不安までも詰め込んでバッグが二重にも三重にも重くなっている気がして仕方ありません。年齢を重ね、数々の不安なシーンに出くわすたびに、バッグがちょっとずつ重くなっていくからどうしたものか。

子どもの頃、友人と映画に行くと言ったら、母から「何かあった時のために…」とテレフォンカードと小銭をジャラジャラ持たされ、バッグが重くなってうんざりしていたのだけれど、今ではその気持ちがわかりまくる!

先月、仲の良い友人2人と食事に行ったときのこと。お会計のタイミングで、それぞれが財布を取り出すためにバッグの中を漁り始めます。

私:「あれ、Aさんってバッグに直接カード入れてるの?」
Aさん:「えー、これお財布だよ!」

何とっ! ショルダーバッグだと思っていた小ぶりなそれ…お財布だったんですね。ていうか荷物は? そのお財布だけ?

聞くと、スマホと家の鍵は洋服のポケットに入れていて、ほかには何も持っていないそう。私が近所のコンビニエンスストアかスーパーに行くときと一緒です。

荷物が少ないと不安じゃない?と問いかけると、逆に荷物が多いといざというときに動きにくそう、肩も痛いし―と言います。

なるほど…そういう考え方もあったのか。確かに、ただでさえ動きがスローになり始めてくるアラフォー世代の肩に6kgの重さがのしかかっていては扱いにくい。コートや厚手の上着の季節ならまだしも、夏なんかは肩とか腕にバッグの肩ひものあとが赤くくっきり残ってなかなか消えません。下手をすれば半日以上赤いままだったりして、どれだけ重い物を担いできたの? 変な物でも持っているんじゃ…? ―と、人の心をザワつかせかねません。

昔はトランクひとつだけで身軽に旅をして暮らしたい―と、思っていたのにまったくもって逆方向に進んでいる42歳の冬。一方で、これまでの経験を不安に変えてしまうクセから「あると便利、だけどなくても何とかなる」と思えるような知恵やたくましさが身についてもいるはずなんですよね。ブラウンのアイシャドウをアイブロウやシェーディング、鼻の下の人中を短縮するのに使ったりするような―これは偏った例だけれど、生活の知恵はまだまだほかにも絞り出せそう。

手はじめに「あると便利3:なくても何とかなる7」くらいの割合にしたく、今年の目標は身軽に決定したのでありました。

とはいえ人生の折り返し地点に差し掛かるこだわりたっぷりな40代の筆者にとって、何かを変えるというのはそう簡単ではないから、ウェットティッシュとアルコールスプレー、どちらに絞るか―なんてところからボチボチ始めています。

ではまた、36回目で。

高木沙織

ヨガインストラクター。「美」と「健康」には密接な関係があることから、インナービューティー・アウタービューティーの両方からアプローチ。ヨガインストラクターとしては、骨盤ヨガや産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、体幹トレーニングに特化したクラスなどボディメイクをサポートし、野菜や果物、雑穀に関する資格も複数所有。“スーパーフード”においては難関のスーパーフードエキスパートの資格を持つ。ボディメイクや食に関する記事執筆・イベントをおこない、多角的なサポートを得意とする。2018~2019年にはヨガの2大イベントである『yoga fest』『YOGA JAPAN』でのクラスも担当。

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